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おうちへ帰ろう。

投稿忘れですいません。

 魔法、それは神秘の力。摩訶不思議な力。現代地球では、お伽話や漫画や小説の中に追いやられた非科学的で論理的でない架空の力とされて久しい。ありえないもの。胡散臭いもの。目に見えぬもの。このような認識でおおよそ間違いはないだろう。俺も元は魔法などない世界から来た身だ。正確には『魂』だけはだが、魔法の無い世界から来たことに間違いはないだろう。


 で、あれば。魔法に対して憧れや天地を揺るがす大魔法に心躍らせる事は無理からぬ事だと思う。それらを踏まえた上で村の人達の使う魔法の種類や一日の回数などを調査してみたのだ。


 ケース1.四十代男性

 「魔法だぁ? そんなもん火付けるだけだろ?」

 ………。話にならん次。




 ケース2.三十代女性

 「魔法ねぇ…物を綺麗にする時に使うかしら。一日の回数? 使えて十回から十五回かしらね」

 ふむ。十五回くらいか。




 ケース3.十代後半男性

 「魔法? そんなのもちろん炎の玉をぶつける魔法に決まってるじゃないか。なに? 土魔法だって? ハッンッお前みたいな小さいガキは知らないのも無理ないけど。土魔法なんて汚物を土の中に混ぜて埋めるだけの地味な魔法だよ。風? そよ風でも吹かせるつもりか? だいたい公都の騎士団でも炎の魔法が使えなければ見向きもされないんだぞ? 回数? 聞いて驚け、俺は炎の魔法なら五回は使えるんだ。そもそも魔法は――――」

 うるさいので、これ以上は割愛しよう。




 ケース4.十代後半女性

 「魔法かぁ。君、小さいのにそんな難しい事を調べてるの? えらいえらい」

 いや、頭撫でずに魔法を教えて欲しいのだが…。

 「んー…そうねぇ。お料理する時にかまどに火を入れたり。部屋の中に舞った埃を窓から外に出すくらいかしら。」

 撫でるのを止めずに答えてくれた。

 う、嬉しくなんてないんだからね!




 結論! あまり為にならない情報だけだった……。

 そもそもが魔力量の少ない人族に期待するのが馬鹿な話だったのだ。

 宝の持ち腐れとはこのことか……。

 まあ? 地球でも技術の無駄遣いなんていくらでもあった。

 鼻毛をカットする為だけの機械とかあったがハサミで切ればすむだろ。と思ったものだ。

 携帯電話にも用途不明な機能や使い切れない多機能を売りにした物もあった。


 アニメを記録する円盤も無駄だろうって?

 違う違う。

 あれは記録だよ。人類の文化の記録。

 後世へと伝える為の貴重な記録媒体だ。

 宇宙のどこかに居るであろう知的生命体に情報を送る際も使われている。

 とても高尚な目的に使われた物だ。

 無駄な訳が無い。

 うむ。

 また一つ人類の偉業を確認できた。

 故にアニメを記録するのに何も問題はない。

 ないったらないのだ。


 …なんだったかな。…そう魔法の調査だ。

 魔法を習得できれば、人の為に何かできるだろうと。

 そう考えていた時期が僕にもありました。


 しかし現実はどうだ。

 家事に使う人か、火の玉をぶつける事に無常の喜びみを見出しているトリガーハッピーみたいな馬鹿しか居ないじゃないですか。

 とてもじゃないが人の為に何か出来るとか以前の話ですよ。

 これはあれですね? 自力で魔法を作れという神の思し召しか。

 あっ…今この世界に神様いないんだっけ。

 さぼってるとか?

 まさか死んでやしないだろう。

 その時は『神は死んだ…』と言ってやろう。

 たしか偉人がそう言ってた。…本当か?



 しかし魔法の種類が少ないな…。

 …仮に魔法を兵器と置き換えて考えてみよう。

 兵器は戦いに用いられる。

 戦争が無ければ兵器はいらない。

 故に兵器の種類、数は減っていく。

 極端な話だがこんなものか。

 争いが無いか、もしくは争いが起きにくいから必要ない。

 そうも考えられるな。


 そうして魔法の種類は減った。もしくは増えなかった。

 多分この線だろうな。


 だけど騎士団があるとか誰か言ってたよな。

 強力な魔法は特別な階級の人間だけが使うとか?

 だから平民は使える魔法が少ないとか?

 これも調査していこう。

 

 んー…人の為に何かをする。

 その為に魔法をと思っていたんだがな…。

 当てが外れたな。


 てか、他人よりまず家族の為に何かをしようじゃあないか。

 俺をこの世に生んでくれたマザーとダディの為に。

 身内の為に動けずして他人の為に動けるものだろうか?

 まあ不仲の場合は無理は言うまい。


 さて、魔法が駄目なら身体で示そうじゃないか!

 別にエロいことじゃないからね?

 恩返しみたいなものかね。

 前世の親には何もできなかったしさ。

 ここは一つ親の為に何かしたいじゃないですか。


 そうだ家に帰ったらマザーの手伝いでもしよう。

 ダディのお仕事も手伝おう。

 うん。まずはやれる事から始めるんだ。

 ふふっ…家族っていいよな。

 やっぱり家は最高だ。

 マザー生んでくれてありがとう!

 ダディもありがとう!

 俺は一生二人の家族だ!




 そして俺は家路を急いだ。






 別に現実逃避じゃないからな!

 俺は負けてねぇ!

お詫びに21時頃投稿致します。

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