表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女の代わりに誤って召喚されたけど、男なので捨てられた!それならばせめて真っ直ぐキチンと生きていく!!  作者: そらいろさとり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/61

そうして疑うのは悪いことじゃないけど



「それにさ、あのエルフの言うこと真に受けていいのかな?」

「カエストロさんのこと? なんで?」

「怪しいじゃん。多分エルフって言ったら僕ら人間が太刀打ちできないほどの長生きで、魔力も相当でしょう? ヒトの様にやってみたけどうまくいかなくて壊れちゃった。とか言われてもおかしくないよね」

「う〜ん。俺にはなんとも……」


 言われてみれば確かにあったばかりの彼を信頼していいのかと思うが、そんな悪い人、いや悪いエルフには見えないけれど、確かにいい奴だと思った友達も大学で一万貸したらそのまま大学辞めてとんずらしたなと、腕を組み考える。


「まぁ、そうして疑うのは悪いことじゃないけど、私はそんなことしないよ」

 いつの間にか、むしろいつから聞いていたのかと、窓を開けてカエストロさんはニコニコとコチラを見ていた。


「何? 盗み聞き?」

「いや、帰って早々にデックスが大イビキで寝てしまったからね。さっき外で飲む前にもキヨラと飲み明かしてたとかで、なんだか冷静に見えてしっかり泥酔してたみたいだね」


 露骨に嫌そうな顔で見るキヨラを気にした様子もなく、楽しそうに笑いながらの言葉に、確かにかなり呑んでいたことを思い出し苦笑いを返す。


「とにかくさ、私はそんなことしないと誓うよ。さっきも言ったけど、単純に純粋な興味さ。ヒトの洗礼は、エルフと違って神々からの祝福だからね」

「エルフと違ってってどう言うこと?」

「エルフは神ではなく自然からの祝福さ」

「う〜んイメージ通り」


 納得だと頷けば、キヨラが呆れたようにコチラを見てる気がする。


「だから違うのになんで僕らの祝福とやらがうまくいくと思うのさ」

「何度か見てきたしね。あの子の祝福も、その子供が祝福されるのも見せてくれた」


 懐かしむようにその目は少し遠くを見つめて呟くと、ニコリと笑みに変わった。


「まぁそんなわけでね。魔力の流れをどうするかはわかっているよ。祝福だなんて言うけれど、私たちと違って君たちヒトは生まれ持った魔力を使いこなせないから、祝福する神父とか言う者が、ただ魔力の流れの道標を一度するだけなのさ。そしたら川の流れるように、一度通してしまえば、簡単に動くってだけの単純なことだから、危険なんてなのさ。祝福だなんて大袈裟だよね」

「……失敗する確率は?」

「普通に考えたらないね!私はこれでもエルフだからね。神父とかいうのよりもこの目は魔力の流れは見えているから」


 わかってくれたかい?とでも言うように、笑顔を見せるカエストロさんに俺たちは顔を見合わせてから「お願いします」と告げれば、楽しそうに頷いてくれた。


「まぁとはいえ村長がキョーラの荷物を返してくれてからだけどね。それまでに君たちの世界のこと聞かせてくれないかい?君たちもショーガクセーなのかい!?」


 窓からウキウキと入ってこようとするカエストロさんに、とりあえず玄関に回ってくれと俺は苦笑いで告げた。



 ***





「悪ィ悪ィ、久々に飲みすぎたわ〜」

「デックス!」


 翌朝、うちに現れたデックスの名を呼べば、彼は俺たちを見て何かを察してくれたらしく、子どもに見えるその姿に似合わず腹をボリボリと掻くと、デカいため息を一つ付いてからズカズカと家に入り込んでくる。

 するとそのまま昨日から喋り続けていたカエストロさんのボディに重めの一発入れると、「悪かったな」と一言だけ残して、気絶したカエストロさんを肩に担いで家を出て行った。


「終わった……」

「終わらせてくれた……」


 そう、あれからカエストロさんのマシンガントークと異世界に対する興味は止まらず、延々と止まらず止めても止まらず夕飯出しても止まらず俺たちがうとうとしていても止まらず……ナウ朝。


「キョーラ……寝ようか」

「キヨラね。変なとこ……ふわぁぁ〜……感化されないで」


 答えを待つ前に、俺は布団に潜り込み手を広げれば躊躇うことなく腕の中へと入ってくる。

「おやすみ。アオ……じゃなくて」

 俺は相当寝ぼけてたのか疲れのせいつい名前を間違えたと、それを訂正する前にはその踵は俺の急所に直撃して悶絶する。

「ちょ……ッ!? キッ、キヨラさん⁉︎ おなじものモノ持つ身としてそれだけは……ッ! しんじゃうっ!」


  思わずキヨラに背を向けて告げれば、悶絶する俺に癒しの魔法をかけると痛みは引くが、キュッてしたのは耐えられないのは男の子だから。


「もう治したから大丈夫でしょ。大袈裟に言わないで」

「怖くて使えなくなっちゃったらどうするんだよ⁉︎」


 恐怖のあまりにまだソコを抑えて告げれば、キヨラは起き上がり「試してみる?」とコチラを見たところで、窓の外からは、

「そうだ! 私、まだ彼らに聞きたいことが!」

「カエ! この馬鹿野郎!今からやっとお楽しみって感じだっただろうが!」

 と、めちゃくちゃ筒抜けな声がして、俺たちは視線を逸らすと、「寝よっか」「そだな」と、背中を合わせて眠った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
⭐︎書籍情報⭐︎

仁藤先生の美麗な表紙が目印の、2025年8月発売
『悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい』

全編長編に書き直し。仁藤先生の素敵過ぎる挿絵が入っております
どうかご自宅にお迎えいただけると嬉しいです!

※ 以前の記入から訂正です。
書き下ろしSSは電子書籍版のみになるそうです。
大変失礼いたしました。
心からお詫び申し上げます。
i7mc3drn1i2j620t1t1li4yqeigb_g1n_wr_19o_14dfj.jpg 一部通販はこちらで是非(*´꒳`*)
楽天さん
Amazonさん
その他通販サイトさんでも扱って下さってます。
タイトルまたは「そらいろさとり」で検索ご利用下さいませm(_ _)m
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ