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魔王の娘〜元神獣と父探し冒険記〜  作者: 蜂蜜餡子
いざ世界へ。 バランディアの町編
35/99

35話 無事に到着バランディア

誤字脱字は時間あるときに修正していきます。

「うまっ!」「なんだこの肉!?」「おいしい~!?」「これはおいしいですねぇ!」「ほんと、鶏肉のようだけど、比べ物にならないくらい風味がいいわ」「そうねぇ、お肉なのに全然脂っこくなくて、ほんとおいしいわぁ」


 ソニックバードの串焼き肉に、驚きの声が上がっているなか、少し不機嫌そうに肉を咀嚼しているミヤビ。

 皿の上に置かれている串は既に6本、馬車に乗っている全員と同じくらいの量の肉をリエルと同じくらいの大きさしかない体へと納めたミヤビではあるが。


 〖おかわりじゃ!〗


 〖だ、大丈夫?食べ過ぎじゃないの?別に張り合わなくても、まだ肉はあるから後でも食べられわよ?〗


 リエルも、手に持っている串焼きを食べながら、ミヤビの言葉に反応する。


 〖いやじゃ!妾はまだ食い足りないのじゃ!〗


 〖う~ん。でもここで食べ過ぎると、町に着いたときに何も食べられないかもよ?いいの?〗


 〖むっ!?それは・・・〗


 リエルの言葉に考え込んでしまうミヤビ。黙り込んで思案を巡らせるミヤビの様子を串焼きを口に運びながら見ているリエル。


(ほんとに食べ物の事になると真面目に考えるわね・・・)


 そんな風に思っているリエルに、シエラが喋りかけてくる。


「ねぇねぇ!これってお姉ちゃんが捕った動物のお肉なんでしょ!?」


「ん?そうよ。それがどうかしたの?」


「お姉ちゃんってまだ子供なのにすごいんだねぇ!」


 シエラはリエルの言葉に目を輝かせて話しかけている。その様子を見たエイダがシエラを窘めるが、リエルが大丈夫だとエイダに軽くほほ笑むと、申し訳なさそうにそれに頷く。


「う~ん。どうだろう?あたしは弓くらいしか武器は扱えないからすごいかどうかは何とも言えないわ」


 その言葉にフィルが反応して口を挟む。


「いやいやリエルさん。勘弁してくださいよ。弓しか使えないって、あれだけの腕でそりゃないっすよ。俺だって剣くらいしか心得がないですけど、あれと同等の事をやれって言われた無理っす」


「エルフの方は弓の扱いに長けているっていうのは聞いた事あるけど、まさかリエルさんくらいの年齢でもあれほどの腕前だとそりゃー驚くよなぁ」


 フィルの言葉にオーラフも同意を示す。

 実際リエルの能力は魔王の娘としての補正がかなり強く、普通に考えればかなりおかしなスキルレベルであるため、その辺りの事情を知らない者にとっては、リエルの能力は信じがたい物なのである。


 そんな事はつゆ知らず、シエラは期待を込めてリエルに質問を続ける。


「あたしも弓の練習をしたら、毎日おいしいご飯が食べられるようになるかな?」


「あはは・・・。どうかなぁ?あたしは少し変わってるとおもうから、シエラちゃんの質問には答えられないわ」


「そうなんだ・・・」


 リエルの言葉に残念そうな声を洩らすシエラ。

 その様子を見たミヤビが密かに天眼を使いシエラを見てみると、意外な事がわかる。


 〖ほう、この娘・・・〗


 「え?どうしたの?」


 〖あっ!これリエル!声が!〗


 ミヤビの微妙な反応に思わず素で返してしまったリエルに慌ててミヤビが声をかけるが、オーラフがそれに反応する。


「ん?どうした?」


「え・・・。あ、あはは・・・な、なんでもないですよ」


 思わず素で答えてしまうミスを犯したリエルは、何とも言えない答えをかろうじで返し、その様子に首を傾げるオーラフだったが特に追及される事はなかった為リエルは内心ほっとする。


 〖阿呆。気を付けるのじゃ〗


 〖ご、ごめん。・・・で、どうしたの?〗


 〖全く。・・・シエラの能力を何となく【天眼】で調べてみたんじゃがな、意外な才能があった事に驚いてな〗


 〖意外な能力?てゆーかミヤビ、勝手に人の事調べて大丈夫なの?〗


 〖ん、問題ないじゃろう。魔眼の能力はかなり高位の感知スキルがないとそれに気づくのは不可能じゃから、シエラに気づかれる心配はない〗


 〖そ、そういう事じゃなくて!人の事勝手に盗み見るような事をするのってどうなのって事よ!〗


 リエルの言ってる事が理解できないミヤビはどういう事なのか聞き返す。


 〖何がだめなんじゃ?見られたくなければそれに対する備えをしておくのが当たり前ではないのか?それに悪意をもって調べている訳ではないからかまわんじゃろ?〗


 〖う、う~ん、いいのかなぁ?〗


 釈然としないリエルを他所にミヤビは天眼で見た能力の事を喋りはじめる。


 〖シエラには魔術師としての才能が眠ってるみたいじゃぞ?【水魔適正:弱】を持っている事が確認できた。魔法を扱う訓練を積めばその才能が伸びるかもしれん〗


 〖それって凄いの?〗


 〖魔法適正のスキルは生まれ持った物が大部分を占めるスキルであるため、後天的に習得するにはかなりの努力が必要になる。この子の場合は魔法の訓練なんぞ積んでいるはずもないじゃろうから、生まれ持った才能であり、この年でそのスキルを持っているという事は訓練を始めるのが早ければかなりの使い手になるじゃろう。・・・ようは本人の努力次第じゃ〗


 〖なるほど・・・〗


 ミヤビの説明を受けて、リエルは少し暗くなっているシエラに話しかける。


「弓に関してはあたしは何も言えないけど、魔法だったら訓練をすれば扱えるようになるから、そっちを頑張ってみたらいいんじゃない?」


 その言葉にエイダは驚き、シエラは顔を上げてリエルを見る。


「そんな事が可能なんですか?この子はまだ6才で魔法なんて扱えるかどうか・・・。それに訓練なんてどうしたらいいか・・・。なんだか危なそうであまり気は進みませんよ」


「え、ええ。まぁそうですよね。う~ん」


 エイダの当たり前のとも思える不安の声を受けてリエルも言葉を返せなくなる。

 すると話を聞いていたフィルから意外な言葉を聞くことができた。


「いや、独学で魔法の訓練をする冒険者って少なくないから、あながち不可能じゃないとおもいますよ?簡単な教本とかだったら魔術師ギルドとかで意外と安く販売してます。それに一般の人でも自衛の手段として習得しようとする人もいるって聞きますよ」


「あら・・・そうなのですか?」


「えぇ。それに魔法って強力な印象が確かにありますけど、実際に危険なレベルの魔法を使える頃には魔力のコントロールができる様になってるのが普通らしいですから、ちゃんと訓練すれば問題ないらしいですよ」


「お母さん!あたしちゃんと練習する!だからその本がほしい!」


「そ、そうねぇ・・・。じゃ~お父さんと相談してからでもいいかしら?」


「は~い!」


 エイダの言葉にシエラはにっこりと笑い元気よく返事を返した。その様子をみていたリエルは申し訳なさそうにエイダに喋りかける。


「なんかすいません。余計な事いっちゃったみたいで」


「いえいえ、この子が何かに興味を持ってくれるのは嬉しいですし、今後この子の為になるのと思えば悪い事でもなさそうですから気にしないでください。それに、先に話を振ったのはこの子ですから」


「そういってもらえると助かります」


「さて、話もいいところで終わったみたいだし、そろそろ出発しますかね?」


 オーラフの言葉に全員が了承の意を示すと、食事の後片付けを始める。一行はしばしの休息を過ごし終えると、再び馬車でバランディアへと向かうのだった。


 ------------


 何事も無く馬車は街道を進み、ついに目的地へと差し掛かる。御者席で馬を引いていたフィルが後ろの窓から中の者達に声をかける。


「さぁみんな、御疲れさま。バランディアについたよ。町に入る為に検査があるからみんな降りてくれ」


 フィルの言葉で馬車から全員が降車し、町の入り口へと歩いていく。門の傍に建てられている詰所から数名の兵士が姿を見せると、相手もこちらに歩いてくるのが確認できた。

 戦闘を歩いている中年の兵士がフィルに喋りかける。


「申し訳ないがそこで止まって頂きたい。町に入るには少し検査を受けてもらいたいのだが構わないだろうか?」


「えぇ、わかってますよ」


「ご理解感謝します。おや?あなたは確か冒険者の・・・」


「はい、今朝、冒険者ギルドで受けた依頼を終えて帰ってきた所でしてね」


 フィルはオーラフからギルドの認識票を受け取り、それを兵士へと手渡す。兵士はそれを確認するとフィル達に返す。


「ご無事で何よりですよ。お疲れの所申し訳ないですね。もうしばらくお付き合いお願いします。お連れの方達も確認させて頂かないといけないので」


 そういうと兵士はリエル達の方へと歩み寄りそれぞれの事を確認のためいくつか質問をしている。そしてリエルの前まできてあるものに気づいて思わず声を上げる。


「・・・おわっ!?フォックスウルフ!?なんでこんな所に!?」


(やっぱりこうなるのね・・・)


 何となくこうなる予想ができていたリエルはいつもの様に口を開いて説明する。


「この子はあたしの従魔で、暴れたりしないので安心してください」


「従魔?・・・君の?」


「はい。あたしはリエルで、こっちが従魔のミヤビです。冒険者ギルドに用があってここまで来ました」


「あ、あぁ、丁寧にありがとう。オホンッ!リエルさんとミヤビだね。確認になるけど、従魔を町の中に入れるとなると、従魔が起こした問題は主である君の責任になるけどそこは大丈夫かな?」


「はい。問題ないです」


「よしよし。特に物騒な物も持って無さそうだし・・・確認はこれくらいで大丈夫そうかな。何か聞きたい事はあるかな?」


 リエルは少し考えるが特に思いつかなかったのでそのまま兵士に伝える。すると兵士は何かを手に持った用紙へと書き留めていき、後ろに控えていた別の兵士に指示をだす。

 少し心配な気持ちでその様子を見ていたリエルだったが、その心配は杞憂に終わる。


「さて、リエルさん。従魔は町の中でも、他の人に従魔だと分かる様にこのバンドを付けてもらうんだけど問題ないかい?」


 リエルは兵士から渡されたバンドを見ると質問する。


「これはどこにつければいいんですか?」


「あぁ、場所はどこでも構わないよ。だた見やすい場所にしてもらえると助かるかな」


「わかりました。ミヤビ、ちょっとごめんね」


 そういうとリエルはミヤビの前足にバンドを巻くと取れないか確認する。前足にバンドを巻かれたミヤビは不満そうな声をリエルに洩らす。


 〖邪魔じゃぞこれ。外したらまずいのか?〗


「これはずっとつけていないとまずいですか?」


「そうだね。少なくとも町を出歩くときは基本必ずつけておいてほしい。従魔だと分からないと何かあったときにこちらも誤って攻撃してしまうかもしれないからね」


 〖だそうよ?まぁ外を出歩くときだけだから我慢してね〗


 〖仕方ないのぉ〗


 ミヤビとの会話を手短に済ませて、リエルは兵士へと向き直り確認する。


「こんな感じで問題ないですか?」


「うん、大丈夫だ。ありがとうございます。では、皆さんお待たせしました。ようこそバランディアへ」


お疲れさまです。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

楽しんで頂ければ幸いです。


話の進みが遅くてすいませんです。

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