すぐに済むから!! 痛くなんて無いはずだから……!
「いや汚ッッ!!」
「そうかな?」
「見てウチのキヨラさん! めちゃくちゃ嫌悪感ある顔でハンカチで口覆ってめちゃ嫌そ〜〜な顔で見てるから!」
口頭の説明通りキヨラは正に汚物でも見るような顔で、この本やら紙やら埃やらが散らばる汚部屋とカエストロさんを嫌悪感たっぷりに見るのを、俺は慌ててまずは部屋の窓を開けてせめて換気だけでもと、この部屋に風を通した。
「ゴホッ……、てゆーかこの窓いつから開けてないの!?」
「いつからって……」
カエストロさんはそう言われて指折り数えて、指が折り返したとこで、
「60年くらいかな」
「まさかの10年単位で数えてた!!」
衝撃の単位に俺も服の袖口で口を押さえれば、もうキヨラは部屋にいなかった!! 仕方ない! 実は綺麗好きの几帳面さんだからね!!
俺は諦めてとりあえず部屋の隅で埃かぶってた箒と塵取りを探し出し、カエストロさんも押し出して部屋の掃除を始めた。
とりあえず食料品とか腐るものは無いのが救いだと思おう……!!
****
「最低限こんなもんか」
どのくらい続けていたのかと、それなりに見えるようになった部屋を背に、我ながら埃まみれでへとへとになりながら部屋を出た途端、いつから待っていてれたのかキヨラに浄化魔法をかけられて、綺麗になった気はしたけど「やっぱりシャワーもいっといでよ」とやはり嫌悪感の拭えない顔のキヨラに言われて、俺も気分的には浴びたいと頷いた。
***
「で・なんで出てきて早々に!?」
さっぱりしたと出てきたところで、あっさりカエストロさんに捕まり連れられて、お掃除した部屋の真ん中に描かれた魔法陣の真ん中に座らせられた。
「キョーラは女神の加護が強過ぎて、やはり人里の教会とかでないと魔力を巡らせられなさそうでね。ならハジメの方を解除しとけば、君たちも動き出しやすいだろう? あと私も試したいしね」
「それって人体実験じゃん!?」
「そうとも言うかもね! いや大丈夫! すぐに済むから!! 痛くなんて無いはずだから……!」
「それ大丈夫じゃないやつ……!!」
カエストロさんは俺に構わずにハァハァとしながらその手をこちらに掲げると、何かを呟き始めると、周りの魔法陣が輝き始め、俺の身体の周りに柔らかくまとわりつき始めた時、何かがぶつかる様な大きな音と屋敷に振動が響く……!
た
「これから良いところだというのに……!!」
カエストロさんは舌打ちをすると足の踏み場が出来た部屋を駆け抜けて、また閉まっていた窓を開け放つと上を見上げると、慌てたように扉を出てどこかへといってしまった。
「……大丈夫そ?」
「なんだろ……、良いことされる筈なのに、汚されそうな気持ちになっちゃった……」
「……とりあえずカエストロさん締めてくる」
「相手エルフだからね!! キヨラさんには流石に無理じゃない!? ……ウワッッ!!?」
そんな会話に構わずまたも訪れた振動にキヨラを胸の内に守る様に抱きしめてみれば、外からカエストロさんやデックスの声が聞こえて思わず窓から外を見て彼らの視線の先は遥か上空だと見上げれば……、眩しい光の中でそれは結界と呼ばれるものを壊そうと暴れているようだった。





一部通販はこちらで是非(*´꒳`*)