DDだって大概若いとおもうんですけどね!?
「いやぁ〜重ね重ね悪かったなぁ〜!」
「イエイエ……お気になさらず」
ドワーフの身体の丈夫さ的に、多少の隙間風程度気にしない造りなのだとわかり、内緒話も出来ないなと起きて話し合ったのは先ほどのこと。
そんなまだ寝ぼけ眼の俺たちの所へ、朝から元気にデックスとカエストロさんがやってきて、我が家のようにドカリと椅子に座りこうして話始めた。
そう。二人とも疲れ切ってたのかビックリするほど寝ていて、朝寝たのに次に起きたら朝って「俺たちもまだまだ若いよな」って言ったら「そんなの言うまでもなく僕は若いよ」と、DKに言われたのが今朝のダイジェスト。DDも大概若いと思うんですけどね!?
「んで、結局ヤッたのか!?」
「ゴフゥ!」
あまりにストレートな物言いにお茶を吹き出せば、「カエの祝福ってやつだよ」とデックスに言われて、そっちかと慌てればキヨラは少し睨むように、
「ソレ昨日祝福はここでは出来ないって言ってたでしょ。わざわざハジメを揶揄わないでくれる」
「ふははっ! 悪ィ悪ィ! ハジメってば揶揄いがいがあるもんだからよ! で、ハジメ、ソッチもヤッたのか!? だから疲れてこんな寝たんだろ!?」
「ソッチモドッチモヤッテナイデス!」
恥ずかしいなオイと思いながらも言えば、デックスはゆっくりと視線をキヨラに移動させると、
「まさか……キョーラがこっちなのか……?」
と、口には出さない下品なマークを指で示すのを、キヨラは「処すよ?」と笑顔で告げるのが怖すぎました!!
「……? ん? 僕の性別いつ気付いたの?」
そうキヨラが眉間に皺寄せて告げれば、
「昨日ハジメの呻き声と『同じモンついてる』つっとたからなぁ〜。あんな腹の底からの呻き声は死ぬ時がココ蹴られた時くらいしか出ねぇだろ?」
と、ケラケラと股間を指差しながら笑って告げられるのに、心底日本の防音住宅に帰りたくなったのは俺だけじゃなかったはずだ。
「あ、そうそう。村長の居所見つけたから突撃しようぜ! ほっといたらキョーラの荷物持って三十年くらい隠れそうだしな!」
「三十年!?」
「エルフだったら百年は隠れるだろうけどな。三十ったって、ヒトにとっちゃ長ぇ時間だろ?」
「そんなに待ったら僕美中年になっちゃうよ!」
「ビチュー……? まぁいいや。とにかく行くぞ!」
立ち上がったデックスの後に続こうと、俺たちはといつものマジックバッグだけ手に取って、その背中について行った。
***
「この糞村長! 客人の荷物持ってトンズラすんなぁ!!」
「デックス! 何故ここが!?」
「何故ここがっじゃねぇよ! カエが村に来てる間にこっそりそこで研究すんな!」
「カエに許可はとったわ!」
「オレッチは知らねぇよ! てゆーかいつだよ!?」
「百年前にこの部屋は互いに自由に使おうと」
「オレッチも生まれる前じゃねぇか!」
俺たちがゼェゼェと息を切らしてやっと屋敷に入れば中からはデックスの怒りの声と、村長さんの声。
ちなみにこの森の奥深くのカエストロさんのご自宅にたどり着いたのはもうお日様もてっぺんを過ぎたお昼過ぎ。
無事にここまで来れたのが言うまでもなくデックスのおかげ。デカい斧を振り回して魔物を切り倒し、特に目印もないように見える森を迷いなく歩き辿り着いた。俺たちここに置いてかれたら帰れる自信なんてないと言えるほどに、道なき道な森だった。
「で、キョーラが貸したってのはどれだよ。このカバンか? それともこの本?」
「違う。そこの髪の毛みたいなやつ」
デックスは手に取るとコチラに渡すそぶりを一瞬見せたが、その手が止まる。
「ちょっと待ってくれ! なんだこれ!? オレッチも見てぇ!! キョーラ!! 絶対悪いようにはしねぇから!! 一晩だけ待ってくれ!!」
とか言い出せば、「そうじゃろそうじゃろう!?」と、村長と話し込み始めてしまった。
「まぁ、ここなら君たちに多少は祝福も出来るし、一晩くらいは待ってあげたら?」
「カエ! そうだな! カエの部屋案内してやれよ! でっ、ここってどうなってんだ??!」
楽しそうに話す二人を止めることは出来なさそうだと、ため息をついてカエストロさんの案内されるままに隣の部屋へと移動した。
「ねぇ、この建物、誰が作ったの? 僕らが借りてる家よりすごい綺麗だよね」
「デルとその友がね。『エルフなんだから俺たちより長く生きるのやつに、少しでも持つ様に』って丁寧に作ってくれたんだよ」
「僕らの家もこのくらいがいいな」
「まぁまぁ。ドワーフがお客さん用にってわざわざ村に予備の家作ってることの方が珍しいんだ。エルフもドワーフも、排他的だからね」
それはカエストロや「あの子」と呼ばれた子の影響なのかと聞くのも野暮かと黙って後ろをついていけば、すぐ隣の部屋に入ればそこは……本で溢れかえっていた。





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