女神とお話。
投稿予定の話が少し微妙だったので書き直していました。
遅れてすみません。
夕食後、客間に行きベットを確認して最初に思った事は…このベットデカイな、だった。マザーに聞いてみたところ実家から結婚祝いとして送られてきた物だったんだとか。でもなんで二つも送るんだろうか。夫婦の部屋にあるのと同じ大きさじゃないですか。母方と父方の両方から送られたとか? それはないか。それとも伯父さんが村に定住してくれたお祝いとして送ったとかかな? だが今重要なのはそれじゃない。重要なのは一緒に寝れることだ。この大きさなら一緒に寝ても窮屈じゃない。むしろ少し窮屈でもいい…。できれば密着したままが最適だ。そしてゆくゆくは二人の愛の巣に――自主規制が入りました――。
「クラウス君はどっちに寝るのかな? 右? それとも左?」
二人の未来を夢想していた俺に女神が尋ねてくる。
右ですか?
左ですか?
いいえ真ん中がいいです。
だが控えめな俺はそう言えない。
「おねえさんの上がいいです」
「へ?」
おっと、いかんつい本音が洩れてしまった。
「お母さんに抱きつくように寝たいなーと」
「クラスウ君はお母さんが好きなのかな?」
「うん! もちろんお父さんもね」
「そうか。まだ五歳だったね。甘えたいのかもしれないな…」
なんとか方向変換できた。あぶないあぶない。
「それじゃこっちにおいで?」
正直な俺に女神がご褒美をくれた。
招かれるままに俺は抱きついたのだった。
すんげー柔らかい。
すんげーいい香り。
だめだ余りの多幸感に思考能力が落ちてる。
ふわふわとした浮遊感も感じる。
まさに天にものぼる感覚だろうか。
だが、今天に召される訳にはいかない。
そう俺には使命がある。
それは目の前の女性と結婚することだ。
え? 神の使命? 知らん。
「何のお話をしようか?」
「んとねー…そうだ。おねえさんの名前なんだっけ?」
「夕食時に言った気がするんだけど?」
まずい。女神が憂いをお示しだ。
「んとね。おねえさんがきれいでかっこよくて、ずっと見てたから耳に入らなかったの」
これは本当だ。
「そっそうか。」
頬を朱に染めていますなぁ。
「…やっぱり小さい子は素直で飾らないものだよね……あの貴族の子弟が異常な…」
女神は呟く声も良い響きだ…。
「おねえさん?」
「ん? ああ何でもないよ。私の名前だね? 私の名前はアデリーネだよアデリーネ・グリューンそれが私の名前だよ」
お名前の確認完了。魂に刻もう。
「わかったー」
「他に聞きたい事はないかな?」
そうですなぁ。
「おねえさんは魔法の適正を見てまわるんでしょ? 僕みたいな子はいた?」
「そうだね…君のような小さい子は見ていないね。見るのは十歳から十五歳前までかな」
「なんで十歳からなの?」
「十歳まではそれほど違いが出にくいからかな」
ほほぅそうなのか。
てか、おねいさんの事を聞こうじゃないか。
「おねえさんはエルフなんだよね? エルフってみんなおねえさんみたいなのかな?」
「いや…違う…かな?」
なんだか言いづらそうですな。もしや地雷?
「私は他のエルフとは違うかな…。」
「そうなの?」
ええい、無邪気を装いこのまま聞いてしまえ。
「うん。違うんだ…。髪も他のエルフは金色で私の様な色じゃないんだ。目の色も違うかな。それに…」
「それに?」
「それに私はね。『初まりのエルフ』にそっくりなんだって言われてるんだ」
その時、抱きついた体に少し力が入った気がした。
初まりのエルフとはなんぞや?
「初まりのエルフ?」
「そうだね。人族は知らない話だよね。少し長い話になるかもしれないけど聞いてみる?」
「聞きたい」
なんだか重要なことかもしれない。
聞かねば。
「それじゃあ話そうか。その昔――」
その後聞いた話は最近の俺の疑問に答えるに十分な話だった。
なぜこの世界に神がいないのか?
なぜ魔法なんて便利なものを活用しないのか?
それは大昔この世界に邪神が現れ。神と争い世界を巻き込んだ神話の戦いがあったからだった。
大地には邪神の眷属が蔓延り、それを討つ為に神は地上に初まりのエルフを遣わした。
神は辛くも邪神を消滅させたが地上に居る邪神の眷族を半分消すために力を使い果たして消えてしまったそうだ。
その後は初まりのエルフが神に代わり強大な魔法の力で眷属を倒していったんだけど。
いかんせん数が多すぎたと。
そこで初まりのエルフは自分に似せた者をこの世に生んだらしい。
それが今いる従来のエルフということだ。
そのエルフ達を率いて最後の戦いに趣いたのだ。
邪神の眷属と初まりのエルフ率いるエルフの軍が衝突し。
熾烈なる戦いの果てにほぼ全ての眷属を地上より討伐したとか。
だがそれで話は終わらない。
傷付き、多くの同胞が倒れ。
初まりのエルフ自身も傷ついていた。
仲間を救う為に初まりのエルフは最後の力を使い。
そして多くのエルフは救われた。
初まりのエルフは死の間際、こう述べたらしい。
「私は消えてしまうでしょう。でもあなたたちの中に私は残ります。だから悲しまないで生きてください。そして二度とこのような悲劇を生まないようこの世界を守ってください。」
そう残して消えてしまったそうだ。
「そして、その姿を知る最古参のエルフの長老方が言ったんだ。私は初まりのエルフに似ているんだって」
魔法は戦争の道具として使われ。
使い手が減り。
そして神は死んでいたのか…。
エルフのお名前出ました。
そして少し世界の事情も出ました?
お楽しみいただけたでしょうか。




