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12話 村の状況と事態の把握(衛兵サイド)

すいません。七時に間に合わなかった為中途半端な時間になってしまいました!

 村から一番近い町、バランディアからやってきた数十名ほどの衛兵達は、怪我をした者の手当てや、数人のエルフ達と何があったのか状況確認に追われていた。衛兵隊のリーダーだと思われる男の手際の良さは素晴らしく、兵士達の統率の取れた動きは眼を見張る者だった。


 彼、衛兵隊のリーダーを務めている男の名はクラウスと言うのだが、クラウスは関係良好なエルフの村が、盗賊団に襲撃され、危険な状況になっていると知らせを受けると、居ても立っても居られないと一人真っ先に飛び出して行こうとする程の正義感の塊の様な男である。無論単独行動は他の兵士達によって阻止されたのだが、裏表のない真っ直ぐな性格の彼を信頼している者は多く、今回この村を救うべく集まった兵士達はエルフ達に非常に好意的で好感の持てる者ばかりだった。テキパキと仕事を指示しているクラウスに一人の兵士が近づいてくる。若干青い顔をしているその兵士がクラウスに声をかける。


「隊長。息のある盗賊の捕縛が終わったそうです。護送には問題ありません」


「そうか!ご苦労だったと伝えてやってくれ」


「はっ!・・・あの・・・隊長は村の中央は御覧になりましたか?」


「いや、私はまだ見ていないがどうかしたか?顔色がすぐれないようだが?」


「あ、はい・・・私はここまで大事に関わったのが初めてなので、その・・・」


 歯切れの悪いこの兵士。風貌は20歳前後の細肉中背ではあるが引き締まった筋肉と整った顔立ちで女性に人気が出そうな美男子だが、中身はクラウス同様、心の真っ直ぐな優しい性格の持ち主で、名をヴレア・ペイロードという苗字持ちの貴族の息子である。貴族でありながらそれを鼻に掛けない謙虚な所が衛兵達の間でも好印象の新人兵士である。研修の為、バランディアの町の衛兵所で訓練を受けていた所、この騒ぎに引っ張り出されたのだが。


「ヴレア。お前が優しい性格なのは短い付き合いだがわかっているつもりだ。だがな、悪党に情けをかけるな。その甘さはいつか自分を、自分の大事な者も失う結果を招くかもしれないということを覚えておくといい」


「は、はい。いえ!そうじゃなくてですね。まだ御覧になっていないのに申し訳ないのですが・・・その、あまりにも凄惨な現場を見て少し・・・」


「ふむ・・・。どれ、この辺りは大体指示も行き届いただろう。私もその場所へ行ってみるとしよう。案内頼めるか?」


「は、はい。自分でよろしければ」


 クラウスは、ヴレアの肩を軽く叩くと先を歩き出し、そのあとを追うようにブレアが追従し、村の中へと向かっていくのだった。道中、村人達の様子を見ながら歩いてる二人に三人組の少年が走り寄ってきた。ガウディ達だ。クラウスの傍までくるとまくしたてる様に声を上げる。


「あ、おっさん!町から助けにきてくれた兵士の人だろ!?なぁ!リエル見なかった!?姿が見当たらないんだよ!おっさんは知らないか!?」


「お、おっさん・・・。少年、おっさんはやめてくれ。私はまだ31だ」「えっ」


 思わず声を上げてしまったヴレアは咄嗟に口へ手を当てる。しかしクラウスの恨めしそうな眼はしっかりヴレアを見ていた。


「なんでもいいよ!なぁおっさん!盗賊はみんなやっつけたんだろ?リエルは無事なのかよ!?なぁ!?」


「ガウディ、うるさい。そんな聞き方じゃおじさんも困る」


「そ、そうだよガウディ君。それに助けに来てくれたおじさんに失礼だよぉ」


 おじさんが定着してしまい、ガックシと肩を落とすクラウスに代わって、ヴレアが言葉を返す。


「あ~、君達?人を探しているのかい?すまないがその人の特徴とか何か教えてくれないかい?そうすれば何か答えられるかもしれないからさ」


「あ、ああ!えっとな、ハーフエルフで黒い肌の女の子だよ!あとは髪の毛が銀色のかわい・・・生意気な子供だ!」


「素直じゃない。」「こんな所でまで意地張んなくてもいいのにね」


 すかさず茶々を入れるラングとミール。この二人の言葉はとりあえず置いておく事にして、ヴレアは言葉を返す。


「ハーフエルフの女の子・・・。う~ん、ちょっと心当たりはないなぁ。ちょっと!隊長もいつまでもへこんでないで話を聞いてやってくださいよ!」


「おっさん・・・。ん、あ、あぁ。ゴホンッ。んー、そう、だな。ハーフエルフの女の子か。まずは手っ取り早くこっちから確認するほうが安心できるだろう」


 クラウスはそう言うと近くにいた別の兵士に声をかける。


「作業中にすまない。ちょっと確認したい事があるのだが今大丈夫か?」


「あ、隊長。なんですか?」


「死亡・・・亡くなった者の中に肌の黒いハーフエルフの女の子がいたかどうかわかるか?」


「ハーフエルフ?いえ、いませんよ。というか、この村の住人で今の所亡くなった人は一人もいないと聞いてますが。あっちの袋に入ってるのは全員盗賊達だけですよ?」


「そうか。確かに私もそう聞いていたが、村の者で行方が分からない人がいるらしくてな。一応確認を取らせてもらっただけだ。時間を取らせてすまんな」


「そういうことですか。いえ、私は大丈夫です。こちらでも他の者に聞いてみますよ」


「たのむ。こっちでもそこは注意深く確認しながら村の中を見て回るとするよ」


 兵士との会話を切り上げると、クラウスはガウディに声を話を戻す。


「安心できるかどうかはわからないが、やはり、この村の住人で亡くなった者は一人もでていないはずだよ」


「本当か!じゃ、じゃーリエルの奴もどこかで無事って事か!よか・・・そ、そうだな、あんな生意気な奴がそう簡単に死んだりするわけないか!し、心配して損したぜ!」


「ハハハ、まぁそういう事なんだろうな。さて、私達はこれから村の中心の方へいくけど、君達は親御さん達の所でゆっくりしているといい。それとも一緒にくるかね?」


「ちょっと隊長!それはちょっと、あそこは今、とある理由で村の人でも立ち入りを遠慮してもらってる場所なので子供を連れていくのはまずいですよ!」


「ん?そうなのか。ならば仕方ないな。でも、私が許可を出せば問題――」


「お願いですからやめてください!その判断は絶対によくない結果を招きますよ!」


「――そこまで言うなら仕方ないな。ならばやはり君達は戻って休んでいてくれ。あまり力になれなくてすまんな」


「わかったぜ!おっさん、よろしくたのむな!」「おじさんに任せる。」「よろしくお願いします。おじさん。」


「頼むからおじさんはやめてくれ。本気で傷つく」


 軽く和んだ場を後にして、少年たちは村の入り口の方へ走っていった。だが一人の少年が立ち止まって口を開く。


「リエルの他にナイルっていう僕等よりちょっと年上の男の子がいるんだけど、その子もまだ見てないから探してほしい」


「ん。リエルという少女とナイルという男の子だな。わかった。任せておきなさい」


 そう言葉を返すクラウスに、少年は軽くお辞儀を返して、先の二人の後を追って走っていった。


「待たせてすまないな。それで、先に聞いておこうか。一体何があった?お前があそこまで止める以上恐らく問題があったんだろう?」


「・・・はい。正直、この世の物のとは思いたくない光景が広がってましたよ」


 クラウスは成程といった感じで真面目な表情でヴレアを見る。ヴレアを腕は悪くないし頼りになる奴だと認識しているが、その男がここまで顔色を悪くするような事がこの先で待っていると分かれば自然と己の表情が強張るのは当然だと思った。何があっても、精神の平静は保てるように覚悟をすると、再び二人は目的の場所へと歩きはじめる。


 -----------


「こいつは・・・」


 それが、その現場を見たクラウスが最初に出した言葉だった。地面は真っ赤に染まり、所々に恐らく人間の物だと思われる肉片が散乱し、強烈な匂いを周囲にまき散らしていた。その光景は、場慣れしているはずのクラウスでも胃の内容物が込み上げてくる感覚を覚える程の凄惨たるものだった。


「まともな死に方じゃないですよ。あっちの袋に入ってる死体も、上半身と下半身が何かとんでもなく鋭利な物で分断されたような亡骸でした」


「そう・・・だな・・・。こいつはちょっと普通じゃないな。何かわかっている事はないのか?」


「ここで最後まで抵抗していたエリックという方が詳しい事情を知っているようですが、まだ話は聞けていないみたいですね」


「なぜまだ話を聞いていないんだ?これだけの事態だぞ。速やかに話を聞くべき事態だろうに」


「それが、話を聞こうとしたところ、『自分では判断に困るから、責任者を呼んでくる』といってあちらの方へ走って行ってしまったんですよ」


 ヴレアは緩やかなカーブを描いている若干上り坂になっている道を指で指し示す。あたりは既に暗くなっているが、指を差された道の先に、恐らく民家の明かりだと思われる光が灯っている場所が一ヵ所見えていた。


「あれは民家か?なんであんな離れた場所に。何か特別な場所か何かなんだろうか?」


「いいえ?村の人に聞いた話では、村長のような役割を持っている一番長寿のエルフの方の家らしいですよ」


「なるほど、ならば調度いい。お年寄りを歩かせるのも悪いだろう。エリック殿もそちらに向かったという事なら、こちらか出向いた方がよいだろう。それに先ほどの子供達との約束もあるからな。そちらの確認も兼ねて向かうとしよう。あと、やはりここはもう暫く立ち入りを禁止しておいてくれ。町へ伝令をだして【浄化魔法】が使える者を呼んできてなんとかしてもらおう」


 クラウスは、近くの兵士へ要件を伝えると、ヴレアを連れて纏め役と言われている老婆が住んでいるという家を目指し、歩き出すのだった。


 しばらく歩くと、クラウス達の前方から三人の人影が緩いカーブの先に姿を現した。クラウスはそれを確認すると軽く手を振り自分の存在を示した。それに気づいた向こうも同じように手を振って歩いてくる。相手の一人に老婆の姿を確認するとクラウスは、例の纏め役の人物だろうと判断する。両者の距離が近付き顔を確認できるまで接近すると、クラウス達が先に自己紹介を始める。


「初めまして。私はバランディア衛兵隊の隊長を務めているクラウスという者です。こちらは部下のヴレア。助けに来るのが遅くなって誠に申し訳なかった」


「ご丁寧にすまないね。儂はリリーナ、こちらはテルマで、多分知ってると思うがエリックじゃ。ここまでご足労頂いて、こちらが感謝の必要があっても、あなた方が謝罪する様な事は何もありますまい」


「そういってもらえると助かります。早速で申し訳ないのですが詳しいお話しを伺いたいのですが、立ち話というのもなんですので、そこまで離れていませんし、よろしければリリーナ殿の家へ戻り話を聞かせて頂けませんか?」


 クラウスから切り出された言葉はリリーナ達にとってまずい提案であり、何とか別の方向へ話を持っていこう、上手くごまかす方法を早急に考えねばならない事態となってしまうのだった。

これからは後書きで話の中に出てきた魔法とか人物とか説明が少なかったと思う部分に解説も入れる様にしていこうかと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。かなり急いだので、いつもより誤字、脱字が多いと思います。読みずらかったらすいません。随時読み直して修正していきます。

楽しんでいただければ幸いです。


人物紹介

ガウディ:村の悪ガキ三人組のリーダー格。リエルに好意を持っているが素直じゃないため、リエルから煙たがられている。

ラング :悪ガキ三人組。毒舌だが割としっかり者。

ミール :悪ガキ三人組。大人しくがやる時はやるできる奴。

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