彼女への贈り物。
おはようございます。
水。それは生命を育む物。地球上の飲める水は全体の1%にも満たない。その水を汚すのは、自殺行為にも等しい、と。昔テレビで、ご多層な講釈を述べている学者が居たが。自分自身も浪費家である事を忘れてやしないだろうか? 偉そうに上から言うだけじゃ誰も説得出来ないと思う。同じ目線で話せば人は聞いてくれるのだ。だから如何に水が大切かを説くなら。失う事じゃなく。利用法を説けば良い。そうすれば皆、有り難がるのだから。
師匠と離れて29日目の夕食後。
「へ~そうなんだ。竹で水を入れる道具を作るのか」
「うん! 竹炭を見た時に思ったんだ。中が空いているから入れられないかなって」
ダディに竹の利用法を説いています。
「クラウスは色々考えているんだね。えらいえらい。」
「えへへ」
これで、ダディが狩りの時でも何処でも水を飲めるってもんよ。
「でも色々と作り方を知りたいから。師匠が来たら聞いてみるんだ」
「そろそろアデリーネさんが、いらっしゃる頃かしらね」
そうなのだよ。
そろそろ師匠に会える。
ああ待ち遠しい。
「ふふふ。クラウスはアデリーネさんが好きなのね」
「お母さんと同じくらい好きだよ」
ここは母をたてねばいかん。
そして抱きつく。
「あらあら。クラウスったら」
さすれば微笑まれよう。
感謝の意と好意は身体で示そう。
あっ。
ある程度の知り合いに限るからな!
いきなりの無理矢理はダメダゾ?
「これなら、ある程度丈夫だし持ち運びに便利かもしれないね」
ダディも竹を見ながら納得の様子。
「他にもいっぱい考えてるんだ!」
「楽しみにしているよ」
「他に何が出来るのかしらね」
楽しみに待ってて下さい。マザーよ。
そうして家族の団欒が過ぎて行ったのだ。
「しかし、ある程度の処理がされてたのには驚いたな」
俺は、自室で今日手に入れた竹の事を思い出していたりする。
「まさか、油抜きまでされていたとはな」
そうなのだ。
竹の油抜きがなされていたのだ。
この処理がされていれば。
虫食いやカビなどが付かなくなるのだ。
「何かに利用出来ないか試行錯誤してたのかもしれないな」
どうやら陰干しもされていた様子。
これも先達方の知恵の賜物かな。
だが、魔獣のせいで頓挫したのか。
人手が足らず。
それどころでは無くなったのかもな。
そうで無ければ手付かずのまま置く訳が無い。
「今の平和はエルフのお陰だな。感謝感謝」
まずは、その感謝を師匠に贈ろう。
「石英ガラスも大分貯まったし。大きい鏡と小さい鏡が出来そうだな」
大きい方は風呂に使い。
小さい方は手鏡として使ってもらおう。
「どれどれ。鏡作成と行きますか」
その為に今日は魔力を回復してある。
「作業開始だ」
まずは、石英を手頃な大きさの平たい楕円形にします。
次に裏側に銀を薄~く、薄~く。
薄くメッキの様に伸ばして行きます。
この時、慌ててはいけません。
次に銅を伸ばします。
銅は柔らかいからか扱い易いですね。
思うように伸びてくれます。
最後にドッドにもらった樹脂の様な物を塗ります。
かぶれたりしないので漆ではないのでしょう。
そして熱を加え水分を蒸発させます。
「これで鏡の部分は完成だな」
出来上がった鏡をダディに作成を頼んだ物に合わせます。
木で出来た取っ手付きの入れ物に填めます。
鏡のサイズを微調整して取れない様にします。
「手鏡の完成だ!」
中々の出来ですよ。
シンプルだが綺麗な木目のある良い手鏡ですよ。
これを胡桃の油で拭けば艶が出るな。
「そろそろ魔力が尽きるな。ここまでにするか」
錬成の他にも魔力を使っていると尽きるのが早いね。
夜なべしての手鏡作りなのだ。
暗いから月の明かりを利用して暗視魔法の底上げをしたけど限界みたいだ。
暗視魔法だけだと魔力の消費が早いんだよね。
まだまだ未熟なり。
「それと、正確には『熱線感知魔法』なんだよな」
どう違うのか?
光源が少ない場所では目で見る事は出来ない。
だから光を増幅して見れる様にする。
それが普通の暗視だろう。
ここまでは良い。
だが光が一切入らない屋内や洞窟ならどうだろう。
真の暗闇の中では見えないかもしれない。
そこで熱を探知する魔法の開発だ。
物体が放つ熱線を感知して視覚化する。
これなら光の増幅に魔力を費やす必要もない。
熱線を感知するだけなのだから。
低コストで結果を出す。
日本人ならではの考えだ。
実際、5割程の消費魔力削減が可能だ。
サーモグラフの様に視覚化出来たり。
白黒だが、はっきり、くっきり見える様にも出来る。
低コスト、高性能、多機能万歳である。
「今思うと。本当に日本人って変人ばっかだな」
従来ある物で満足せず。
魔改造するんだから。
まあ、かく言う私も元日本人でね。
「そろそろ寝るかな。眠いわ」
寝る子は育つと言うしな。
健やかに育ち師匠の隣に立てる男になろう。
師匠にご執心な俺が希望を胸にご就寝です。
読んでくださって、ありがとうございます。
愛しいあの子に贈り物です。
しかし肝心の人が居ませんね。
ヒロインは何時来るのか?
次回は今日の18時以降に投稿するかもしれません。




