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第4話 君が羨ましい

牛乳とコーヒー牛乳を持って2人の元へ戻る。


「おい遅えよー」

「悠琉ーありがと!」

「はいこれ。そんなこと言うなら渋谷にはやらねえよ」

「あぁごめんごめん」


と、笑いながら渋谷が悠琉の手からコーヒー牛乳をとった。

渋谷はコーヒー牛乳を飲みながら悠琉に尋ねた。


「そういえばなんであんな遅かったの?自販機の使い方わかんなかった?」

「お前舐めてるだろ。ゆみちゃんと話してただけ」

「何話してたの」

「……恋…バナ…?」


と言うと渋谷は「ブーーー」とコーヒー牛乳を吹き出してむせている。


「は、はぁ?お前恋バナって…ゲホッ、だから遅かったのか…ゴホッ、てか好きな奴いるなら言えよ!」

「は、悠琉…好きな人いたんだ…」


悠琉はなぜ藍が少し焦ったような、ガッカリしたような顔をしているのかわからず、疑問に思いながらも続けた。


「別に言う必要ないかなって。っていうよりゆみちゃんにも話すつもりなかったんだ!はめられたんだ」

「まあその辺は知らんけどよ。好きな奴出来たなら俺らにも言えって」

「そうだよ!僕も恋バナしたい!」

「じゃあ今度から言うわ」


話していると叔父さんが雅玖と楽玖を連れて来た。


「話してるとこごめんな。雅玖と楽玖がどうしてもみんなと遊びたいって。良ければ遊んでやってくれないかな」

「俺ら全然いいっすよ!な!悠琉!藍もいいよな!」

「僕もいいよ〜」

「俺はなんでも」

「マジでありがとう!じゃあ雅玖、楽玖、行っておいで」

「「うん!」」


小さい子と遊ぶのは、疲れる。

こっちが休もうとしたら次から次へと要求が飛んでくる。渋谷は弟で慣れているから対応出来るのはわかる。藍はなんであんな元気なんだ。どっちが子供かわからないくらい溶け込んでいる。子供に戻れる藍を少し羨ましく思った。


「今日はありがとね!」

「やだーまだ遊ぶー」

「そうだそうだー」


別れの時間になると雅玖と楽玖はまだ遊びたいと駄々をこねる。


「ねぇ3人とも。もし良かったら今日泊まって、明日仕事手伝ってくれない?もちろん、食事付きの給料あり!」


ゆみちゃんがそう言った途端、雅玖と楽玖が目を輝かせた。


「俺は全然大丈夫だけど、藍と渋谷は?」

「俺ちょ、電話してくる」

「僕は大丈夫だよー!」


渋谷が電話から戻ってきて、


「俺もオッケーっす」


と走って来た。


「じゃあいいかな?」

「もちろん!僕たちに出来ることならなんでもやります!」


と、悠琉たちは叔父さんの家に泊まり込みで銭湯の手伝いをすることになった。

布団に入り、ゴロゴロしていると渋谷はほんの数分で爆睡。悠琉も寝ようとすると、


「ねぇ、悠琉。その……好きな人って、誰?」


と、藍が静かに言った。


「え、言えないよ?」

「だよねぇ」

「なんで、知りたくなっちゃった?」

「まあ、そりゃ悠琉の好きな人は気になるでしょ」

「ふふ、まあ()()かな。その時が来れば教えてあげる」

「ほんとに!?やった!」

「しー、渋谷起きちゃう」

「あぁごめん」


こんな形で恋バナをすると、修学旅行のようだ。と悠琉は思った。


「今日は雅玖と楽玖と遊んでくれてありがとうな」

「ううん、僕も久しぶりに遊んで楽しかった!」

「なんか、どっちが子供かわかんなかったわ」

「ねぇーそれ褒めてるー?」

「褒めてる褒めてる。俺は小さい頃から両親が仕事で忙しくて、あんまり遊んでこなかったんだよ。多分、俺は大人になるのが早かったんだと思う。だから藍みたいに子供に戻れないから藍が羨ましいよ」


「そうなんだ。でもね、僕は小さい頃親に捨てられたんだ。お兄ちゃんが拾ってくれて、いっぱい食べさせてくれた。だからこうして、今ここにいる」


「そう、なんだ。何も知らなくてごめん」

「いや謝る必要ないって!僕が言わなかっただけなんだからさ!」

「まあ、そうだよな」

「うん!よし、もう寝よう!明日お仕事手伝わないとだしね!」

「うん。おやすみ。藍」

「おやすみ〜」


藍が捨てられたと知って、子供に戻れる藍がより一層、羨ましく思った。

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