The Remedy
BGM Polaris - The Remedy
その様子をみて、めいめいの反応をする三人組。なかよし陸と冬矢と莉奈である。
「本当じゃねえか……まあ、おめでとう……まあじゃねえな!? 何人中の上位二〇位だ!?」
「声でかいって、ま、ありがとう」
合格した本人より驚く様子の冬矢。
「すげえじゃねえか、おめ」
「チョコ味よりメープル味のがいいかも」
「あーわかったわかった、言葉より実利な。花より団子ってか花よりプロテインね」
賭けの精算をすぐ求めようとする陸。観念して、ネットスーパーでプロテインを見る大月。
そして二人を見て、加わる駿河莉奈。
「副島くんすごい?! 本当に行っちゃったんだ?! ……なんでそんな冷静なの?」
はたから見れば三人いつもの光景。
話題は少し華やいでいて、二人が浮き足立つようにも見えた。
「プロテイン二か月分確保したからかな」
「それは理由? まあいいや、本当に頭いいってか数学好きなんだねー」
そのうち、騒ぎを聞きつけたほかのクラスメイトも集まってくる。また騒ぎ。あっ、受かったんだ。さすが。上位何人? 化け物だ。あっ、横田先生ーこの人二次試験行くって。
その騒ぎの中、莉奈は言う。
「二次試験って合宿なんだ、へー。毎日数学やるんだー」
横では、プロテイン二か月分って何円だ、けっこうするなと唸る冬矢がいた。
陸は言う。
「そうなんだな、行かないけど」
「毎日難しい問題解くのかーまあ、周りには有名な先生がいたりして行かない……ん?」
「ん?」
「い、か、な、い?」
莉奈の机から教科書が落ちた。
突如冷える空気。窓から涼しさをもたらす風。秋の空気に木の陰が落ちる。
「えっ、なんて?」
莉奈がさらに言う。
またざわつく教室。
冬矢はいう。
「えっ、だってもう目的は果たしたというか……腕試しのつもりだったし」
「でも受かってるんだよ? 陸くん、それもったいないって」
「俺は、もう冬矢にプロテイン買わせたからそれでいいっていうか」
「あーはいはいそれ以上言うな、副島。はあ、バイト探そうかな」
「だいたい、行ったところでこれ以上上に行ける自信もないし……」
「ストップ陸くん、あの、数学の天才……だっけ?」
「ああ、風那のこと?」
「風那ちゃんっていうんだ……ともかく、その、数学が得意な子なんでしょ? もしかしてそういうところに行けば会えるじゃ……ないの??」
ふう、と陸はまた儚げな表情を見せる。
「無理。だってあいつアメリカに行ったもん」




