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あなたへ  作者: 臣 桜


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反省のない人生

 トラックに轢かれて死んだとの事で、どんなにみんなに好かれてますアピールしていても、人間死ぬ時はあっけないものだなと思った。


 安藤さんは喪主となり、洋子の家からはおじおば、いとこなどが参列した。


(一家全員死んだなんて、洋子の実家も事故物件になったりして)


 私は僧侶が読経しているのを聞きながら、洋子の遺影を見てそんな事を考えていた。






 からの、あの動画である。


 いつから気づかれていたのか知らないけれど、やる事が陰湿だ。


 私に人気をとられて、夫まで寝取られて悔しいからヒスッたに決まってる。


 子供ができないのは洋子の責任だし、私は悪くない。


 哲也を私に寝取られたのだって、洋子に女としての魅力がないからだ。


 洋子がもっとしっかり哲也の心を掴んでいたなら、こんな事にならなかったはず。


「何も起こるはずはない」


 私はそう呟き、死んだ人間の事は忘れようと決めた。






 一年後、私と哲也は再婚した。


 さすがに洋子を擁護していた人たちにヒソヒソ言われて不快だったので、異動願いを出して他部署に移らせてもらった。


 それにしても、毎日が楽しい。


 洋子にかけられた生命保険は五千万円、彼女の両親の遺産が四千万円、弟の遺産が五百万、洋子自身の貯金が八百万に、証券口座のお金が五百万。


 合計一億円以上ものお金が転がり込み、私たち新婚夫婦は幸せの絶頂にあった。


 私たちは練馬区に一軒家を建て、夢のマイホームで暮らし始めた。


 生前、洋子は『庭付きの一軒家に暮らして、ガーデニングするのが夢なの』と言っていたから、私が代わりにその夢を叶えてあげた。




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