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幼児が教える正しい魔力の運用法。

二日続いて、おっさんの登場です。

 ドッドにお礼を言われるのはいいとして。俺がここに来た本来の目的を果たそうか。

 鍛冶師に魔力の運用を教えたらどうなるのか? 大変興味のある事ですよ。



 「ドッドさんは魔力を扱いながら鍛冶をしたりしないの?」

 率直な疑問だ。


 「んー。そこまで意識してやらねぇな。大親方の打つ姿は希にしか見れねぇし。見たときも凄げぇ気迫が漲っているくらいしか感じなかったしな。でもあれは魔力を乗せながら打っていたのかもしれんな」


 「魔力を動かせる?」


 「出来なくは無いが、戦う時くらいしか使わないからな。そもそもは戦う為に使うのがこの村での役目の一つだしな。獣なんざぁデカイ魔力に怯えて逃げちまう。この村を守る事も俺の仕事だ」

 なるほど。だからこの村は獣の被害が少なくなったのか。

 昔の記憶には。何やら獣を退けたという記憶がある。

 その時は兵士が少し居たが最近見ないのはそのせいか。

 強いドワーフが一人居れば兵士十数人分の働きを見せると。

 まるで虫除けならぬ獣除けだな。



 「元々ドワーフは戦う事から習い始める。そして百五十歳くらいで鍛冶の下働きをして、二百歳位から鍛冶をさせて貰えるんだ。初めは鍬や鎌と言ったものから、二百五十歳でやっと武器を打たせてもらえる。三百歳で外の世界で腕を磨くんだ。自分で学び身に付けることを俺達ドワーフは昔からしてきたんだよ」

 なるほど、最初から答えを教え込むんじゃなく。

 自分で探して身に付けるのか。

 長い年月生きる種族らしいというかなんというか。



 「戦う以外では魔力は動かしづらいのかな?」


 「んー…戦ってる時は、こう、頭に血が上ってるってぇか。要は興奮してるから出せる力なんだよな」

 火事場の馬鹿力?

 無意識に出せる力だから意識して魔力を動かすのに慣れてないのかね。

 なら精神が高ぶらずに引き出せる方法を教えよう。


 「僕が見つけた方法だけど聞いてみる?」


 「ほぅ。教えてた側が教わる側に変わっちまったみたいだな!」

 などど言いながら笑っているけど別に馬鹿にした笑いじゃない。

 新しい発見に巡り合えた事を喜ぶ笑い方だ。

 そしていつかの精神統一方法を教えてみた。



 その結果…。



 「ふむ…。なんとも奇妙なもんだな。心は落ち着いているのに、えらく魔力が鋭くなったみてぇだ。クラウスすげぇじゃねぇか!」

 喜んでもらえたようで何よりだ。


 「じゃあ僕が魔力で触れてみるから。ドッドさんは触れられたかどうか教えてね?」

 これで自分の周りに魔力がある事を認識してもらおう。

 と思ったんだけど。


 「ドッドだ」

 いきなりなんぞや?


 「へ?」

 「さん、なんて他人行儀な呼び方はなしだ。俺の事はドッドと呼んでいい。俺だけクラウスと呼び捨てにするのはおかしいだろ? 教え教わる仲なんだ。俺とお前は対等だ。そうだろ?」

 どうやら呼び捨てで呼び合う事になったみたいだ。

 しかし良い笑顔だな。おっさんだけど。



 「うん! 分かったよドッド」

 「おう! それでいいクラウス」

 やっぱり漢臭いニカッとした笑顔だ。


 「じゃあ今から魔力で触れてみるね?」

 「おう!」

 でわでわ~。いつもの様に魔眼で見ながら魔力展開!

 そしてドッドの魔力に少し当ててみる。



 「おっ!? 今触れただろ!」

 順応早すぎだぜ。


 「正解! 流石だねドッド!」

 「まあな。でもクラウスもやるじゃねぇか」

 「師匠が良いからね! ドワーフとエルフの両方だもの」

 「へっ! 嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか!」

 ごっつい手で頭を撫で回されるのに慣れてきたな。


 「そうか…。これが大親方の言っていた事か…」

 どんなこと言われたんだろ? 気になるな。



 「何を言われたの?」

 「ん? ああ。鍛冶をする時は、心を落ち着けることだってな。火を見て高ぶるんじゃなく火を見ても心を落ち着かせて、そして自分の内側から湧き出る物を鎚に乗せろって言われてな。火の色を見て熱を感じるだけじゃ半人前だって言われたんだよ。」

 ほほぅ。鍜冶の極意みたいな物か? それをヒントに辿り着いて漸く一人前の仲間入りってとこかな?



 「クラウス。俺はおめぇに会えて良かった。ここの仕事を受けた時の俺を褒めてやりてぇくらい良い気分だ。ありがとうな!」

 照れるじゃないの。


 「僕もドッドに会えてよかったよ」

 そして男二人で笑い合うのだった。



 「今日は気分が良い。クラウス何か持ってくか? なんなら将来お前が使う用のナイフとか打ってやろうか?」

 「いいの?」

 「遠慮なんてスンナ! 水臭ぇ」

 何やらお土産をもらえるようだ。

 そうだな。何が良いかな?



 「ナイフも良いけど良さそうな物何か探しても良い?」

 「おう! いいぞ。ナイフはクラウスが大人になってからでも遅くないしな」

 「それじゃ探してみるー!」



 前に来た時も色々あったしな。

 何か良い物あるかも?

 ん? あれって…。



 「ドッドこれなーに?」

 「うん? それか、そいつは炭だな」

 いや見たまんまですがな。

 聞き方が悪いか。


 「何で出来た炭なの?」

 「んー…なんて言ったかな。最近作り始めたって奴で、普通の木の炭じゃねぇんだ。東の方にある開拓村の所で作る『竹炭』とか言ったかな? えらく燃えやがるんだよ使ってみると違いが分かるぜ」

 やっぱりこれって竹だよな?


 「よく燃えはするんだが鍛冶で使うと金屎もよく出るってのが玉に瑕だな」

 火力はいいけど欠点もあるのか。

 しかし竹の存在を確認出来たのはデカイな。



 「なんだ? そんなのが良いのか?」

 「うん! それとこの前見たクズ石も貰える?」

 引鉄石だっけか? あれも欲しい。


 「ああ。あるぞ? まだ返品してねぇ。しかしクラウスは変わった物を欲しがるんだな」

 「珍しい物が欲しいんだ」

 これはいいものだー。



 「そうなのか? やっぱ魔力を扱えると言えど。まだまだ子供か?」

 そう今の俺は子供です。

 だから不審がられず色々な物に手を出せるのです。

 そう例えば、エロい体のエルフのおねいさんに抱きつくとかな!

 師匠のあの体は服を着ていても分かる。

 あれはとても『エロぉぅい』体です。

 ふっ新しい言葉を生んでしまった。

 用法は、これはたまらん! 至宝のエロスだ! ため息が出るぜ! と云う時に使いましょう。



 「ど~こに仕舞ったかなー? おっ! あったあった。ほれこれがクズ石だ」

 「ありがとう! ドッド」

 「いいってことよ! これくらい安いもんだ」

 遠慮なく頂こうか。


 「それと鉄の欠けらとかあるかな? 細長いやつ」

 「ん? 鉄かぁ。この前、農具を直した時の切りクズならあるな。これでいいか?」

 「うん!」

 へへへっ。これで面白い物が作れるぜ。

 これで作った物を双子に見せれば羨望の眼差しを向けられる事間違いなし。

 尊敬の念を今の内から叩き込んでしんぜよう!

 ついでに村長にも見せて見るかな。



 「クラウス…。おめぇ何か考えがあるな?」

 「ふぇ!?」

 なん…だと?…。見抜かれた?


 「その笑顔が素直な所は良い。だがバレバレだぞ」

 「えへへ」

 面目ない。まだポーカーフェースなんて出来ないもんで。


 「何か作ったら俺にも見せてくれ。子供の考えは時にトンデモナイ事やらかすからな」

 なにその楽しみにしてるぜ! みたいな顔。



 「うん。ドッドに最初に見せに来るから楽しみにしててね!」

 科学の力を見せてやるぜ!

 まぁ俺が発見したことじゃないけどな。



 そしてドッドの家からお暇したのだった。

うるおいは無かったけど成果と良い物は有りました。


次回! 竹無双、磁石無双なるか!?

微妙な無双ですね…。

また明日もお会いしましょう。



そうそう結構話溜まったんですけど一気に流した方がいいんですかね?

じっくり派の人は1話ずつのが良いんですかね?

私はじっくり派です。

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