おやすみ、また明日…。
今日は酷い目にあった。
板挟みに会うなど前世には無かったからか対応に苦慮しましたぜ。
あちらを立てればこちらが立たず。
方や元気いっぱいに振り回してくれ。
もう一方は地味に手に力を入れてくれた。
女性に挟まれて嬉しいだろって? 違う違うアレはそんなものじゃない。
アレは…。
「クラウス、ぼーっとしちゃってもう眠いの?」
食後の追憶に浸っているとマイ・マザーが優しく聞いてくる。
「今日は兄さん所の双子にモテモテだったんだよな?」
「あら? そうなの?」
「んー? ちがうとおもうよ? お母さん」
否定しよう。アレはだな。お気に入りの玩具を取り合ってるだけだ。
断じて、もてている等とは言えぬ扱いですよ。
「ドワーフのおじさんに色々教えてもらったのを思い出してたんだ」
「先月から村で鍛冶師をしているドッドさん?」
「魔法の先生をしてもらったんだよな。兄さんらしい奇抜な発想だよ。」
「確かに、お義兄さんらしいわね」
伯父さんは従来の発想に囚われない人らしい。
だから三十五歳と言う若さで村長してるのかね。
「人の上に立って二十年にもなるからね。十五の頃から町長の父さんの手伝いをして、二十五でこの開拓村の村長だ。並の人じゃ出来ない事してるんだ。考え方が違うんだろうな」
「そうよね。この村をもう十年も治めてる人だし考え方が違うのね」
「普通は貴重な人材をまさか子供の教育の為に使うとは考えないよ」
「一ヶ月で壊れた農具を殆ど直してもらったから、あまり忙しくないのかしら」
「それもあるね」
伯父さんは先行投資をやってるってことか。時代を先取りだな!
そういや伯父さんの名前はなんだっけ? 記憶を探るか。
そう確か、ヘルガーと呼ばれていたな。
ヘルガー・バートンそれがこの村の村長のお名前だ。
奥さんの名前は…ヴェラ…だったかな?
赤毛が綺麗ないい美人さんだ。胸は控えめだが。
五児の母だが胸は控えめだ。大事な事なので二度言おう。
そこの末娘のカレンとアンネリースに今日は振り回されたわけだ。
前者が元気な方、後者が大人しい方だ。
今日は疲れたしもう寝よう。
「お母さん。そろそろ眠くなっちゃった」
「歯を磨いたら、お布団に入っていいわよ」
「はーい」
二人はまだ起きているようだ。今晩もいちゃいちゃですかね?
お邪魔にならないよう寝てしまうに限るね。
こちらの精神衛生の為にも。
おやすみー。
「おい…お…んか。…い」
誰だよ寝た子を起こすお馬鹿さんは…。俺は眠るぞー!!
「こや…起きぬ…もりか…」
無駄無駄無駄ぁ!
「仕方ない…」
おっ? 諦めたか。最初からそうすればいいんだよ。
「コホン。んーんーあーあー。良し。私はエルフ眠りに付く者よ目覚めるのです」
「はい! よろこんでっ!!」
エルフはどこぞ!? どこにおる!
「漸く目を覚ましたか馬鹿者め」
「は? えぇ? どこだここ…ってか前世の俺の部屋じゃん」
「やはりエルフに関わることなら起きるのじゃな現金な奴め」
「あ…ちんまい…違った。幼女」
「訂正しとるがまるで訂正されておらんのぉ…」
起きて見れば俺の元部屋に自称女神が居ましたよ。何故?
「おぬしに伝え忘れた事があってな。寝入った頃に夢に介入したのじゃ」
「ナイトメアですね? わかります」
「誰が悪夢じゃ馬鹿者」
「それで? 大事なことってなにさ」
「あっさりスルーか…どこまでも自由なやつめ。まあいい話というのは我のことじゃ」
「自称女神のことか?」
「うむ。当たらずともと遠からずじゃな」
「えっ?」
「自分で言っておいて何を驚くか」
なん…だと? 一体何を言ってるんだこの幼女は…。
「我は真の神にあらず。我は…」
そしていらない爆弾発言は、その口から溢れ出た。
「我は人が作りし神、紛い物の神である」
驚愕の事実…ってほどじゃない?
主人公の明日はどっちだ!




