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幕間―双子、珍道中アンネ編―

お待たせしました。

 私は、アンネリース。皆にはアンネと呼ばれています。双子の妹の方です。

 姉のカレンは今日も元気です。私の双子の姉です。あっ! 髪を梳かしているのに動かないの。

 私は今、お母さんの言いつけでお父さんを見張っています。

 私の父はヘルガー・バートンと言います。トモスト村の村長です。

 私の母はヴェラ・バートンです。綺麗な赤い髪が特徴です。

 私の髪の色はお父さん譲りの金色の髪です。

 家族の中で赤い髪は三人です。

 母のヴェラ。

 長女のティアナ姉さん。

 それに次女のカレン。

 金色の髪は四人います。

 家長のヘルガーお父さん。

 長男のヘンリック兄さん。

 次男のテオ兄さん。

 最後に末の私。

 ヘンリック兄さんとティアナ姉さんは若い頃の両親に似ていると叔父さんが言ってました。

 確かに似ています。

 元気すぎるヘンリック兄さんは、顔がお父さんにそっくりです。

 しっかり者のティアナ姉さんは、そのままお母さんを若くしたみたいです。

 テオ兄さんは……。

 ……。

 ………。

 …大丈夫かしら? 家で忘れられていないか心配だわ。

 とても存在が薄いんです。

 他の家族も、希に忘れる事が有るくらいに存在が薄いんです。

 産んだ本人のお母さんでも希に忘れるくらいなのに生きていけるか心配です。

 兄妹の上三人で遊びに行って何故か一人だけ置いてこられたりしたんです。

 いつも私が気付かないと食事も忘れられるくらいなのです。

 …本当に大丈夫かしら? お母さん忘れてないかしら。




 馬車の旅も五日になる頃に目的の村が見えてきました。

 カレンがまだなの? まだなの? て言ってお父さんを困らせていたので、村に着けてよかったです。

 お父さんは真っ直ぐ来れたから早い方なんだよって言いながらカレンの頭を撫でています。

 「まっすぐ来れなかったら何日で着くの?」

 「そうだね。北の方の都市アスルを経由して村を一つ通れば七日くらいかな」

 「それならこっちの方が早いわね!」

 カレンは元気にうなずいています。

 村に着いたカレンは、村の中をじっと見ています。

 私達は初めて村の外に出たのだから気持ちは分かります。

 でも、お母さんの言い付けは絶対です。

 私は大丈夫だけど、カレンはどうかしら。



 「……カレン? 村を見てみたいの?」

 「え? だっだいじょうぶよ? 見なくてもいいわ」

 目が外を見ているのに?

 お母さんが怖くてがまんしているのね。


 「……お父さんなら私が見ているから、カレンは外を見て来て? その後で交代しましょう」

 「アンネ! 良い考えだわ! 先に私は外を見てくるわね!」

 カレンは返事をしたら、そのまま飛び出していったのです。

 ……大丈夫かしら?




 カレンの代わりに私はお父さんの側で大人の話を聞いていました。

 竹が増えて森の半分近くが侵食されたと話していました。

 木こりの村人が獣に襲われたとかで働き手が減ったのが痛いとも言ってました。

 炭を作ろうにも燃やす木が取れなくて作れないと、お父さんに相談していました。

 アンリカ村の村長さんも悩みを聞いて欲しかっただけなのかもしれませんね。

 お母さんが言ってました。

 誰でも悩みの一つや二つあるから聞いてあげると良いんだよって。

 そしたら気分も晴れて頑張れるさって教えてくれたのです。


 「分かりました。うちの村でも竹で何か出来ないか、考えておきましょう」

 「おぉ。バートンさん! ありがとう。ありがとう」

 先程まで暗い表情だった村長さんも明るい表情になりました。

 お母さんの言う通りなのです。


 「そうだ。うちの村の子供も竹に興味があるみたいでね。よければ少し分けていただけないかな?」

 「おお。そうなのですか? 小さい子は色々な物に興味を示すものですからな。どんな子ですかな?」

 「私の甥っ子なんですよ。これが可愛くてね。ウチの双子と仲良しなんですよ」

 「バートンさんの甥っ子でしたか。好奇心ある子供は良く育ちますからな将来が楽しみですな」

 お父さんが嬉しそうにクラウス兄さんの話をしているわ。

 でも、嬉しいより楽しそうに見えるのはなんでなのかしら?



 あっ。そろそろカレンが来るわね。

 何故だか私達双子は互が近くに来ると分かるのです。

 扉を壊す前に開けて待ってましょう。

 カレンが男の子を一人引きずって来ました。

 何をしているのでしょう?


 「アンネ! ただいま! この子とお友達になったわ! 一緒に村を見てたのよ!」

 「……お帰りなさい。カレン。隣の子はお名前は何て言うの?」

 カレンに引きずられて来た子に目を向けます。


 「僕はジョン。ジョン・スミスと言います。この村を守る騎士の子供です」

 「……初めまして。私はカレンの双子の妹でアンネリースと言います。アンネと呼んでいいです」

 礼儀正しいです。同い年くらいなのに立派です。

 でも、おかしいですね。なんで沢山の女の子を連れてきたのでしょう?

 カレンったら、また何かしてきたのかしら。

 女の子達が怖い顔で村長さんの家の周りを囲んでいるわね。

 カレンは勘違いさせやすい行動をするから何かしたのね。

 多分、原因は隣の男の子ね。何とかならないかしら?

 でも誤解を解こうにも周りが来ないから解きようがないわ。

 ……そうね。集団の中で一人前に居る子。

 あの娘が集団をまとめているのかもしれないわね。

 上にいる人に言えば誤解も解けるでしょう。

 交渉するなら責任者が良いとお父さんも言います。

 カレンに任せたらこじれるかもしれないから私が行きます。


 でも、その前に本人に確認しなければいけないよってお父さんは言ってました。

 カレンに聞きましょう。


 「……カレンはジョンの事が好きなの?(友達として)」

 「そうね! 好きよ(友達として)」

 「えぇ!? かっカレン?」

 「……分かったわ。私に任せて。」

 「え? 何が分かったの?」

 ジョンが不思議そうに見てきます。

 私達なら理解できてしまうのです。



 「……そこの貴方。少しいいかしら?」

 「なっなによ。何か言いたいことでもあるの!?」

 何故そんなに怖い顔をするのかしら?


 「……何が気に入らないのか解らないけど。二人が仲良くしても良いじゃない?(友達として)」

 「はっはあ!? 一体何を言ってるのよ!」

 「……あの男の子の事なのだけど。二人共、好き合っているの(友達として)」

 「ジョンがそう言ったの!?」

 …嫌な顔はしていなかったわね。


 「……そうね」

 「そんな!?」

 ……凄く驚いているわね。


 「みっみとめないんだからあぁああ!!!」

 ………走っていったわね。

 こちらの意見を言ったのだから後は本人の気持ち次第ね。

 理解してもらうには時間がかかるよって、お父さんも言ってました。



 「……何とかなったわ」

 「何が何とかなったのか分からないけどアンネは凄いわ!」

 「君達双子は凄いね……」

 ジョンがため息を吐いてます。

 問題が解決して安心したのでしょう。


 「……ジョン」

 「何かな? アンネ」

 「……カレンをよろしくね?」

 「よろしくね! ジョン!」

 「…ああ。よろしく頼む……」

 ……めでたし、めでたし。





 それからジョンの家族の事や将来なりたい物などを私達は話し合ったのです。

主人公以外の人の話は書いてて少し面白いですね。


誤解を解こうとして誤解が深まるってありますよね。

説明する時は言葉足らずは禁物です。


それでは次回も会いましょう。

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