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アマガタリ  作者: ひよりの
第一章
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労働――午前



 午前ごぜん仕事しごとは、殊更ことさら容赦ようしゃがなかった。


 水場みずば厨房ちゅうぼうとのあいだを、アサは何度なんど往復おうふくする。


 おけたしたみずは、おもいのほかおもく、かたうでにずしりとあつをかけた。


 だが、まることはゆるされない。


 ゆかき、うつわあらい、ぬのをすすぐ。


 指先ゆびさきはすぐにれ、ひびれた皮膚ひふみずみて、じくりといたんだ。


 かわかしたころもり込み、ほつれをつけてはつくろう。


 はりとおはぎこちなく、ぬのすべらせるたびにちいさなためいきれる。


 いとからまったり、何度なんどなおすうちに、手先てさきだけでなくこころまでつかてていく。



 それがわると、つぎさかな作業さぎょううつる。


 やいばれるたび、ぬめりがゆびからみつき、内臓ないぞうにおいがのぼる。


 それをぬぐひまもなく、ただうごかしつづける。


 こしが、おもい。


 かがみ、ち、はこび、またかがむ。


 そのかえしが、じわじわと身体からだけずっていく。



 侍女頭じじょがしら視線しせんが、にある。


 無駄むだうごき、おくれ、わずかなあら見逃みのがされることはない。 


「――おそい」


「そこ、よごれがのこっている」


 ひくおさえたこえぶたび、身体からだ反射はんしゃのようにうごいた。


 かんがえる余地よちはない。


 ただめいじられるままにうごき、つぎ作業さぎょうへとされる。



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