第10章ー医務室の覚醒〜敗北を喰らう肉体ー
人物紹介
藤野靖子
海道グループ女格付けランキングにおいて、圧倒的な成長性を秘める女。
元々はスポーツトレーナーとして鍛え上げた肉体と分析眼を持ち、相手の動き、呼吸、反応を観察し、自分の強さへ変換していく。
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牧村葵と立花美咲
海道勝親衛隊の中核を担う二人。
葵は突出した戦闘能力を持つ護衛であり、美咲は冷静な判断力と連携力で葵を支える。
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ケニス
アスカのお気に入りでもある海外からスカウトしたAV男優。
鍛え上げられた肉体、圧倒的な男としての存在感、そして相手を呑み込むような本能的な余裕を持つ。
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霧島冴子
元刑事であり、現在は海道グループのバウンサー。
冷静な判断力、鍛えられた身体、現場慣れした胆力を持つ実戦型の女。
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西園寺アスカ
海道グループの査察官であり、アダルトイベントの演出家・AVプロデューサー的存在。
美しさ、計算高さ、そして官能の価値を見抜く目を持つ女。
白い天井が揺れて見えた。
藤野靖子は、地下医務室のベッドで目を覚ました。耳に残るのは、乱○パーティーの熱気。身体の奥に残るのは、ピストン向井に敗れた濃い記憶。
藤野靖子
「……私、負けたんですね」
須藤さおり
「ええ。完全に。でも、終わってない」
さおりはモニターを見つめたまま、声を低くした。
須藤さおり
「あなたの身体、壊れるどころか変わり始めてる。快感も屈辱も限界も、全部取り込んでるわ」
靖子はゆっくりと上体を起こした。全身は重い。だが、芯だけが熱い。敗北の記憶が、恐怖ではなく、次へ進む燃料に変わっていく。
藤野靖子
「向井さんとの衝撃の事を、まだ、身体が覚えてる……」
須藤さおり
「普通なら折れる経験よ。でもあなたは、敗北を基準値に変えてる。次に耐えるために。次に越えるために」
靖子の指が、シーツを握った。
悔しい。怖い。恥ずかしい。
それでも、心の奥で別の感情が暴れていた。
もっと知りたい。
もっと強い男を。
もっと危険な熱を。
そして、その先で変わる自分を。
藤野靖子
「この会場には、向井さんより強い男もいますか?」
さおりの手が止まった。
須藤さおり
「……いるわ。でも今のあなたが挑む相手じゃない」
藤野靖子
「なら、なおさら見たい」
須藤さおり
「また負けるかもしれない」
藤野靖子
「負けたから、分かりましたって、そこで、私は負けても終わらない。負けた相手の強さを、身体に刻んで前に進んでみせる。」
靖子はベッドから足を下ろした。
床に触れた瞬間、身体の奥の熱が跳ねる。
もう、ただのスポーツトレーナーではない。
もう、ただの参加者でもない。
敗北を喰らい、進化する女。
藤野靖子
「私は、まだ見ぬ強敵と向き合います。怖くても、熱に飲まれても、自分の意志で立ってみせる」
須藤さおり
「……本当にストイックね」
靖子は静かに笑った。
藤野靖子
「…。」
その瞳は、すでに次の戦場を見ていた。
藤野靖子
「もっと、強くなりたい…」
医務室の白い光の下で、藤野靖子は決意した。
ピストン向井への敗北を、終わりにはしない。
まだ見ぬ強敵との官能対決へ。
ーケニスの高級邸宅ー
ケニスが滞在する高級住宅は、外から見れば静かな邸宅だった。
だが、その周囲には海道グループが用意した警備車両が配置され、監視カメラ、私設警備員、通信班までが無駄なく張り巡らされている。
西園寺アスカの要請を受け、佐伯鈴香が手配した特別警護。
その中心に立つのが、牧村葵と立花美咲だった。
海道勝親衛隊。
今夜、二人は勝ではなく、アスカから依頼された大物AV男優ケニスを会場まで護送する任務を受けていた。
玄関で二人を迎えたのは、家政婦の節子だった。六十五歳とは思えないほど背筋が伸び、落ち着いた物腰の女性である。
節子「お待ちしておりました。牧村様、立花様ですね」
牧村葵「はい。海道グループ親衛隊、牧村葵です」
立花美咲「立花美咲です。本日はケニス様の警護を担当します」
節子「主人はこちらです。少々、驚かれるかもしれませんが」
葵と美咲は、一瞬だけ目を合わせた。
護衛データは確認済みだった。
身長、体格、経歴、過去の出演歴、危険度、女性人気、海外VIPとの関係。
ケニスという男が、ただのゲストではないことは分かっている。
だが、資料で知る男と、実際に目の前に現れる男は違う。
節子に案内され、二人は邸宅奥のトレーニングルームへ進んだ。
扉が開いた瞬間、空気が変わった。
重い呼吸。
汗の匂い。
金属の音。
そして、部屋の中央で筋トレを続ける黒人男優ケニスの、圧倒的な存在感。
ケニスは上半身を晒し、鍛え抜かれた身体を躍動させていた。
その姿は、ただ筋肉質というだけではない。
男としての生命力が、部屋全体を支配している。
葵も美咲も、思わず足を止めた。
護衛データでは知っていた。
だが、生身のケニスは、データよりもずっと濃かった。
立花美咲「……これが、ケニス」
牧村葵「視線を乱すな。任務中よ」
そう言いながらも、葵自身も一瞬だけ呼吸を忘れていた。
海道勝を近くで見てきた二人だからこそ分かる。
これは、ただの外国人男優ではない。
女の本能を揺さぶることを武器にしてきた、世界基準の男だ。
それでも、二人の芯は揺らがなかった。
勝様への忠誠。
それは、男の迫力や色気で塗り替わるような軽いものではない。
ケニスは、二人に気づいていた。
だが、わざと気づかないふりをして、さらにゆっくりと筋肉を動かした。
汗が肌を伝う。
呼吸が深くなる。
まるで、二人の反応を試すように。
節子「ケニス様。海道グループの方がお迎えに」
ケニスは、ようやく動きを止めた。
そして振り返る。
黒い瞳が、葵と美咲を順に捉えた。
ケニス「オオ……アナタタチ、アオイ、ミサキ?」
牧村葵「はい。牧村葵です。本日、ケニス様の警護を担当します」
立花美咲「立花美咲です。会場まで安全にお送りします」
ケニスは、楽しそうに笑った。
ケニス「カイドウ、イイ、オンナ、モッテルナ」
牧村葵「私たちは海道様の親衛隊です。任務で来ています」
ケニス「ワカッテル。デモ、メ、オドロイタ」
立花美咲「……お気づきでしたか」
ケニス「ハジメカラ。デモ、ミナイフリ、シタ。チョット、イタズラ」
節子「ケニス様」
節子が静かにたしなめる。
ケニスは肩をすくめた。
ケニス「ゴメン、セツコ。デモ、ニホンノ、ゴエイ、カタイ。スコシ、ヤワラカク、シタ」
牧村葵「こちらは柔らかくなるつもりはありません」
立花美咲「ケニス様、移動準備をお願いします。外部の動きがあります」
ケニスの表情から、悪戯っぽさが少し消えた。
ケニス「テキ、クル?」
牧村葵「可能性があります」
ケニス「アスカ、イッテタ。ニホン、ホシュハ、オレ、キライ」
立花美咲「嫌い、で済めばいいですが」
ケニス「ダイジョウブ。オレ、アナタタチ、シンジル」
牧村葵「信じるなら、指示に従ってください」
ケニス「アオイ、キビシイナ」
立花美咲「葵はいつもです」
ケニス「ミサキ、スコシ、ヤサシイ?」
立花美咲「任務中です」
ケニスは笑った。
だが、葵と美咲は笑わない。
目の前の男がどれほど強烈な男の気配を放とうとも、二人の中心にいるのは海道勝だった。
勝様の命令。
勝様の組織。
勝様の領域。
ケニスはその夜、守るべき対象であって、心を捧げる相手ではない。
牧村葵「ケニス様。五分後に出発します」
立花美咲「移動中は私たちの左右から離れないでください」
ケニス「ワカッタ。アオイ、ミサキ。キョウ、オレノ、タテ」
牧村葵「違います」
ケニス「チガウ?」
牧村葵「私たちは海道様の盾です。今夜だけ、あなたをその領域に入れるだけです」
ケニスは、一瞬だけ黙った。
そして、心底面白そうに笑った。
ケニス「イイネ。カイドウノ、オンナ。ツヨイ」
美咲は静かに扉の外を確認した。
葵はケニスの立ち位置、節子の退避導線、外の警備配置を同時に把握する。
空気が変わる。
悪戯と官能の匂いを残したまま、部屋は一気に戦場前の緊張へ切り替わった。
そしてケニスは、そんな二人の背中を見ながら、低く呟いた。
ケニス「ニホンノ、ヨル……オモシロク、ナリソウダ」
高級装甲車が、静かに邸宅の敷地を出た。
先導車、後続車、左右の警護車両。
海道グループ親衛隊が組んだ護送隊列は、ただのVIP送迎ではない。襲撃を前提にした、移動する要塞だった。
ー車内中央にはケニスー
その左右には、牧村葵と立花美咲。
葵は前方モニターを確認し、美咲は後方カメラの映像を追っていた。
ケニス「アオイ、ミサキ。ニホンノ、クルマ、スゴイナ」
牧村葵「感想は後でお願いします」
立花美咲「今は移動中です。気を抜かないでください」
ケニス「オレ、ヌカナイ。デモ、アナタタチ、コワイ」
牧村葵「怖がっているようには見えません」
ケニス「コワイ、デモ、オモシロイ」
その瞬間だった。
轟音。
装甲車の側面に、凄まじい衝撃が走った。
車体が大きく揺れ、重い金属音が車内に響く。照明が一瞬だけ乱れ、警告灯が赤く点滅した。
立花美咲「襲撃!」
牧村葵「ケニス様、頭を下げて!」
ケニス「オオ……キタカ」
装甲車の外では、複数の車両が隊列へ突っ込んできていた。
その先頭にいたのは、桜井。
日本保守系を名乗るレジスタンスの指導者。
彼の目は、怒りと狂気で血走っていた。
桜井「外国人が日本で成功するなど許さん! 移民も、成り上がりも、海道に守られる異物も、すべて天誅だ!」
部下A「桜井さん! 標的車両、止まりません!」
桜井「止めろ! あの黒人男優を引きずり出せ! 日本を汚す象徴を、今夜ここで潰す!」
後続車から親衛隊が展開する。
だが桜井たちは、怒りだけで突っ込んでくる素人集団ではなかった。統率は粗いが、数で押し潰す気だ。
美咲は窓外を見ず、モニターだけで状況を把握した。
立花美咲「左右に二台。後方に三台。先導車が分断されました」
牧村葵「運転班、第二ルートへ変更。親衛隊三班は後方を封鎖」
運転班「了解!」
ケニスは伏せたまま、葵の横顔を見た。
ケニス「アオイ、オチツイテルナ」
牧村葵「慌てれば、あなたが死にます」
ケニス「ソレ、コマル」
立花美咲「冗談を言う余裕があるなら、その姿勢を維持してください」
ケニス「ミサキモ、キビシイ」
外では、桜井の声が拡声器越しに響いていた。
桜井「聞け、海道グループ! 日本を外国人の見世物小屋にする貴様らを、我々は許さない!」
牧村葵「……くだらない」
立花美咲「思想に酔ってますね」
牧村葵「酔った人間ほど、痛みを恐れない。だから厄介」
桜井の車両が、再び装甲車へ体当たりする。
二度目の衝撃。
だが、装甲車は止まらない。
海道グループのVIP専用車両は、その程度で崩れるようには作られていなかった。
牧村葵「美咲、ケニス様を中央へ」
立花美咲「了解」
美咲がケニスの肩を押さえ、車内中央の安全位置へ誘導する。
ケニスは抵抗しなかった。
ケニス「オレ、マモラレテル。デモ、アナタタチ、ダイジョウブカ?」
立花美咲「私たちは海道様の親衛隊です」
牧村葵「この程度で崩れるなら、最初から勝様の側には立てません」
その言葉に、ケニスの表情が少し変わった。
ケニス「カイドウ、シアワセナ、オトコダ」
牧村葵「勘違いしないでください」
ケニス「ン?」
牧村葵「私たちは幸せにするためにいるのではありません。勝様の命令と領域を守るためにいます」
立花美咲「そして今夜、その領域にあなたが含まれているだけです」
ケニスは低く笑った。
ケニス「イイネ。ソウイウ、オンナ、キライジャナイ」
その時、前方の道路に一台の大型車が横付けされた。
進路封鎖。
桜井は、装甲車を止めるつもりだった。
桜井「逃がすな! その外国人を日本の土を踏ませるな!車から、引きずり出せ!」
牧村葵「運転班、停止しないで」
運転班「しかし前方が――」
牧村葵「第三誘導。左側面の退避路へ」
立花美咲「後方は私たちが抑えます」
装甲車が急角度で進路を変える。
車体が傾く。
その揺れの中でも、葵と美咲は崩れない。
ケニスだけが、少し楽しそうに笑った。
ケニス「ジェットコースター、ミタイダナ」
立花美咲「笑う場面ではありません」
ケニス「ワカッテル。デモ、アナタタチ、イレバ、シナナイ」
牧村葵「その信頼は重いですね」
ケニス「オレ、オンナ、ミルメ、アル」
装甲車は退避路へ入り、桜井たちの包囲をわずかに外した。
だが、桜井はまだ諦めない。
桜井「追え! 外国人を守る女どもも同罪だ!」
葵の目が冷たく細まる。
牧村葵「美咲」
立花美咲「はい」
牧村葵「ここから先は、護送ではなく制圧に切り替える」
立花美咲「了解。親衛隊、全班へ。標的は桜井率いる襲撃集団。ケニス様の安全を最優先。必要最小限で制圧」
無線越しに、親衛隊の返答が重なる。
親衛隊員「了解」
牧村葵「桜井。あなたたちが誰を憎もうと勝手です」
葵はモニター越しに、迫る桜井の車両を見据えた。
牧村葵「でも、海道グループの護送対象に手を出した時点で、もう思想家ではありません。ただの襲撃者です」
立花美咲「そして襲撃者は、止めます」
ケニスは、赤い警告灯の下で二人を見た。
命を守る女。
恐怖を殺し、命令を飛ばし、状況を支配する女。
ケニス「アオイ、ミサキ」
牧村葵「何ですか」
ケニス「カイジョウ、ツイタラ、アスカニ、イウ」
立花美咲「何をですか?」
ケニス「カイドウノ、シンエイタイ、セカイイチ、コワイ」
美咲は一瞬だけ目を細めた。
立花美咲「褒め言葉として受け取っておきます」
装甲車は夜道を切り裂くように走る。
背後には、怒りに焼かれた桜井たち。
前方には、海道グループの乱○パーティー会場。
そして車内には、世界級の男ケニスと、海道勝に忠誠を誓う二人の女。
襲撃の衝撃は、まだ終わっていない。
だが、この瞬間、戦場の主導権はすでに桜井ではなく、葵と美咲の手に移っていた。
葵と美咲達の率いる親衛隊の活躍で、無事にケニスの護衛任務を成功させて、パーティー会場にたどり着いた。
そして、戦場のような緊張感が漂う護衛任務が終わり、目的地へと到着した。
守るべき対象だったのは、大柄で陽気な黒人AV男優、ケニス。不慣れな土地で片言の言葉を操りながらも、彼は自分を命がけで守り抜いた二人の女戦士に、あらぬ方向への強い興味と情熱を抱いていた。
大袈裟な身振り手振りで、自慢の筋肉を誇示するように胸を張る。その瞳には、戦士としての強さと女としての色香を併せ持つ二人に向けられた、隠しきれない欲望が渦巻いている
ケニス
『オー! 葵、美咲! You guys... 最高のガードマン! そして、最高のビューティー! 私、あなたたちに、めちゃくちゃ感動した。』
人目も憚らず、二人の肩に大きな手を回そうと距離を詰め、甘い、そして肉食的な笑みを浮かべる
視線を冷たく切り替え、軍人の顔に戻る。
指先で銃のホルスターを軽く叩き、一分の隙もない直立不動の姿勢を取る。先ほどまでの妖艶さは完全に消え、そこにはただ、任務を遂行する冷徹な兵士だけが立っていた。
葵
『私たちは軍人です。私的な情事のために時間を浪費する余裕はありません。期待させてしまったなら、申し訳なく思います。』
呆然とした表情で口を開けて固まる。つい数分前までの甘い雰囲気が嘘のように凍りつき、あまりの温度差に身体が震えている
ケニス
『オー……!? 嘘だろ? サッキの、アノ……!』
表情一つ変えず、淡々とした口調で追い打ちをかける。感情を排したその声は、まるで機械のように正確で冷徹だった
美咲
『期待は禁物です、ケニスさん。私たちはあなたの護衛であり、所有物ではありません。』
踵を返し、迷いのない足取りで歩き出す。振り返ることさえせず、事務的に次の指示を待つ姿勢へと移行した。
美咲
『任務完了。速やかに次の地点へ移動します。』
ーケニスのVIP室ー
控え室の扉を開けた瞬間、霧島冴子は一歩だけ足を止めた。
そこにいたのは、海外AV男優ケニス。
上半身裸で、静かにストレッチをしているだけだった。
ただ、それだけのはずだった。
分厚い胸板。
汗を吸った肌。
肩から腕へ流れる筋肉の線。
腹筋が呼吸に合わせてわずかに動くたび、冴子の視線は警護対象を確認する目から、女の目へと変わりかけていた。
冴子
「霧島冴子だ。今日から本番前の警護を担当する」
ケニス
「サエコ……ツヨソウナ、オンナ」
片言の日本語。
だが、その低い声が妙に耳に残る。
冴子は腕を組み、冷静な顔を作った。
冴子(心の声)
『落ち着け。私は警護だ。こいつは警護対象』
そう考えた瞬間、ケニスがタオルで首筋の汗を拭った。
その動作だけで、冴子の喉が小さく鳴る。
(……違う。火種なんてもんじゃない)
冴子の視線が、ケニスの腰まわりへ落ちかける。
すぐに戻す。
だが、戻した先にある胸板も、腕も、首筋も、どこを見ても男だった。
強い。
熱い。
そして、危険なほど無防備。
冴子
「本番前に筋トレか?」
ケニス
「カラダ、アタタメル。ホンバン、ダイジ」
ケニスは何気なく言っただけだった。
だが冴子には、その言葉の奥にある意味が分かってしまう。
この男は、本番のために身体を作っている。
女を抱くための筋肉。
女を受け止めるための腰。
女を狂わせるための体力。
冴子(心の声)
『……触れたら、どうなる?』
冴子は自分の心の声に気づき、眉をひそめた。
冴子(心の声)
『馬鹿か、私は。初対面だぞ。警護対象だぞ。なのに……』
なのに、身体の奥が反応していた。
この男が本気になった時。
この筋肉が自分を押さえ込んだ時。
この低い声で名前を呼ばれた時。
自分は本当に、警護者の顔でいられるのか。
冴子は無意識に唇を湿らせた。
その瞬間、ケニスの動きが止まった。
ケニス
「……サエコ」
冴子
「何だ」
ケニスは冴子をじっと見た。
獣が、空気の変化を嗅ぎ取るような目だった。
ケニス
「サエコ、メ、チガウ」
冴子
「……何が違う」
ケニス
「サッキ、ケイゴノメ。イマ、オンナノメ」
冴子の胸が、強く跳ねた。
図星だった。
だが、冴子は笑ってごまかさない。
逃げもしない。
ただ、ケニスの前へ一歩近づいた。
冴子
「勘違いするな。私はお前を監視してるだけだ」
ケニス
「ソウ?」
冴子
「そうだ」
ケニスは少しだけ首を傾げた。
ケニス
「デモ、サエコ……オレニ、サワリタソウ」
沈黙が落ちた。
冴子の理性が、警告を鳴らす。
だが心の奥では、もう別の声が生まれていた。
(触りたい)
(確かめたい)
(この男が、本番で女たちをどう壊すのか……その前に、私が知りたい)
冴子はケニスを睨むように見た。
冴子
「……本能だけは鋭い男だな」
ケニス
「サエコモ、ホンノウ、ツヨイ」
ケニスはまだ何もしていない。
触れてもいない。
誘惑の言葉すら、まともに使っていない。
それなのに冴子は、自分の中で何かが少しずつほどけていくのを感じていた。
この男と一線を越えたい。
その言葉だけは、まだ口にしない。
だがケニスは、もう気づいていた。
冴子が警護者の顔の奥で、女としてケニスを欲し始めていることに。
白い照明が無機質に照らす空間に、金属がぶつかり合う規則的な音が響いている。窓の外には夜景が広がり、この密室が外界から完全に隔絶されていることを静かに主張していた。
全裸のまま、汗に濡れた漆黒の肌を惜しげもなく晒し、ダンベルを持ち上げる。隆起した筋肉が照明を反射し、股間では既に半勃起した逸物が揺れている
ケニス(心の声)
『フゥー……。日本ノ オンナ、イツモ 見テル。デモ、ワタシ 気ニシナイ』
ちらりと冴子の方を見やるが、すぐに視線を戻し、何事もなかったかのようにスクワットを始める。その動作のたびに、鍛え上げられた臀部と太腿の筋肉が収縮し、勃起したものが上下に揺れた
(壁際に背を預け、腕を組んだまま無表情を装う。しかし視線は、意思に反して何度もケニスの裸体へと吸い寄せられていく)
冴子(心の声)
『あの筋肉の隆起……勝様とは違う、野性的な……いや、何を考えている。私は警護の任務中だ』
喉の渇きを覚え、無意識に唇を舐める。ケニスの股間で揺れる黒々としたソレが視界に入るたび、下腹部に熱が集まっていくのを止められなかった
冴子
『もし、あれが私の中に……駄目だ。勝様以外の男に、こんな……でも、あの太さなら……』
トレーニングの手を止め、爽やかな笑顔を浮かべながら冴子の方へゆっくりと歩み寄る。勃起したものを隠す素振りもなく、むしろ自然体で揺らしながら近づいていく
ケニス
『オー、アリガトウ。ニホンノ 冴子、ヤサシイネ。』
冴子の目の前で立ち止まり、汗に濡れた筋肉を誇示するように胸を張る。逞しいソレが彼女の視線の高さで存在感を主張していた
ケニス
『熱イ、デスネ。ココ、空気、 コモッテル。』
冴子は、無表情を装いながらスポーツドリンクを差し出す。しかし暑さを理由に、胸元を少し下げ、汗ばんだ谷間を強調していた
冴子
『……疲れたでしょ?水分補給はいかが?。』
冴子(心の声)
『近い。あの匂い、野性的で……いや、これは任務。任務なのに、何故こんなに心臓が……』
ケニスの勃起したソレが視界の端に入り、無意識に息を呑む。自分の胸元を晒していることに気づきながらも、なぜか隠す気になれなかった)
冴子
『室温が高いようですね。空調を……。』
空調の操作を終えた冴子が、ケニスが使っていたダンベルに視線を向け、何気なく手を伸ばす
冴子
『……このダンベル、何キロ?私も少し。』
持ち上げた瞬間、予想を遥かに超えた重量に腕が悲鳴を上げ、身体が大きく傾いた
冴子
『っ……!』
ケニスが、瞬時に反応し、太い腕を冴子の腰に回して引き寄せる。汗ばんだ筋肉質の胸板が彼女の背中を受け止め、危うく床に倒れるところを防いだ
ケニス
『アブナイ! ダイジョウブ?』
冴子を支えたまま、心配そうに顔を覗き込む。二人の距離は、吐息が触れ合うほどに近い
ケニス
『ケガ、ナイ? ヨカッタ……。』
ケニスの腕の中で、心臓が激しく脈打つのを感じる。見上げた先にある、汗に濡れた精悍な顔。野性的な体臭が鼻腔をくすぐり、思考が鈍くなっていく
冴子
『……大丈夫、油断したわ。』
しかし身体は動かない。ケニスの黒い瞳に吸い込まれるように見つめ合い、気づけば互いの唇が触れ合っていた
冴子
『ん……っ。』
最初は偶然のように軽く触れ合っただけだった。しかし、どちらからともなく唇が重なり、角度を変え、舌が絡み合い始める。ケニスの太い腕が冴子の腰を強く抱き寄せ、彼女の柔らかな胸が鍛え上げられた胸板に押し潰された。
ケニスの舌が口内を蹂躙し、理性が溶けていくのを感じる。任務も、立場も、全てが遠くなり、ただこの瞬間の熱だけが世界を支配していた。
冴子
『んぅ……っ、ん、ちゅ……っ。』
キスを続けながら、ゴツゴツとした大きな手を冴子の身体に這わせる。背中から腰のラインを辿り、服の上から曲線を確かめるように、驚くほど繊細な指使いで触れていく
ケニス
『キレイ……。 冴子、ハダ ヤワラカイ。』
冴子の反応を楽しむように、ゆっくりと胸元へ手を滑らせ、谷間に指先を這わせた。
ケニスの手が触れるたびに、電流が走るような快感が身体を駆け抜ける。無意識に甘い吐息を漏らしながら、自分の手を下へと伸ばしていた。
冴子
『あ……っ。』
指先がケニスのソレに触れた瞬間、目を見開く。掴んでも余りある太さ、脈打つ熱さ、そして信じられないほどの長さに、呼吸が止まった。
冴子
『……嘘。』
両手で包み込むように握り、その質量を確かめる。硬く反り返ったソレは、これまで経験したどんな男達のとも違う、圧倒的な存在感を放っていた。
冴子
『こんな……これが、入るの……?』
元刑事の冷静さは完全に崩れ去り、そこにいるのはただ、未知の快楽への期待と恐怖に震える一人の女だった。ケニスの黒々とした逸物は、彼女の両手でも収まりきらず、先端からは既に透明な液体が滴り始めている。
ケニスの手を振り払い、床に膝をつく。見上げた先にそびえ立つ黒々とした肉塔を、挑むような眼差しで睨みつけた。
冴子
『私のペースでいかせてもらうわ』
先端に舌を這わせ、先端を口に含む。しかし根元まで咥え込もうとした瞬間、顎関節が悲鳴を上げた。
冴子
『んぐっ……!』
それでも退かない。元刑事として、今はバウンサーとして培った闘争本能が、この異物を征服することへの執念に変わっていた。顎が外れそうな痛みを快感に変換し、涙目になりながらも激しく頭を上下させる。
冴子
『ん、じゅる……っ、んぶっ……!』
腕を組み、仁王立ちで冴子を見下ろす。余裕の笑顔を浮かべながらも、快楽に目が細まり、低い吐息が漏れた。
ケニス
『サエコ……イイヨ、ソノチョウシ。モット、フカク』
ケニス(心の声)
『コノ 冴子、スゴイ ビジン。乱○パーティー マエニ、イイ ウォーミングアップ』
冴子の髪を乱暴に掴み、自分のペースで腰を突き出す。黒々としたソレが彼女の喉奥を何度も突き、卑猥な水音がジム内に響き渡った。
ケニス
『フゥー……冴子、ニホンノ オンナ、最高。』
喉を突かれ、涙と涎が顔を濡らす。主導権を握るはずが、いつの間にかケニスのペースに呑まれていた。しかしその屈辱が、さらなる快感へと変わっていく
冴子
『んぐぅッ……! ぶっ、んちゅ……っ!』
見上げた先にある、余裕の笑みを浮かべるケニスの顔。その圧倒的な男らしさに、元刑事としての闘争本能が別の何かへと書き換えられていく
冴子の口からソレを引き抜き、唾液でテカテカに光る自身の逸物を満足げに見下ろす。
ケニス
『ンー、イイカンジ。ヌルヌル、サイコウ。』
躊躇なく冴子の脇の下に手を差し込み、まるで人形のように軽々と持ち上げる。鍛え上げられた腕が彼女の太腿を掴み、大きく開かせた。
ケニス
『サエコ、ツカマッテ。オチルト、アブナイヨ。』
にやりと笑い、手慣れた動作で冴子の秘部に先端を押し当て、重力に任せて一気に貫いた。
地面から足が離れ、ケニスの腕だけに支えられた不安定な姿勢に、本能的にしがみつく。次の瞬間、内側から強引にこじ開けられる圧倒的な圧迫感に、絶叫が喉から迸った。
冴子
『あぁああッ!!』
空中に浮いたまま、重力と突き上げが合わさった衝撃に意識が飛びそうになる。足はケニスの腰に絡みつき、爪が彼の背中に食い込んだ。
冴子
『む、無理……っ! こんな体勢……っ、深すぎ……ッ!!』
部屋の中央で、異様な光景が展開されていた。筋骨隆々の黒人男性が、日本人女性を軽々と抱え上げ、立ったまま激しく腰を打ち付けている。冴子の身体は完全に宙に浮き、ケニスの逞しい腕だけが彼女を支えていた。重力に逆らえない無力感と、最深部まで貫かれる快楽が同時に襲いかかり、元刑事の理性を粉々に砕いていく。
激しく揺さぶられ、視界がぐらぐらと歪む。空中で犯されているという背徳感と、身体の中を直接叩かれる快感に、涎を垂らしながら喘ぎ続けた。
冴子
『あっ、あっ、あっ……! おかしく、なる……っ!!』
冴子の身体を抱えたまま、自身の内側に眠る力を解放する。彼女の中で、既に限界まで膨張していたソレが更に一回り大きく、硬くなっていく
ケニス
『サエコ……コレガ、ワタシノ チカラ。モット、オオキク ナル。』
獰猛な笑みを浮かべ、膨張した逸物で冴子の内壁を押し広げながら、さらに激しく腰を突き上げた。
内側から押し広げられる圧迫感が、さっきまでとは比較にならないほど強烈になる。最初は苦悶の喘ぎだったものが、次第に甘く蕩けた声に変わっていく!
冴子
『あ、ぁ……っ! な、何これ……っ、さっきより……っ!』
混乱する思考の中、元刑事としての矜持が最後の抵抗を試みる。挑発的な笑みを浮かべ、余裕を装って煽り返した。
冴子
『ふふ……っ、こ、の程度で……私を堕とせると、思ってるの……?』
ケニスの肩に爪を立て、潤んだ瞳で見上げる。声は震え、身体は正直に快楽を訴えているのに、口元だけは不敵に歪んでいた。
冴子
『元刑事を……甘く、見ないで……っ! あんたの、その自慢のモノ……全部、搾り取ってあげる……から……っ!』
強がりの言葉とは裏腹に、冴子の身体は正直だった。膣壁はケニスの膨張したソレを締め付け、愛液が滴り落ちて床に小さな水溜りを作っている。空中で犯され続ける元刑事の瞳には、もはや隠しきれない快楽の色が滲んでいた。
息を荒げながら、挑発的な視線をケニスに向ける。汗が額を伝い、乱れた髪が頬に張り付いていた。
冴子
『はぁ……っ、はぁ……っ、この……っ、まだ、終わりじゃ……ないわよ……っ!』
ケニスに抱えられたまま移動し、休憩用のベッドに押し倒される。しかし次の瞬間、体勢が逆転し、自分がケニスの上に跨っていることに気づく
冴子
『……ハンデのつもり? 舐めないで』
仰向けになったまま、両手を頭の後ろで組み、余裕の笑みを浮かべる。腹筋が呼吸に合わせて波打ち、股間では依然として膨張したソレが天を突くように屹立していた。
ケニス
冴子、スキニ シテイイヨ。ワタシ、余裕 アルカラ』
片目を瞑り、挑発するように腰を軽く突き上げた。
ケニス
『世界サイコウホウ ノ AVダンユウ、ナメナイデネ。冴子ガ サキニ イク、絶対!』
ケニスの余裕の態度に、元刑事としての闘争心が再び燃え上がる。騎乗位の姿勢で腰を沈め、自ら彼を飲み込んでいく
冴子
『ッ……! ふ、ふふ……っ、言ったわね……?』
両手をケニスの鍛え上げられた胸板に置き、ゆっくりと腰を動かし始める。内側を擦り上げる快感に顔が歪むが、それでも不敵な笑みを崩さない。
冴子
『世界最高峰だか何だか知らないけど……っ、私を、甘く見ないことね……っ!』
休憩用の高級リラクレーションベッドが、二人の重みで軋みを上げる。ケニスは完全にリラックスした姿勢で、冴子の攻めを受け入れる構えだった。彼の瞳には、獲物を前にした余裕と、僅かな期待が入り混じっている。世界を股にかけるAV男優としての自信が、その態度の全てに滲み出ていた。
冴子は、ロデオ並みの騎乗位で激しく腰を振り、ケニスを追い詰めようとする。しかし彼の表情には一切の乱れがなく、余裕の笑みすら浮かんでいた。
冴子
『くっ……! 何で、こんなに……っ!』
突然、身体を掴まれて反転させられる。背中をケニスに向けた姿勢になり、彼の顔が見えなくなったことで不安が募った。
冴子
『ちょ、待っ……!』
冴子の細い腰を両手でがっちりと掴み、獰猛な笑みを浮かべる
ケニス
『今度ハ オレノ バン。コレ、俺ノ スキナ 体位。』
内心では七割程度の力に抑えながら、それでも一般人には耐えられないほどの激しさで突き上げを開始した。
ケニス
『イクヨ、冴子ッ!』
背後から腰を掴まれ、容赦のない突き上げが始まった瞬間、全身に雷が落ちたような衝撃が走った。
冴子
『あっ、あああぁぁッ!!』
ケニスの本気だと思い込み、頭が真っ白に染まっていく。抵抗も、余裕を見せることも、もう何もできない。ただ快楽の波に翻弄され、獣のような喘ぎ声を上げ続けた!
冴子
『む、無理……っ! これ、本気……っ、あぁッ、イク、イっちゃ……っ!!』
絶頂の波が全身を貫き、意識が遠のいていく。最後に聞こえたのは、自分の甲高い悲鳴だけだった。
冴子の身体が大きく痙攣し、そのまま力なくベッドに崩れ落ちた。完全に意識を失った元刑事の顔を、ケニスは躊躇なく仰向けにさせる。彼の手が自身のソレを激しく扱き、次の瞬間、カルピスの様な白濁した液体が、噴水の様に勢いよく噴出した。
冴子の美しい顔に、大量のケニス欲望を浴びせかける。額から頬、閉じた瞼、僅かに開いた唇へと、白い飛沫が容赦なく降り注いだ。
ケニス
『フゥー……。綺麗ナ 顔、モット 綺麗ニ ナッタ』
満足げに息を吐き、汗と白濁液まみれの冴子の顔を眺める、薄く笑みを浮かべた。
ケニス
『マダ 本気 ジャナイ。デモ、イイ ウォーミングアップ ダッタ』
ドアを叩く音が、濃密な空気を切り裂いた。
黒いドレス姿の西園寺アスカが、ゆっくりとVIP室へ入ってくる。視線の先には、ソファにもたれ、意識を手放した冴子。乱れた髪、上気した頬、そして敗北を物語るような脱力した身体。
西園寺アスカは一瞬だけ目を細め、すぐに黒服へ指示を飛ばした。
アスカ
「冴子を医務室へ。さおりに状態確認を」
黒服たちが静かに冴子を運び出す。アスカはケニスへ向き直り、艶やかな笑みを浮かべた。
アスカ
「ケニス。今のは前座よ。本番は、これから」
ケニスは汗を拭い、獣のように笑う。
ケニス
「ホウ……マダ、上ガ イルノカ?」
アスカの胸の奥で、期待が熱を帯びる。
藤野靖子。
あの女が、この男を前にどこまで進化するのか。
アスカ
「ええ。あなたの知らない、最高の相手が待ってるわ」
不敵な笑みを交わし、二人は本番の会場へ向かった。
この物語は、すべてフィクションです。
登場人物は全員成人であり、架空の大企業の海道グループを舞台に、成人男女の欲望、権力、金、社会の歪みの中で、欲望を満たす為の生存戦略を練る女達のオムニバス官能ノワール群像劇です。




