勤勉な日本人ですみません!
改めて召喚された理由を考えてとりあえず一つの意見をあげてみようと、キヨラを見つめて指差して言ってみる。
「キヨラが美少女すぎて、お嫁に欲しくなっちゃったとか?」
「それなら仕方ないけど、僕の顔も知らない感じだったよ。顔見た瞬間『今度は当たりだ』みたいなこと言ったたし」
「ハズレですいませんでしたね」
「ほんと失礼しちゃうよね」
キヨラの言葉は俺に同意してくれたのかと思えば、「だって僕だよ⁉︎ 当たりどころか『奇跡の大当たり』くらい言ってくれないと」とか言い出したので、いつもの調子が戻ってきたとつい笑ってしまう。
「で・聖女を呼び出した理由は、こうして貯まってる魔素を場所ごと浄化して、貿易や交流を活性化させたいか」
「うわ。めっちゃちゃんとしたこと言われてお兄さん驚いちゃった。って、ごめんなさい! えぇっと〜っ、魔素てのは俺は今までキヨラが吸収?浄化?してくれてたらしいから気が付かなかったけど、どんなもんなの?」
椅子に座って改めて聞けば、キヨラは「ん〜」と呟いてから、俺の前の席に座って話し始めてくれる。
「王都とかからマリーさんのいた町とか、それこそ人里同士の通りはある程度浄化してあるのか言うほどでもなかったよ。それこそはじめが一人で歩いてても気付かないくらいにね」
「そっか。そういや王都から歩いて行ったしな〜。なんなら排気ガスとかない綺麗な空気とか思ってた気もするわ」
「呑気すぎない?」
「そう言われても……」
頬を掻きながら笑えば、仕方ないなぁとキヨラも呆れたように笑ってくれる。
「それで、簡単に言えば人里から離れれば離れるほど魔素は濃くなると思っていいかも」
「じゃ、ここに来るまでの森とかしんどかったんじゃないのか?」
「それでも……きっと僕は加護でもあるのか、それともハジメも気にしないってとことは異世界人の特性なのかそこまで辛くはなかったよ。浄化もしてたし」
「そこまで……ってことはやっぱり辛かったんだろ?」
その目を見て告げれば、観念したように「ちょっとはね」と眉尻を下げて返されてその手を握れば「ポーションも作り置きしてたし、たいしたことないよ」との言葉に、宿に泊まった時に沢山作っていたのは、売るためだけでなく、移動中の自分の回復のためでもあったのだと気がつき、自分の思慮の浅さにその苦労していた指先を撫でる。
「ごめ……」
「謝らないでよ。ハジメが謝るなら、僕もまたいっぱい謝らなきゃいけなくなる」
「……そっか。キヨラに謝らせるわけにいかないな」
「ふふ、そうだよ」
互いに微笑んで、また話を続ける。
「それでさ、僕思ったんだけど、やっぱり魔王が出たとか?」
「なんで急にそうなるの!? 怖いじゃん!」
「町で話聞いてたらさ最近魔物が活発化してるとか、ほら、マリーの酒場でも冒険者たちがよく言ってただろ?」
「……そうだっけ?」
思い返してみるが、ごろつきみたいな冒険者たちが賑わっていたけど、マリーさんへの恩を返さなきゃとオーダーミスなど無いように必死に頭を働かせてた記憶しかないと言えばキヨラは、
「酒場で働いてたって聞いて……てっきり情報収集の為と思ってたんだけど」と呆れ顔で言われました。確かに情報収集と言えば酒場のイメージですね! 勤勉な日本人ですみません!
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