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YOBAI よばい 夜這い!?

 食事の時間以外部屋に引きこもってしまう俺。

 いや、せめて現実逃避くらいさせてくれよ……何で父さんと父さんになってんだよ? オカシイにも程があるだろ!

『そんな褒められちゃうと照れちゃうわ』

 褒めてねーよ! 怒ってんだよ!!

 しかもしかも、何で全員から誘うような目を向けられなきゃなんねーんだよ!!




 ……無視かーい。

 おーい、その返事をするしないの基準はなんなのさ?

 俺、気になります!

『ちょいちょいオタクアピールがウザいよ?』

 いやいやいやいや、何で急にディスられてんの俺?

 ってか、オタクアピールって何だよ! おりゃぁ前世では生粋のオタク。いや、ヲタクだったよ!

 それより、あんたこそ完全に腐ってんじゃねーかよ。

 流石にネタでしか使ってなかったから詳しく分からない事も多いけど……あんたはガチで使ってんだろ?



 ……だーかーらー、本当に唐突に無視するのやめて!



 ……だめだこりゃ。

 うん。

 ……勉強しよう。






 数時間勉強し、ようやく眠気が来たのでベッドに横になった……いや、なろうとしたのだが、毛布をめくるとおかしな事態が待っていた。


「さぁ、遠慮せずにお母さんの胸の中に来なさい」


 とりあえず布団を上からかけ直しておく。

 いや、見た目は完全に母さんの訳だけど、突然風呂に乱入してきて上半身じゃなく下半身にブラブラ揺れるものを見せつけた後じゃぁ流石に母さんと呼びたくないのだが……。

 ってか、それで皆平気とか、一体全体どうなってやがる?

 あれか、俺だけ頭おかしいとかか?


「もー。酷ーい」


「はいはい、酷くていいから出た出た」


「ちょっ、待って! せめてキス!」


 無理矢理部屋から押し出してバタンと扉を閉める。

 で、鍵を閉めるけど……嫌な予感がする。

 くそっ、こんな事ならトイレを我慢するべきだったか?

 ペットボトルトイレ……ダメだダメだ。今生ではもっと清く正しく生きる予定なんだ。

 昔の黒歴史の部分は忘れろ俺。


 さて、母さんだった人がベッドにいたとなると……多分親父はクローゼットだな。

 ならばと、本棚から本を全部抜き取り、クローゼットの入口に置いて本を並べなおす。

 本棚は4つパンパンに入っているのがあるから、全部移せばそう簡単には出てこれまい。

 で、おっ、丁度小学生の頃使ってた縄跳びあるじゃん。

 これで固定してっと。

 うん、完璧だな。


 電気を消して横になる。

 ほどなくガタガタと暴れる音と何か野太い声が聞こえてくるけど無視。


 ふぅ、ミッションコンプリートだぜ。






 ぬるりと何か口の中にあるのが分かって目が覚める。

 と、真っ暗。

 当たり前か、電気消しているんだもん。

 って、ふざけんな!


 思いっきり俺にのしかかっていた誰かを押しやり、急いで電気を付ける。


「……お兄ちゃんは悲しいぞ。人が嫌がる事をしちゃいけませんって言われなかったか?

 ってか、どこに居たんだよ?」


 ショックを受けたような表情を浮かべる優希にそう問い返す。

 いや、探しは勿論したんだ。事前に夜這いするとか言われたんだし。

 でも、何故か居なかった訳で――。


「最初はベッドの下にいて、お母さんを連れ出す時毛布の中に移動して、で、本棚を固定するのに手間取っている間にベッドの下に戻ったんだよ。

 物凄くドキドキしたんだから」


 俺が間抜けなだけでした。

 じゃー、なくて。いや、そうだけどそれ以前の問題がある。


「ってか、俺止めろって言ったよな?

 なんか親父含め全員分かってますみたいな顔で頷いていたから嫌な予感はしてたし、実際今もあそこにバカが1人居るけど」


 ビシッとクローゼットを指させばがたんと大きな音がする。

 その後漏れ出るような嗚咽が……放置だ放置。


「だって、作法じゃない?

 お兄ちゃんも知っているでしょ? 嫌よ嫌よこそ好きのうち」


 いや、微妙に違うから知らないよそんな諺。


「はぁ、分かった、俺の言い方が悪かったんだな」


 思い切り溜息を吐き出せば、ビクゥと大げさに反応する優希。

 うん、正直可哀想すぎて怒る気持ちが全くわかない。

 畜生、親父のように元々男相手だったり、母さんの時みたいに勢いで行けたらまだいいけど、こりゃぁ辛いわ。

 でも、ちゃんと言うべき事は言わないとな。


「俺は夜はぐっすり眠りたいんだ。邪魔しないでくれ」


 その1言にハッとした表情を浮かべる優希。


「ごめんなさい、勘違いしてました」


「おう、分かってくれれば良いよ」


 こちらも胸を撫で下ろし――。


「朝立ちの処理の方だったんだね!」


「ちげーよ! 朝も爽やかに起きさせてくれ!」


「え? だってスッキリした方が爽やかに起きれるでしょ?」


「スッキリするかもだけど、俺は疲れんの!

 あーもー、分かった、妥協しよう。

 そう言う行為は一切なしでいいなら隣で寝ていいぞ!」


 そう切り出せば明らかに目の色を変える優希。


「うん、絶対しない!

 はぁはぁ、お兄ちゃんと一緒のベッドぉ」


『はぁはぁ、誘い受けとか上級者じゃないですかぁ、ホモシちゃん』


 ……勝手に人の名前を激変させんな。


「じゃぁ指きりだ」


 そう言って指切りを微笑ましく交わす。

 なのに女神の息が荒いこと荒いこと。何考えてんだかな?

『そりゃぁもう崩れ縺れいやんあはんな事を――』

 ごめんなさい、黙ってて下さい。


「さぁ、じゃぁ俺隣に布団敷いて寝るからお休み!」


「へぁ?」


「いや、だから隣で寝るんだよ。

 それとも一緒の空間にも居たくないってか?」


 そう言えば、物凄い悩んで悩んで……。

 うん、眠いから先に寝よう。


 悩み続ける優希を放置して寝る事にした。

 多分襲われないと思う。だってあいつ昔から超単純だし。それが物凄い愛らしくて心配だったんだけど……自分の危機を回避する為なら遠慮しないぜ?

『えー! えー! 何それ何それ何それ!

 このホモー、早く素直になれよ放置プレイとか、ってか全裸待機してたのにどうすればいいのよ!』

 知るかボケ! 服着てテメーも寝ろ!!




 元々睡眠大好きで、しかもたっぷり寝ないと翌日に支障が出てしまう俺はすぐに眠りに付くのだった。

 加減が分かりません!

 後、短くて本当にごめんなさい。

 次回こそはもう少し長くなるよう頑張ります。

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