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彼を探れ!

おはようございます。

 バードウォッチング。それは鳥の観察ですね。…そのままだな。人間ウォッチング。それは人間の観察……駄目だ…。今日は調子が出ない。捻りが無いが率直に行こう。個性が無いが存在感も無い。そんな無い無い尽くしな彼を観察して魔力隠匿の技法を会得するべく今日も村の中を俺は行くのだ。決して見失ったから八つ当たりしてるわけじゃないからな!



 師匠と離れて24日目、双子が旅に出て9日目。



 「おっかしいな。さっきまで居たはずなのに」

 早速見失いました。

 変ですよ? 前を歩いて居たのに。

 なのにどうして見失うかな?

 目の前を虫が飛んでいたから手で払ったんですよ。

 そしたらもう居なくなってた。

 何を言ってるか分かっているけど居なくなった方法が分からない。

 人体消失のマジックじゃない。

 存在感を感じられない瞬間を味わったよ。


 「本当に何処に行ったんだ?」

 チィイ、奴は何処だ? さっきまで居たはずだ。

 直ぐに見つけ出してやる。

 俺は紅白の横縞野郎を見つけるの上手かったんだからな!

 絶対に探し出してやる!


 俺は今朝からテオ少年を尾行していたのだ。

 彼を観察することで、何か解るかもと思ってだ。

 だがどうだろ。

 いきなり見失った。

 一瞬目を離した隙に、だ。


 「ミスったな。対象の行動目的の調査を忘れてた」

 ううむ。

 何かなかったっけか? …。

 ……あっ。

 昨日ヴェラさんが言ってたじゃないか。

 畑の手伝いしてるって、そうだ畑に行こう。

 この近くだと、村の北入口近くの畑か。



 「アレが彼の仕事場ね」

 居るかな? 他の村人は……休んでるね。

 あっ! 居た。

 黙々と作業をしているな。

 てか、誰も気付いてなさそうだな。

 少し観察するか。



 約30分後。



 「すごいな」

 裸眼で見たり魔眼で見たりしてるんだけど。

 コマ落ちした動画を見ているようだ。

 一瞬消えて。また現れて、だ。

 あーちょい目が疲れたな指で揉んでみるか。


 「ふう。見詰めるのも楽じゃない……ぜ?」

 あれ? 消えた。

 どこよ? あっ木の陰にいた。

 てか今頃休憩かよ!

 すごいマイペースなのかもしれないな。

 しかし見れば見るほど理解不能なり。

 昨日は中心にぎゅっと集まるみたいな魔力の動きだった。

 だけど今日のは違う。

 まるで周囲の風景に溶け込む様に魔力が薄くなっているんだ。

 昨日のは、もしかしたら俺に見られて警戒してた?

 内側に潜る内向的な心をしているのかもしれないな。

 今日は、そうじゃないのは周りも気にしていないからかな?

 リラックスしている様にも見える。


 「ふむ。少し分かったかな」

 力ずくで魔力を押し込めても駄目なんだ。

 周囲に溶け込むように意識をニュートラルにするのかもしれない。

 別の精神集中を会得せよと言うことか。

 俺のやってるのは意識を先鋭化させるやつだ。

 意識はクリアになるけど尖っている感じだ。

 もしかしたらテオは明鏡止水を生まれながらに会得しているのか。

 彼からは邪念と言うか人の心の濁りが見れない。

 例えるなら風に吹かれる柳の如し。

 全て受け流しているような存在だ。

 まるで抵抗感が無いのだ。


 「これはあれですな。悟りを開くしかあるめえよ?」

 さて、問題点は分かった。

 あとは実行するのみだな。


 「家に帰ってやってみるかな」

 ついでにドッドの家に回ろう。

 ここから近いしな。

 そして俺は木の上から降りるのだ。

 コアラの様に張り付いていたのだよ。


 今日も石英を譲ってもらおう。

 石英ガラスにして半分を返せば十分だって言ってたしな。

 魔力隠匿の他にも並行してやるんだ。

 そして第二号の鏡は師匠にプレゼントだ。

 その他に試したい事が出来たしな。



 「ドッド。おはよう」

 「おう。今日は早いな」

 いつも昼過ぎくらいだしな。


 「うん。今日は白い石を貰いに来たんだ」

 「そうか。待ってな今持ってきてやる」

 子供が持てる分だけでいいですからね?

 積載過多はダメよ?


 「ほれ。これでいいか?」

 「うん! 大丈夫だよ」

 良かった。

 両手で持てるくらいで。


 「俺もできりゃあ良かったんだがな。どうも上手くいかねぇ。これは当分クラウスに頼る事になるな」

 「そうなの?」

 何か問題ありか?


 「ああ。これを見てくれ。どう思う?」

 「すんごく。歪です。」

 ドッドが見せてきたのは石英の成れの果てだ。

 板状なんだけど波打っているのだ。


 「まだまだ修行が足らねぇ」

 「ドッド! 頑張って!」

 「おう。やってやるぜ!」

 熱血だね! 魂込めて集中すれば出来るよ。

 俺の激励で気合が入ればコツをひらめくかもね。


 「そうだ。中身は確認してくれよ?」

 「うん。分かった。」

 自分で確認。

 大事です。


 「銅も銀も入ってるよ」

 「おし間違いねぇな。クラウス確認は自分の目でするんだぞ?」

 「はーい!」

 さて、家に帰るか。


 「出来たら持ってくるね!」

 「おう。またな!」

 内職みたいだな!





 今朝は歩いたり観察したりで腹も減ったし家に帰って昼飯だ。

読んでくれてありがとうございます。

切れの悪い前説は仕様です。


また17時に投稿します。

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