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少年よ学べ。そして大人になれ。

今日は少し短いです。

 リテラシー。学習とは大切だ。俺も学習して少しは利口になったかと思ったのだが、そうそう利口にはなれそうもない。師匠にお小言をもらうばかりだ。出来れば褒美が欲しいです。師匠の抱擁が欲しいです。抱きしめて! 異世界の果てまで!




 「ク~ラ~ウ~ス~君? もう危ない事はしないって私と約束したよね? これは一体どういう事なのかな? 私は聞いてないよ?」

 「しゅみまひぇん。ししょふ」

 やっちゃったゼ!

 どうしてこうなった?

 やはり危機感が無いせいか好奇心を抑えられない模様。

 くそ! あの幼女神め! 奴は、なんて物を盗みやがったんだ。

 そう私の恐怖心です。


 「鉄が、こんなに容易く溶けちまうなんて、陽の光はとんでもねぇな」

 鉄が溶けた事に感心してるのはいいけどさ。

 出来れば俺を救ってくれ! 友よ!

 心の友よ!


 「クラウス。魔法以外でも初めて物を作る時は私の許可を取る事。どうも君の考える物は奇抜な物ばかりで判断が難しい。だから判断は身近な大人に…この場合は師である私と君の友達であるドワーフに聞いてからにしなさい。分かった?」

 「はい。師匠」

 おー痛い。いくら子供の頬が餅の様に柔らかくても引っ張り過ぎると痛いですよ。


 「鉄も溶けるくらいだ。こりゃ沸騰するのは確かだな」

 「分かってもらえて良かったよ」

 その代償は俺の頬だけどな!


 「どれ。試しに鍋に水を入れて熱してみるか! 新しい事は楽しいな! クラウス!」

 「だよね~。楽しいよね~」

 「楽しいのは良いけど程々にね?」

 「はい! 師匠」

 師匠の笑顔が少し怖いです。玉がヒュンっとなるくらい怖いです。あれ? おかしいな恐怖心が無いはずなのに。



 その後、水を入れた鍋に空気口を開けた蓋をして実験開始。

 徐々に温まる鍋の上に葉っぱの付いた枝をかざしてみた。

 すると見事! 空気口から蒸気が吹き出し葉っぱを揺らしたのであった。

 実験は成功した。三人の協力の元で成功したのだ。

 俺が鏡を調節し、ドッドが鍋を持ち、師匠が枝を持つ。

 三人寄ればなんとやらだ。

 クラウス君は異世界に蒸気機関の概念を齎らすのであった。


 「これならクラウスが言っていた事も出来るかもしれねぇな。よし早速作る事にするぜ!」

 「確かに出来てしまうね。本当にクラウスは規格外だ」

 「うん。出来るのはいいんだけどね。二人に頼みがあるんだ。この事だけど」

 「わーってるよ。誰にも言いやしねぇよ。」

 「こう言ってはアレだけど子供の考えつく事じゃないからね」

 二人共ご存知のようだ。理解が早くて助かる。


 「今日のこれはドワーフとエルフの協力の元で完成されたって事にして貰えると良いな」

 「ふむ。確かに俺が一人で考えたとなると無理があるな」

 「今まで余り関係が無かったエルフとドワーフが協力したから新しい事が出来た、か。その線で行こうか」

 「おう。クラウスの為だ。そうするか」

 これで益々エルフとドワーフの権威が強まりますな。

 良い事だ。二人には世話になっているしな。


 「それで作るのは、輪っかと器と鉄で出来た棒が三つに他に何かあるか?」

 「うーん。湯気を受け止める羽が欲しいかな」

 「羽か。湯気を受け止める物はどんな形なんだ?」

 「んとね。丸くて平たい物の外側に羽を付けて、その羽の部分で湯気を受けて動くの。後で白い石で小さい形の作ってみせるね」

 「すまねぇな。しかし形が分かれば直ぐ作れる。ありがとよ!」

 「それじゃあ籠に入れて行くね!」

 石英でミニチュア作りですよ。模型があれば理解しやすかろう。


 「私が持ってあげるよ。クラウスには少し重いだろ?」

 「ありがとう! 師匠!」

 やっぱり優しい。もう怖くない! ね? 怒っていただけなんだよね。

 そうでしょ? 師匠。




 そして二人して夕暮れの近くなった道を歩いて帰った。

 帰り道の師匠の横顔は少し疲れたり悩んだりした顔だったけど俺には微笑みを向けてくれた。早く頼りになる大人になりたいぜ!

読んでくれてありがとうございます。


前話につなげてしまった方が良かったかなと悩んでいます。

話を作るのは難しいですね。


それでは次回もあいましょう。

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