あのー私、石掴んじゃったんですけど。
邪神!? 話が違うじゃないか! 契約違反だ! そもそも同意した覚えはないぞ! クーリングオフだ! 国民生活センターはどこだ! いや、異世界にないか…誰だ馬鹿な事言う奴は! 俺か…。
「案ずるでない。製作者が設定したのはそこまでじゃ。契約も交わしておらぬ宙ぶらりんな状態じゃ。目的もなし。邪悪な部分と製作者は、あの世界の抑止力により打ち砕かれた。それがあの雷じゃな。砕かれた我はおぬしに向かい飛んで行き。秤の加護で契約が交わされ此方の世界に来たのじゃな。」
嬉しくねぇーそんな契約破棄したい。
「そもそもはおまけで付いてきた存在なのじゃぞ? 礼を言わなければいけないとは思わんか? ん?」
くっそムカつくな! このドヤ顔幼女め! この面見るとアレを思い出す。あれは仕事疲れの帰宅の時だ……。
ロリータ。時に奴らは牙を剥く! 稚い姿で平気で心を抉る鉄槌を叩き落としてくるのだ!
夕暮れ時に一人でいた子供に危ないから早く帰るんだよ? と言ったら『キモい』言われて次の日には夕方ごろ少女が不審者に声をかけられる事案が発生しました。とかあったしな。ふざけんな! マジで心配してやれば付け上がりやがって! やはりちんまいのより大人なおねいさんの方が百倍良い。おねいさんなエルフなら尚良し! 当方に異論なし! 幼女はノーサンキューですよ。
「さて、話を戻そうか? おぬしにはやって貰う事がある」
やはり幼女は信用ならん。平気で話を変えやがる。
「我は砕かれて残り少ない力でおぬしを転生させた。ここまでは良いな?」
「そーですねー」
やってらんねー。
「不貞腐れるでない。朗報もある。我の頼みを聞けば神代の力を少しだけ授けることが可能じゃ」
「それを早く言ってくださいよ! それであっしは何をしたらいいんですかね?」
「露骨に態度を変える奴じゃな…まあよい。我が力を取り戻す為に集めて欲しい物がある」
ほうほうそりゃなんでしょうね?
「幸いなことに。おぬしは狩人の親を持つ。親の家業を継げば造作も無いことじゃ」
「そんなに簡単なことなのか?」
ダディのように美女を射止めろとか? んなこたぁないか。
「獲物を狩り供物を集め捧げるのじゃ」
「はい?」
「分かり易く言えば命ある物を殺し魂を捧げよと言う事じゃ」
いやいや何を仰いますやらタヌキさん。冗談は玉袋だけにしとけと。
「魂を集めれば少しづつ鍵を解除し。力を授けようと言うとるのじゃ」
「魂を供物とか、やっぱこいつ邪神だ!!」
「今は何の神でもないただの神の欠片じゃ。もはや邪神にあらず」
「本当かよ? でも勝手に神代の力なんて授けていいのか? この世界の神様黙ってないだろ?」
人様のしまで勝手に商売しちゃまずいでしょ? いや神様か。
「好都合な事にこの世界には神が存在せぬ状況じゃな。その間に我が神になるもよし…ふむ…妙案じゃな」
「やっぱ邪神だ…」
「やらねば死ぬか、良くて半死半生じゃな。やるしかない心を決めよ」
半ば無理やりな運命共同体か…。
「だいたい元の世界でも普通にされていた事であろう? 動物を殺め血肉を糧にする。そうして人は増えてきたのじゃろ? 我だけが非難される謂れはない」
「まあそりゃそうですけどね」
釈然としないけどな。
「おぬしの意識を起こすため既に一つ目の鍵は解除された。残りたった七つじゃ自身を取り戻し、神代の力を授かる。悪い話ではないはずじゃ」
「もう既に動き出してるってことか、分かったよ。ここで駄々をこねても始まらないってことだろ。やるよ」
「そうか、やる気になったか。では一つ力を授ける。今はこれが精一杯じゃな」
どこかのドロボーさんのようなこと言いやがって。
しかし何の力なのかね? オラわくわくしてきたぞ!
「その力とは…」
その力とは?
「魔力を見る目、魔眼の力じゃ。日本人に多く患者がいる何だったかな? 腕が疼くとかなんとか言う。疾病患者あれが欲してやまない力じゃな」
「未熟な時期に精神を病んでしまったあの痛い人種か、かくいう私も発症者でね」
中二病ですね。
「なら本望じゃろ。ありがたく授かるがよい」
「中途半端な力だな」
「何を言う。この世界に生きる者は魔力なんぞ目で見ることはできんのじゃぞ? 十全に使いこなせれば必ずや助けになる素晴らしい能力じゃ。まあエルフとドワーフは感覚的に感知できるようじゃが見る事はできん」
なら新しい力を使いこなしてみせるぜ!
俺は拳を握り決意を新たにす……る? 何だこれ
「なあ神さまや。この左手の甲にある石みたいなの何?」
「それが契約の証。神の石じゃ我の意思が宿っておる大事に致せ」
駄洒落かよ。
この時に俺は神の石を握りしめ世界を生き抜く事を誓ったのだ。
締まらない駄洒落で申し訳ない。
明日も17時に投稿します。




