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石英を掴む者。

おはようございます。

 進み過ぎた技術は、時に戦争の引き金にもなる。あの舌を出した人も理論は導き出せても、未来は解らなかったのだろう。俺も二の舞を演じる事の無い様に気を付けよう。舞って良いのは、師匠とのダンスだ。できればチークダンスをお願いします。チーク、頬を寄せ合うダンスがいいですよ。まあ? 小さい俺とじゃ微笑ましいだけの気がしないでもない。大人になったらやってみたいね。こう師匠の腰を抱き寄せて御手を取って見つめ合うダンスを……。



 師匠と離れて23日目、双子が旅に出て8日目。



 いよいよ禁断症状が出始めた。

 そう師匠と夢の中でダンスをしていたのだ。

 背の高い師匠に振り回される俺。

 彼女に焦らされている様で振り回されている様で、とても…とても…。

 焦らしが上手いと思います。

 そんな新しい何かが開けそうな朝でした。


 「ふぁあ~あ。眠い」

 昨日は少し遅くまで悩んでしまいましたよ。

 まさか鏡であれだけ悩むとはね。


 「でも、ドッドのお陰で帝国の事とか分かったし、後ろ盾の価値が分かったし良しとするか」

 悩んでいたらキリがないしな!

 鏡はドッドと二人で作り出したって事に出来たし。

 これでマザーに渡しても大丈夫だろ。


 「さっそくプレゼントだな」

 喜んでくれるだろうか?

 朝食後に出してみよう。




 今日の朝食は少し塩味の足りないスープだった。

 それでもマザーの美味しい朝食には変わりない。


 「ごめんなさいね。少し塩を切らしてしまったの」

 「大丈夫だよ。ディア。君の作る食事だ。少し塩が足りなくても十分美味しいよ」

 今日もイケメン力全開のダディだ。

 見習わなくてはな。


 「美味しかったよ?」

 「二人共ありがとうね」

 塩が足りないのか、塩に似ている石英ならあるんだけどね。

 代用は無理だな。


 「最近、塩の流通量が不足しているのかもしれないね」

 数年前の被害のせいかね?

 どうにか塩を手に入れられないかね。

 せっかく近くに海があるのに。


 「どこも大変だから仕方ないわね」

 マザーの微笑みも、どこか力ないね。

 塩は無理だが、鏡をプレゼントしよう。

 そして喜んでもらうのだ。


 「お母さん。塩は無理だけど、他の物を上げる。だから元気だして?」

 「あらあら。クラウスったら優しいのね。誰に似たのかしら?」

 などと言いつつダディを見るマザーでした。


 「ディアの子供だからね。当然だよ」

 などと言いつつマザーの腰を抱いてますね。

 そうゆうのは夜やって下さいよ。


 「部屋から持ってくるね!」

 それまでに終わらせて下さい。



 仕切り直しだ。



 「お待たせ。お母さん。これを貰ってね」

 勢いに任せて押し切る作戦です。


 「何が貰えるのかしら? 楽しみね」

 「ドッドさんと一緒に作ったんだ!」

 「へぇ~何を作ってきたのかな?」

 二人共興味深々ですね。

 では、箱を開けましょう。

 御開帳。


 「あらあら何かし……ら…」

 「これは……」

 フリーズしましたよ。

 でも夫婦仲は熱々なようだ。

 仲良く抱き合ったまま止まっている。

 お? ダディが手に取って見ている。

 おや? マザーが俺を見ている。

 そんなに見詰めないでくださいよ。

 恥ずかしいじゃないですか。


 「す…」

 す?


 「凄いわ! クラウス! なんて凄いのかしら!」

 うわぉう。抱きしめられた!

 そして山脈に埋もれた。

 その後、上に持ち上げられて振り回された。

 再度山脈へ。

 夢のお告げはこれだったのか!?

 マザーと頬を寄せて激しいダンス? に誘われた。

 ダディよ止めて下さい。

 あっ。

 まだフリーズしてやがる。


 その後ナデナデやらスリスリやらでマザーの愛を感じた。

 顔にキスの雨を降り注がれてしまった。

 愛の豪雨である。


 「たいしたもんだ。クラウスがこれを作ったなんて」

 あんたも大した人ですよ。ダディ。

 横で振り回されてる俺に気付かないんだからな!


 「クラウスは私達の宝物よ」

 俺を抱っこしながら頬を寄せてくるマザーが何だか微笑ましい。

 少し幼く感じるからだ。

 まるで大きなぬいぐるみを抱きしめているみたいだね。

 衝撃が大き過ぎて幼児退行でもしたか?


 「ドッドさんと一緒に作った試作品だけど。一番最初に作った物は、お母さんに贈りたかったの」

 本当は100%俺が作ったんですけどね!


 「もう。クラウスったら! どこまで私を喜ばせるの?」

 あうあうあー。

 もうキスはいいです頬に何回されたか分かんないよ。


 「そっそれでね? 鏡の事は全部ドッドさんに聞いてね?」

 俺が色々話したら怪しまれるからな。

 ドッドもそう言っていた。

 何から何まで、お世話になって申し訳ない。

 身が縮こまる思いですよ…。

 ん? 今何か思い出しかけたような…。


 「それじゃこの新しい鏡はドワーフに聞けば良いと言えばいいんだね」

 そうですよダディ。飲み込みが早いね。

 てか何気に気付いてるっぽい?


 「クラウス~クラウス~」

 なんだかマザーが元に戻らない。

 はあぁん。

 耳は、こそばゆいので止めて!


 「おっお母さん。この鏡を使ってね?」

 「うんうん。お母さん大切に使うわね?」

 そう言いながらも箱に大事に閉まってますよね。

 そして両手で抱きしめて、まるで内側に隠す様に……。

 …隠す…縮こまる…。

 うん…。

 そうだよ。大切な事を思い出した。


 「それじゃ僕は魔法の練習をするね」

 「分かったわ。でも無理しないでね?」

 「はーい!」

 無理をしてマザーを悲しませたりしないさ。

 おや? ダディは今日は休みか?


 「お父さんは今日は何をするの?」

 「お父さんはね。道具の手入れをするんだよ」

 そっか、使うばかりじゃ駄目だもんね。


 「今度見せてね?」

 「ああ。いいよ」

 見てみたいが、残念だけど。

 今日は、これから大切な実験ですからね。






 俺は思いもしなかった。

 石英の力が映すだけにとどまらないとは……。

10時投稿にした訳ではありませんよ?

今日もこの後17時に投稿します。


前説の作り方。

進み過ぎた科学→相対性理論→アインシュタイン→舌を出している→舌を出して失敗をあざ笑う→失敗→二の舞を演じる→舞う→ダンス。

相対性理論→相対→相対は昔は男女の仲を意味していた→男女の仲。

男女の仲+ダンス=チークダンス。

こんな下らない連想で前説を作る時もあるんです。

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