発明とはなんだろう?その結果は誰が為に使う?
発見や発明とは数多の試行錯誤の末に辿り着けるものだ。よく天才は1%のひらめきと99%の努力などと言われているが、これは別に努力の末に結果を得る! なんて言葉じゃない。1%のひらめきがなければ99%の努力は無駄である。と言う意味なのだ。だから俺のこの実験もひらめきから導き出された結果であり。特に努力した覚えはない。みんなもひらめきは大切にして欲しい。でもちゃんと実験と検証はしないと後で方々から袋叩きに遭う。それは忘れてはイケナイ。
「んーやっぱり、これって磁石だよな」
俺は桶の中の水を見ながら結果を見て独りごちる。
一昨日、ドッドから貰ったお土産で実験した結果は、やはり予想どうりだった。
磁石に対して、鉄で出来た細長い欠けらを擦りつけたのだ。
そして擦りつけた鉄の欠けらは。
(ここから呼称を鉄の棒とする)
見事に桶の中の水に浮く葉っぱを動かしているのだ。
先の細い方が北を指しているようだ。
クラウス君は方位磁石を作成した!
材料はこちら。
磁石×1
鉄の棒×1
みなさんもお手軽に方位磁石が作れますよ!
「ふふふっ。結果を知ってはいるけど、やはり嬉しいものだな!」
これは後々生きてくる実験結果ですな。
磁石の有用性を理解してもらう前に大量に仕入れてしまおう。
クズ石なんて呼ばれているんだ。誰もまだ気付いて居ないはずだ。
「方位磁石を使えば絶えず方角を確認出来るようになる。これは売れるぜ!」
師匠と約束した偉大なる偉業に、また一歩近づいていくのであった。
「磁石を使って他にも何か出来ないかな?」
魔力と合わせて何か素晴らしい物でもできないかな?
おっ!? 魔力、そうだよ物に魔力を宿らせるとかあるじゃなーい。
磁石も鉱物だし土魔法の練習に最適だ。
一石二鳥になるかもしれない。
そして磁石を使った魔法の練習と実験、検証を並行させてみた。
その結果、驚くべき事実に直面した。
その実験内容はそんなに難しい事ではない。
磁石に対して魔力を注ぎ込み。どのような変化をするか?
磁石の変質と魔力の定着を試みたのだ。
魔眼を発動し魔力フィールドを展開して磁石の形を変えていた最中だった。
徐々に形を変え、切り離し、小分けにしてお互いを少し離していたのだが。
なぜか魔力を注いでいた磁石に小分けにしていた磁石が引っ付いたのだ。
「うぉ!? いきなり引っ付いた?」
なんだ? 魔力を注いだから急に磁力が強くなったとか?
もしかしたら磁石の性質が変化したのか!?
「おおぉ!? いきなり当たりを引いたか!?」
ほぉおお、感動ですよ! クラウス少年の新しい夜明けぜよ?
「よしよし。早速検証しよう。まずは二つの桶に水を入れよう」
桶を二つ置きまして、水を入れます。
次に魔力で変質した磁石と、そうでない磁石を準備します。
そして薄く水を張った桶に磁石を入れます。
BGMは○分○ッキングですな!
「むむむっ。これはー…ふっ。ふふっ。はははっ!」
やった! 確実に変化している!
お分かりになる方もおるでしょうが解説しませう。
誰にだ?
なぜ水を張った桶で変化が理解できたのか?
磁石とは磁力を発する物である。
これは常識だろう。
だがこれを水に入れてみると水が若干歪む。
というのは、あまり知られていないような気もする。
知っていたとしても生活に活用する知識でも無ければ忘れ去られるであろう。
この水に入れた磁石が水を歪める度合いが明らかに違いが見られるのだ。
魔力を注いでいない方は本当に若干歪んだかな? という程に対し。
魔力を注いだ方は明らかに、目に見えて水が歪んでいるのだ。
その結果は注いだ方が磁力が強力になった事を意味している。
「ふふふっ。魔力を付与して鉱物の性質を強化できる。これはこの世界で生きる者にしてみれば人生を左右する程の発見に違いない。ドワーフは感覚で捉えていることだろう。だが目で見て理解出来る俺ほどではないだろう。」
そう、俺は目で見て確認できる。
現に磁石に若干だが魔力が宿っているのだ。
朝食後3時間掛けただけあるぜ!
あー疲れた。肩がこるぜ…。
あれ? そう言えば磁石で肩こりを直すとかあったよな。
前世で父方のじいちゃんが肩や腰に貼っていたのを記憶している。
もしも、もしもだよ? 磁力が強くなった事で効果が上がるとすれば…。
おおぉぉー。これは野良仕事で疲れた村の人達の為になるのではないか?
利益や偉業を得るのもいいけど誰かの為になってこそではないだろうか。
発明とは、そうあるべきな気がする。
確かに? 戦争なんかに利用される事もある。
それは否定できない。
だが誰かの為に使われる事もまた否定できないことだ。
そして感謝される。いいことじゃないか。
「差し当たって効果が出るか検証しよう。そう疲れた素体がここにいるじゃないか。そう俺だ」
いきなり他人で人体実験なんてしませんよ!
いい事を思いついたと思っていたら部屋の外からマザーの声が聞こえてくる。
「クラウスー? お昼にしましょう。」
食べてからでもいいか。
「はーい! 今行きまーす」
今日のお昼は何かなー?
「お母さん。今日は、お父さんお昼は居ないの?」
ダディが不在だ。
「お父さんは村長さんの所にお出かけしているのよ」
ああ。獲った獲物を分けに行く日か。
「美味しそうなスープだね!」
今日も美味しそうな昼ご飯だ。
肉を細切りにして香草と一緒に煮込んだスープにパンだ。
いい香りと肉の旨い脂がスープに溶け込んでいる。
この少し固いパンにも慣れたな。
「ふふふっ。クラウスが喜んでくれて嬉しいわ」
ああ今日も我が家の女神は美しい。
その微笑みだけでご飯三杯はいけますよ。
早くここに我が師匠も加わらないものだろうか。
女性率が上がるだけでこのスープにも勝る香りが漂うに違いない。
そして楽しい妄想と共に昼食を終えた。
「ごちそうさまでした!」
「お粗末さまでした。ふふふっ」
マザーの頭ナデナデは素晴らしい。
もう何でも言うこと聞いちゃいたい位に素晴らしい。
やはりコミニュケーションは大事だ。
褒めたり撫でたりで人は成長するのだ。
だから今日も俺は成長できるのだ!
そして食後の歯磨きの後、磁石をベットの下に敷お昼寝と洒落こんだのだ。
こりが取れるだろう。
磁石の利用法でした。
魔力の意外な利用法も出ました。
明日もお会いしましょう。




