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東方剣録伝 〜幻想郷最強剣士の物語〜   作者: 黒井黒
第三章 消された歴史
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三十五話 地下での出会い


投稿期間空いた事によりクオリティ低下中。


今回はこれで勘弁してください!


今、俺たちは地霊殿へと続く道を歩いている。その道中には、旧都という地霊殿が統括している街がある。旧都と言うあたり、昔は都だったんだろう。だけど、その面影はあまり無かった。


「旧都はお気に召しましたか?」


「まぁ悪い所ではないけど……」


その後に続く言葉は出てこなかった。


確かに悪い所ではない。だが、それは良く言って……という前置きをつけなければならない。良く言ってシンプル、悪く言って何も無いというのが正しい情景表現だ。


そんな曖昧な事をさとりに言うとそれでも全て伝わってしまう。


「そうですね……。ここは昔、地獄の者が住む居住区として栄えていましたが、とある理由で放棄されてしまいました。手入れする人が居なければ、当然建造物は荒んでしまいます。その結果がこの街という訳です」


さとりが淡々と街の説明をする。俺は比較的真剣に聞いてはいたが、隣にいる元大妖怪様が退屈そうにあくびをしているのを見て、殴りたくなったのを胸の内に留めておこう。


斯く言う俺も……。


「あまり興味がありませんでしたか?」


「そんな事は無いよ?初めて来る場所で興味はある」


「それは良かったです!では、あと一時間ぐらいこの街の説明を……」


「一時間!?それはちょっと……」


「冗談ですよ。ほら、地霊殿が見えてきましたよ」


さとりは、何でもお見通しらしい。俺が少し退屈に思っているのを分かっていて、話を振ってくるというのはさとりなりの心遣いなんだろうな。


さとりが指さす方向には、紅魔館とは一味違う洋風の館が大きく居を構えていた。やっぱり博麗神社とは比べ物にならないぐらい大きい。


だが、周りの崩れかかった居住区と比べて明らかに様子のおかしい。壁にはヒビなどが一切なく、他の建物と違って塗装されているような跡が見られる。


どうやら、この街が壊れてから新設されたような建物だけど……。


「この建物は私達が来る際に建てられた屋敷です。なので新築なんですよ?こう見えて」


今、俺は言葉にはしていない。だけど、心が読めるさとりは俺が思った事に答えていく。その様子に、俺は違和感を覚えずにはいられなかった。


さとりは、今の俺の思っている事もお見通し……なんだろうか?そう思うと、少しゾッとすることがある。


そんな気持ちを押し殺して、地霊殿の敷居を跨ぐ。中は綺麗に掃除がされており、床が輝いて見える程だ。


「掃除はペット達に任せてあります。とってもよく働くいい子達です」


「えっ?ペット?」


一般的にペット……と言えば、イヌやネコを思い浮かべるが、イヌネコに掃除が出来るとは考えにくい。


そうなると…。


「大丈夫ですよ!?和也さんが思ってる事は全く違いますから!」


「だよなぁ〜!まさか人間とかを奴隷にしてるのかと……」


もしかして、さとりは少し特殊な趣味があるのかもしれないと思ってしまった。そんなこともしっかり感じ取ってしまうさとりは顔を真っ赤にして睨んでくる。


「ご、ごめん……!」


「大丈夫です……慣れてますので」


和也とさとりの間に微妙な距離感が生まれる。そして、先程まで軽い冗談を交えて楽しくしていた会話が途切れる。


そんな空気を察してなのか、地霊殿玄関のドアがゆっくり開いた。そこから現れたのは掃除道具を持った猫耳を付け、赤黒に染まったドレスを纏った少女が出てきた。


「さとり様〜!掃除終わりました!」


「ご苦労様です。お燐、ちょっとこっちに来て下さい」


てくてくと、猫耳少女が近づいてくる。よく見ると、猫耳は本物みたいでフワフワしてそうだ。そして、後ろにはなんとも愛らしい尻尾らしきものがうねっている。


「紹介します。私のペットで、よく世話をしてくれている火焔猫燐(かえんびょうりん)です」


主人のさとりが挨拶すると、燐は一礼した。


「お客人、あたいの事は気軽にお燐でいいからね!」


「じゃあ、お燐。ひとつ聞いていい?」


そう言うとお燐は、にこりと笑みを浮かべる。どうやら質問を受け付けてくれるらしい。


「その猫耳と尻尾は本物?」


「ん、これのこと?」


お燐は右手で猫耳を撫でながら、左手で二本の尻尾を自分の前に引き寄せる。


「これは本物だよ。あたいは元々猫であり妖怪だから、人間のいう化け猫ってあたりかな」


「だから、人型にもなれると……」


「そういう事〜」


地霊殿にはなかなか面白い妖怪がいるみたいだ。こんな妖怪達が集まる地霊殿を統括しているのが、さとりってことか。


……これから面白くなりそうだな。



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