表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/97

失敗を超えて。

 失敗は成功の基と言う。失敗したからと諦めてはいけない。やり方が間違っていたのなら、やり方を変えればいいのだ。だけど現代の日本では1回の失敗で直ぐに駄目だと言われて爪弾きに遭う。失敗は確かに無いに越したことはない。だけど1回で見限るのは違うと思う。何でも初めから出来るのなら教えるという行為は要らないはずだ。根気よく教え導く事で後進を育てる事が出来るのだから。だから俺も諦めず試行錯誤して強くなるのだ。



 俺は水の玉を前に油断なく目を光らせていた。


 「くっ!! たかだか一発で沈んでたまるかよ!」

 俺はやれる! 俺は出来る!


 「ちぃ! 足に掠ったか!?」

 下段の死角から来やがったか!


 「まだだ。まだ終わらんよ!」

 見せてやる! 幼児の性能ってやつをよぉ!


 「ぶべっ!?」

 ちめたい…。


 「あー。まだ二個は無理があるか。一個は余裕なのにな」

 水の玉が下から来るのを警戒していたら、もう一つが顔に直撃しちゃったよ。



 俺は現在、反射神経の修練を繰り返している。

 自分の魔力フィールド内に浮かべた水の玉を回避する訓練だ。

 これが意外と難しいのだ。

 何故かと言うと、魔力フィールドを使って物を察知したり出来ないからだ。

 魔力フィールドを水の玉操作に傾けているお陰で、察知に使えないのだ。

 だから自身の純粋な身体能力に頼らざるを得ない。



 「魔力フィールド内に入れば何であれ感じ取ることが出来るんだけどな」

 自分で操る水の玉を察知していたら訓練にならない。

 だから操作にだけ割り振ったんだけどな。


 「五日じゃ大した違いは無いか」

 師匠と離れて五日も経ったのか…。

 早いものだ。


 「それでも四回は避けれたから上達したのかな」

 初日は酷い目に会った。

 左右から来る水の玉をしゃがんで躱した直後。上から直撃されて、怯んだ所を左右から挟まれた。

 確かに? 自分で軌道を幾つか思い描いたよ? でもね? その中でいきなりエグい物を選ぶかね?

 自分のサドっぷりを思い知ったよ。

 しゃがんで回避したら動けなくなるから上から直撃されてしまった。

 そこまでは良いよ。

 だけどその後に左右から追撃をするとは自分でやっておいて酷いと思う。

 お陰でいきなり濡れ鼠だ。


 「まだまだ身体が意識に追いつけていないな」

 脳が身体を支配しきれていないのだろう。

 確か脳の神経で、ニュ、なんだっけ?

 ローンじゃなくて……。

 お! そうだニューロンだ確かそうだ。

 幼い内に色々と刺激を与えたりする事で増えるんだよな。

 まあ、歳をとっても増えるとか聞いたな。

 正確にはニューロンのシナプスだったかが増えるんだ。

 これが増えれば短い時間で考えられ肉体への情報伝達スピードが上がるんだよな。

 ニューロンは伊達じゃない!


 「そして反復訓練で精度を上げていくのだ」

 だからもう一度繰り返すのさ。


 「まずは一個からだ!」

 よし。俺の正面に水の玉が浮かんだな。

 これがランダムで上下左右に動き出すんだ。


 「今度は右上からか」

 だんだん凝ってきたな。


 「いきなり加速した!?」

 ちょ! 凝りすぎだろ!


 「当たるかよ!」

 姿勢を低くして左前に出て回避だ!

 その後振り向きながら飛び退く。


 「へっやるじゃねぇか」

 段々と動きが凝ってきやがる。

 しかも様子を伺う様にゆらゆらと右に左に動いている。

 心理的にも追い詰めて来るとか俺はどれだけサドなんですか?


 「今度は無限のマークに動きやがる…」

 あかん。仕留めに来てる。

 更に速度が上がってる!?


 「デンプシー!?」

 叫びながら何とか右に飛んで避けれた。


 「抉り込む様に鋭角に飛んできたぞ…」

 右下から左上に向けて急角度で上昇して飛んできたよ?


 「これやりすぎだ!?」

 まてまて、普通の動きで良いから。




 その後、普通の動きに戻った水の玉を躱し続けた。

 水の玉が2個に増えて5回まで回避した後に被弾して終わった。

 だが俺は知らなかった。

 プロの拳でも時速40kmだと言う事を。

 山なりのボールのスピードでも軽く時速80kmは出ているんだと。

 知らぬは本人ばかりなり。




 「きょ、今日はこれぐらいにしといたる」

 水の玉を10発も受ければもう良いだろ。

 最初の一歩目で殺りに来た水の玉よりマシだろう。

 初日のアレはやり過ぎた。


 『クラーウスっ! ちょいと来てくれ!』

 ドッドがお呼びだ。

 何かあったか?


 「なーにー?」

 入口から顔を覗かせてみる。


 「おう! 少し思った事があってな」

 「どうかしたの?」

 「ああ。竹を削るまではいいんだがな。削っている間に動いちまうだろ? どうしたもんかと思ってな」

 そりゃ削る時に動くよな。


 「んー。竹より少し大きい筒を作って動かない様にするしかないかな?」

 「やっぱりそうだよな。俺の考えも同じなんだよ」

 「簡単にした方が良いよね」

 「だな。凝るのは他の部分だけで十分だ」

 凝るのは羽の部分でいい。


 「あとどのくらいで出来そう?」

 「そうだな。固定する部分と刃を覆う部分に羽が一つかな」

 「もうそこまで作ったんだ」

 もう7割方は出来上がってるよ。


 「新しい物は早く試してみたいからな!」

 「楽しみだね!」

 完成が待ち遠しいな。


 「今日はもういい時間だ。完成は明後日になるな」

 「もうそんな時間なんだ。気付かなかったよ」

 「随分と熱心に練習するもんだな」

 「師匠との約束もあるからね!」

 この異世界では強く無ければ守る物も守れないだろう。

 守れなかった、では話にならん。


 「まあ無茶せんほどにしておけよ?」

 「分かったよドッド」

 匙加減は任せとけ。


 「そろそろ帰るね!」

 「おう! またな!」

 家に帰るべ。




 完成は明後日。伯父さんにも知らせようかと考えながら帰路に就いた。

読んでくれて、ありがとうございます。


主人公はどのくらい強くなれるんでしょうね?


次回も会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ