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格の違い

第5話です。


少し展開が動きます。楽しんでもらえたら嬉しいです。

「この先、少し様子がおかしいです」


 森の奥へ進む途中、ミリアが足を止めた。


「気づいたか」


 レイも同じ違和感を感じていた。


 空気が重い。


 魔物の気配が、明らかに濃い。


「普通じゃないな」


「はい……こんなの初めてです」


 ミリアの声がわずかに震える。


「無理そうなら引き返すか?」


「いえ……大丈夫です。レイさんがいますから」


 迷いのない言葉だった。


「……信頼されてるな」


 少しだけ苦笑する。


「その期待、裏切れないな」


 レイは前を向く。


「行くぞ」


「はい!」


 二人はさらに奥へと進んだ。


 そして


 開けた場所に出た瞬間、空気が一変する。


 そこにいたのは、一体の魔物。


 グレイウルフよりもさらに大きく、禍々しい気配を放っている。


「……あれは」


 ミリアの声がかすれる。


「ボス個体か」


 レイは冷静に分析する。


 ただの魔物じゃない。


 明らかに格が違う。


 その魔物が、ゆっくりとこちらを見た。


「来るぞ」


 低く告げる。


 次の瞬間、地面を蹴り――突進。


「速っ……!」


 ミリアが息を呑む。


 だがレイは動じない。


「見えてる」


 紙一重でかわす。


 風圧が頬をかすめる。


「力もあるな」


 軽く分析しながら、距離を取る。


「ミリア、下がってろ」


「はい!」


 すぐに距離を取るミリア。


 レイは一人で前に立つ。


「さて……」


 剣を構える。


「どこまで通用するか、試すか」


 魔物が再び飛びかかる。


 鋭い牙。


 重い一撃。


 だが――


「遅い」


 身体が自然に動く。


 無駄のない回避。


 最適な位置取り。


「ここだ」


 踏み込み、斬る。


 ガキン


 硬い。


「……防御も高いか」


 だが止まらない。


 続けて攻撃を叩き込む。


「はあっ!」


 一撃、二撃、三撃。


 確実にダメージを与えていく。


 魔物が吠える。


 苛立ちと、わずかな焦り。


「効いてるな」


 レイは確信する。


「なら――終わらせる」


 魔物が大きく踏み込んだ瞬間。


 その懐へ潜り込む。


「ここだ」


 全力の一撃。


 強化された力を乗せて、剣を振り抜く。


 ズバッ――


 一閃。


 魔物の動きが止まる。


 そのまま、ゆっくりと崩れ落ちた。


「……終わりか」


 息はほとんど乱れていない。


「すごい……」


 後ろから、ミリアの声。


「今の……あの魔物、かなり強かったはずなのに……」


「まぁ、ちょっとな」


 軽く肩をすくめる。


 だが内心では、はっきりと理解していた。


(前とは、比べ物にならない)


 自分は確実に強くなっている。


 そして――


 これが本来の力なのだと。


「レイさん……本当にすごいです」


 尊敬のこもった視線。


 以前の自分では、絶対に向けられなかったもの。


「……悪くないな」


 小さく呟く。


 その時だった。


 遠くから、かすかな叫び声が聞こえた。


「……助け……!」


「今の声……!」


 ミリアが顔を上げる。


「……あっちだな」


 レイはすぐに方向を見極める。


 そして――走り出した。


「行くぞ!」


「はい!」


 二人は再び森の奥へ向かう。


 そこにいるのが誰なのか。


 まだ知らないまま。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

この先どうなるのか、楽しんでもらえたら嬉しいです。

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