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「あっ、こんなところに人が! たっ、助けてほしいのであります!」
俺たちの進む方向から全力で走ってきたそのプレイヤー――魔法使いみたいなつばの広い帽子をかぶった小柄な女の子――は息を切らしながら俺たちに助けを求めてきた。
タブレットを女の子にかざす。
■プレイヤー情報
ルン(ソーサラー) レベル15
「ルンっていうんだな。いったいどうしたんだ」
「ど、どうしてジブンの名前を知っているのでありますか!? い、いえ、それよりも……ジブンは魔物に追われているのであります!」
ルンが走ってきたのと同じ方向から魔物の群れがやってきた。
オオカミ型の魔物――ハンターウルフだ。
ハンターウルフは三体現れ、俺たちから少し距離を取った位置で牙をむき出しにして唸り声をあげていた。
セレナが剣を抜いて構える。
「事情はあとよ。まずはハンターウルフをやっつけるわよ!」
そしてセレナは真っ先にハンターウルフの群れに躍りかかった。
クラリーチェが慌てて補助魔法――攻撃力アップ増加効果の『ブレイブヒート』をかける。
「ツインスラッシュ!」
振り下ろしと振り上げの二連撃のフェンサースキル『ツインスラッシュ』がハンターウルフの一匹に叩き込まれた。補助魔法の効果によって攻撃力を増したセレナの攻撃はこの二連撃でハンターウルフを撃破した。
そこに残りのハンターウルフ二匹が襲いかかる。
一匹はセレナが剣を振って迎撃する。
もう一匹は――ルンの手から放たれた魔法の矢『マジックボルト』で、飛びかかるところを撃ち落とした。
「あ、当たったであります!」
「ナイスよルン!」
セレナが再び『ツインスラッシュ』を放つ。
振り下ろしの一撃。
振り上げの二撃。
二匹目のハンターウルフも彼女の連続剣の餌食となった。
と、そのとき、セレナの足元に『マジックボルト』が着弾して小規模の爆発を起こす。
「うわっ、なにすんのよっ」
「マジックボルト! マジックボルト! マジックボルトであります!」
ルンは早口で必死に魔法を唱えていた。
さっきのはまぐれだったのだろう。彼女の手から連射される魔法の矢はハンターウルフにはかすりもせず、めちゃくちゃな場所に飛んでいっている。当たってもプレイヤー同士の攻撃なので害はないのだが、危うくセレナに当たりそうになった矢も二、三発あった。
よく見たらルンは目を閉じて魔法を唱えている……。
それじゃあ当たるわけないな……。
「マジックボルト! マジックボルト! マジックボルトでありますー!」
めちゃくちゃに飛んでいくマジックボルトであったが、それでも威嚇として機能はしたらしく、最後の一匹になったハンターウルフは俺たちの前から逃げていった。




