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第12話 奇襲




─────赤羽優視点─────



 「……おかしい」


 そろそろ帰ってくるはず、一体どこで道草食べている。少し探そう思い立ち上がろうとした途端───


 「───避けろ!!」

 

 「っ!?」


 いきなり私目掛けて槍が飛んできた。雷門のお陰でギリギリ避けることに成功した。


 「随分と殺す気満々ね。『出てきなさい』」


 強制を使うと、ずらずらと10人くらいの能力者たちが出てきた。こいつらは手を組んでいるのだろう。雷門には槍どころか矢1本も飛んできてない辺り、私達と言うより私単体を狙ってきている様子だ。


 「女の子相手に酷いじゃない」


 「お前のことは知っているぞ……神崎様に従わない悪党だろ?なら何したっていいじゃないか」


 「……あっそ」


 神崎様、そう呼ぶのは神崎の救済を求めている神崎の信者くらいだ。独断で殺しに来たのか、それとも神崎に言われて来たのかは分からないが、そんなことは些細な問題。


 雷門が狙われなかったのは神崎の信者ではないが否定もしない『中立派』だからだろう。


 「雷門、俺達は『懐疑派』である赤羽と橘、そして一之瀬を渡してくれたらお前には何もしない」


 取引、それなら良かった。雷門が私を売れば容易に近づける。その隙に──────


 作戦を考えていたが、雷門が口を開く。


 「冗談言うなよ……赤羽を裏切るくらいならお前たちと戦った方が生き残れるぞ」


 「ちょっと待ちなさいそれどういう意味よ」


 「そういう意味だ」


 「お前たち!俺らがいるの忘れてないか!?」


 無駄話をしていたおかげで準備は整った。


 「そんなに相手してほしいなら────────かかって来なさい、愚者しんじゃさん

 



 ────戦闘開始の合図が、今降りる





─────一之瀬大和視点────



 「いい加減出てこいよ」


 そう言っても出てくる様子はない、てことは暗殺に特化した能力者の可能性が高い。それなら俺1人でもやれそうだが……


 「……どうするの?」


 俺の後ろには非戦闘員の橘がいる。ここを動くわけにはいかない。久しぶりに《《あれ》》をやるとしよう。



─────ポチャンッ


 ───なるほど、離れなくて正解だったな。前後に8人、左右に8人の計16人が近くに隠れていた。


 「……今の、『雫』?」


 「よくわかったな、正解だ」


 まさかこれが役に立つとはな……正直予想外だ。


 雫、俺が初めて発明したアニマ技術。一滴のアニマを落とし周囲に広がせることで周囲のアニマを感じることができる。俺の耳があれば必要なかったから、あまり使う機会はない技術だが……


 「天野、俺たちの周りに地雷を頼めるか?」


 周りには聞こえないように頼むと、慌てたように天野が拒否する。


 「ちょっと待ってください!それだといっちーに当たっちゃいます!」


 「大丈夫、俺には場所はわかるし最悪踏んでも躱せる」


 「チートだ……」


 違うぞ天野……本当にチートなのは能力なしでも俺と互角に渡り合う赤羽だ。あいつだけ別の世界から来たとしか思えん。


 未だ出てくる気配はない、さすがに痺れを切らしたので反撃を始める。


 「物は試し、お手並み拝見だ」




─────天野花音視点─────



 いっちーは本当にすごい。アニマ技術という独自の技術で今私たちを守ろうとしている。


 「物は試し、お手並み拝見だ」


 そういった直後、いっちーが片手を上げた途端、巨大なアニマ弾を空高く放った。アニマ弾が空中で止まったかと思ったら、4つに分裂しそれぞれが敵がいる方に落ちていった。まるで星が降っているようにも見え、神秘的だった。


 「───『流星群・乱』」


 流星群、確かにそれが一番似合っている名前だ。

あんなの食らったらひとたまりもない。彼のアニマ技術に圧倒されていたら、琴佳ちゃんが彼の顔を覗きながら質問する。


 「いつの間にあんなの使えるようになったの?」


 「バトロワ中に……意外と使えそうで良かった」


 「えぇ……」


 それじゃあ本当にチートだよ、いっちーは……。




 

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