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お祭り騒ぎ? バカ騒ぎ?

お待たせしました。

 社会人になると付き合いで接待とかありますよね。個人的には嫌いじゃありません。度が過ぎた物で無ければ嫌いじゃないです。大人になると飲み二ケーションなる物があるのは仕方ない事です。まあ飲みすぎてバッドコミニュケーションにならないよう注意しましょう。俺の様に抜け出せない網に絡まらないようにして下さい。




 師匠に会えない寂しさを修練に没頭する事はや10日目の事。


 「修行したかったのに何故に俺はこんな処に居るんでせうか…」

 思う通りに行かな日々もあるのかね。


 「クラウスにぃ? どうしたの?」

 「……兄さん?」

 君ら双子は悩みがなさそうで良いね。


 「どうしたんだい? クラウス。元気ないね?」

 ああ。ヴェラさん別に元気が無い訳じゃないんだよ?

 少し焦りが生まれてるだけさ。


 「大丈夫だよ? 僕は元気だよ」

 美味しい肉が食えるし元気さ。


 「クラウス。もう少しでお肉が出来るわよ。お皿を持っていらっしゃい」

 「はーい。今行くよ。お母さん」

 待望のお肉が、来るよ。


 「久しぶりの大物……と言っても。既に死んでいた猪だけどね。美味しく頂こう」

 ダディよ。事後処理ありがとう。


 「なに、腹に入ればどちらも同じだ。気にしない事だよトリス」

 伯父さんは気にしなさすぎだと思うよ?


 「さあ。村の皆も沢山食べて飲んでくれ。この村十年の節目だ。その祭りに相応しい獲物を感謝して頂こう!」

 伯父さんの演説に村人が歓声を上げて応えてる。

 そう言えばこの村が此処に出来て10年になるのか。

 その祝いの品に丁度よく大猪が取れたと。

 まあ、立役者はダディに譲ることにしよう。そうしよう。


 「はい。クラウス、熱いから気を付けて食べるのよ?」

 「はーい。お母さん」

 マザーから蒸気で蒸し焼かれた大猪だった物を俺はお皿に受け取った。

 うむ。臭みも無い良い焼き加減の肉だ。

 まさか蒸気で肉料理を提案した直後に大物を調理しようとは、初めは夢にも思わなかったよ。



 そして俺は程よく熱の通った肉を頬張りながら過日に思いを馳せた。

 そう、あれは俺がドッドに追加の物を制作してもらった日の頃だ。



 「クラウス。言われた物が出来たぞ! これで良いのか?」

 「ありがとう! ドッド。これで十分だよ」

 要望通りの適度な長さの鉄の棒だ。


 「これに少し手を加えるんだ!」

 「ふむ。何を作るかは知らねえが危なくねぇようにしろよ?」

 「分かった! 少し場所を借りるね?」

 「おう。好きに使いな」

 それでは待望の武器を作りますかな。


 そして俺は頭に思い描いた物へと鉄棒を作り替えていった。

 ステッキの握りの部分を形作り。

 棒の中を空洞状にし。

 地面を突く部分に穴を開ける。

 最後に握り部分を捻れる様に形を変えて完成だ。


 「ほお~。杖か中々考えるじゃねぇか。それなら見た目あんまり危なくねぇな」

 「うん。刃がついてたりしたら皆心配するもんね」

 見た目はただの杖ですもんね。

 中が空洞で鉄パイプのようですけどね!

 ちなみに蒸気機関の管を鉄で作ったのは私です。


 「これで上にデカイ宝石でも付けていれば魔法士みたいなんだがな」

 「そうなの? でも邪魔じゃない?」

 「何でも魔力がよく集まるとか何とか。俺達ドワーフには大差ねぇけどな」

 「そっかー」

 ドワーフやエルフは魔力量が多いから別に気にしないのかもね。

 しかし宝石には魔力が集まりやすいか。

 今度、機会があれば調べよう。


 「それよりもドッドに一つ頼みがあるの」

 「なんだ? 他に何か作るか?」

 「そんなに難しい事じゃないんだ。表に置いてある薪で少し作って欲しい物があるの」

 「薪で? 構わねねぞ?」

 少し試したいからね。

 詳細を言うから頼みます。


 「ふむ。クラウスの腕くらいの長さで? 先を細く。まるで杭みたいだな」

 「そうなの出来る?」

 「簡単だ。直ぐに出来るぜ!」


 ドッドの宣言通りあっという間に出来上がった。


 「ありがとう! ドッド」

 「なぁに。これくらい構わねぇよ!」

 一つの大きい薪から5本ほど作ってもらえた。


 「それじゃあ少し杖を試してくるね!」

 「おう。長さが合わねぇと使いづらいだろうからな。行ってこい」

 そうだね。作ったら試さないとね!



 そして俺は家に帰って試したんだ。

 マザーとダディは伯父さんの家に話があるとかで出かけていた。


 「ふむ。誰も居ないとは好都合だ。早速試そう」

 まずはステッキの握りの部分を右に捻ります。

 すると外れます。

 長い鉄でできた筒になります。

 これに細長い杭を入れます。


 「下準備は出来たな。後は魔力フィールドを展開だ」

 俺の周囲にある空気を掴みます。

 その掴んだ空気を圧縮します。


 「ふふふ。準備万端だ」

 さて、その圧縮空気を筒の尻部分に動かします。

 後は空気を開放だ。


 「はて? 的を忘れてしまった。どうしよう」

 しまった! もう集めた空気を開放しなきゃならん。

 だが一度集めたんだから何もせずに開放するのは勿体無い。

 やっちまった。

 手落ちじゃ。


 「あー。適当に森の方向に打ち出すか」

 今日はダディも森に居ない。

 危険も無いだろう! うん。


 「射角を最大仰角に固定! 後方の安全を確認!」

 いざ参らん! 俺の巨砲よ咆哮を上げよ!

 ふはははは! まだ下のはデリンジャーだけどな!



 俺が意気揚々と西の空に向けた鉄パイプは、重い空気の抜ける音を空に奏でた。

 圧縮された空気が木の杭を勢い良く打ち出した。

 杭は空気を喰い破り虚空の彼方へと姿を消した。

 目にも映らない速さで杭は飛んで行った。

 俺は予想以上の速さに暫し呆けていた。



 「あ、あれ? 何今の……予想と違いませんかね?」

 俺の予想では放物線を描いて西の森に飛んで行くはずだったのに。

 今、何にも見えなかったよ?


 「あーれー? どこまで飛んで行ったんだ?」

 見えませんかね?



 俺は左手で陽の光を遮る様に額の辺りに左手を当てて見ようとしたんだ。

 その瞬間。

 神の石が淡く光ったのが見えた。


 「お? 何か光ったな。てか今まで忘れてたわ」

 語尾に草が生えそうな気分ですよ。


 「あれ? 何これ」


 そして神の石に写っていた物は……。


 魂[001/100]

 徳[0010/1000]


 「何かを殺してしまったようだ?」

 マジでぇ? やばいどうすんべ。

 どないしょ! どないしょ!?


 「ただいま。クラウス」

 「ひゃい!? お、おかえりなさい? お父さん」

 「あらあら? どうしたの? クラウス」

 「何でもないよ? お母さん」

 いきなり帰ってきましたよ!

 どうしようか?

 そうだ!


 「お父さん。今日は森に行かないの?」

 「うん? そうだね。村の祭に獲物を出そうかと思っているんだ。少し森を下見して来ようかな」

 お゛ぅ! 好都合だ。


 「お父さん森の方でね。何かの鳴き声が聞こえたんだ! 何かあったのかもしれないよ」

 「森の方から鳴き声? そうか。今から調べて来よう」

 「トリス。大丈夫なのかしら?」

 「心配ないよディア。君を残して何処にも行かなさ。僕は君と共に居るよ」

 「トリス……」

 「ディア……」

 うん。見詰め合うのはいいんだ。

 でも何で近づいて行くのかな?

 俺は後ろ向いてるから手早く済ませて欲しい。


 「杖を繋げるか」

 夫婦が二人の世界に行っている隙に元に戻そう。

 握りの部分を鉄パイプに合わせて左に捻る。

 それで終わりだ。

 他の杭は籠に入れてるから気づかれまい。

 これにて証拠隠滅完了だ。


 「それじゃあ二人とも行ってくるよ。何かあれば直ぐに帰ってくるからね」

 「行ってらっしゃいトリス」

 「行ってらっしゃいお父さん」

 多分何かがあるのは間違いないから処理お願いします。

 人でありませんよーに。



 俺の懸念を他所にダディは森に向けて歩いて行った。

 結論を言えば簡単だ。

 森の奥近くで頭を打ち抜かれた大猪が横たわっていたそうだ。

 何があったのか調べて見ても近くにあるのは粉々になった木片だけだった。

 その木片が何なのか? 俺だけが知っている。

 それは俺が打ち出した木の杭の成れの果てだと。

 勢い良く飛んで行った杭がピンポイントで猪の脳天をぶち抜いたのだ。

 その勢いは止まらず近くの岩か何かに当たり粉々になったのだろう。

 その後ダディは大猪発見を村人に知らせて大人数人掛りで獲物を運んだのだ。

 大猪は祭のお祝品として差し出された。




 そして俺は肉を食す旨さで我に返った。



 「ん~蒸気で焼かれて旨みが漏れ出していないのか美味しいね」

 強く焼くと外側が焦げちゃうしね。

 蒸気料理は成功のようだな。


 「クラウスにぃ! おいしいわ! お肉が固くないのよ?」

 「……カレン。頬に付いてる」

 双子も満足してるようだ。


 「三人とも美味しく食べているかな?」

 「ティアナねぇ! お肉おいしいよ?」

 「……美味しいわ。ティアナ姉さん」

 双子の姉が来たよ。

 確か、しっかり者の姉だったかな?


 「美味しいよ。ティアナお姉ちゃん」

 「良かったわね。トリスお父さんに感謝しなさいね」

 「はーい」

 「ふふふ。クラウスは可愛いわね」

 おや? ティアさん笑顔だね。


 「クラウスは可愛いから。私がもらおうと思ったのにね残念だわ」

 「へ?」

 何それ? もしかしてティアはショタ属性なのか?


 「ふふふ。驚いた顔も可愛いわ」

 「え?」

 何で抱きしめてくるのかね?


 「もう他の人のモノになったなんて、お姉さん残念だわ」

 あっ。その笑顔で分かったわ。

 この人は俺をいじって楽しもうとしてるよ。

 獲物を見つけていじる気満々だよ。


 「(少しこのままで居なさい)」

 「うん?」

 なんだ? 違うのか?


 「(お馬鹿な二人組の相手をしたくないの協力してね?)」

 あぁ~。確かに馬鹿二人組が何やら悔しそうな顔で見てるな。

 そうか分かった。

 それなら俺も少し協力しよう。


 「うん! 僕、ティアナお姉ちゃんも大好きだよ?」

 「あら? ありがとうクラウス。嬉しいわ」

 はっはっは。

 恋に敗れた負け犬どもめ馬鹿二人は何処かに行きたまへ。


 「ずるいわ! わたしも一緒にあそぶわ!」

 「……仲間はずれはよくない」

 ちょ。双子よ何を勘違いしているのかね?


 「うふふ。クラウスはモテモテね? 嬉しいでしょ?」

 「ええぇ!?」

 おい! 虫除けだけじゃないのかよ!?

 やっぱ伯父さんの娘だ。

 この状況を楽しんでやがる!


 「わたしは右ね!」

 「……左は私が」

 「あら? それじゃあ私は……クラウスの後ろにするわね?」

 何故に姉妹包囲網が完成されているのかね?

 おい。俺、拘束されてるじゃねーかよ!


 「僕お肉が食べたいから離して欲しいな?」

 「あら? アンネに食べさせてもらえばいいじゃない」

 「……! 。そう私が食べさせる」

 「わたしは、お水をもってくるわ!」

 「良かったわね? クラウス」

 ぐぬぬ。後ろから拘束されて逃げられない。

 なんて人だ!

 しっかり者じゃない。

 トンデモナイ策士だ!

 孔明の罠だ!


 「……兄さん。はい。あーん」

 「クラウス? せっかくの美味しいお肉よ? 味わって食べなさいね?」

 「水が飲みたかったら言ってね? クラウスにぃ」

 ぬぁんたることかぁああ!?

 当方に迎撃の用意なし!

 轟沈待ったなし!



 このあと無茶苦茶接待された。

 俺は三姉妹のおもちゃじゃねーよう!

読んでくれて、ありがとうございます。


推敲途中でお呼びが掛かり投稿前に出かけていました。

遅れてすいません。


楽しいお祭りの一幕でした。


次回も会いましょう!

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