……お前が言うか?
「それで、結局なんなんですか?」
キヨラは既に近くの岩に座って楽しそうにビーズエールを飲み始めたデックスも無視して、ジトっとした目でカエストロさんに聞けば、まだ延々と喋り続けていたのをハタと止めると、輝くような美形の笑顔をこちらに向けてきた。
「それで異世界人の魔力の動きとこちらの魔力の動きの違いだけどね!!」
「だからそれはいいっていってるだろぉ!!」
イラつきが限界なのか叫ぶキヨラを「落ち着け落ち着け」と宥めていれば、やっと我に帰ったのかカエストロさんはデックスの横に座って、にこりと笑う。
「いやいや、悪かったね。ん〜、とりあえず洗礼受けるかい?」
「あのさ、僕は教会には行きたく無いんだよ。どうやっ……て?!」
キヨラのイライラした言い方を気にした様子もなく、カエストロさんはその指で自分を指差した。
「ヒトとは少々やり方違うけどね。長く生きてると君たちヒトの洗礼のやり方も面白いなって勉強したこともあってね。試しにやってみようか。やったことないけど」
「「ないんかい!」」
俺とキヨラのツッコミは重なるが、そんな様子も気にもしないカエストロさんは近付いてくると、俺には発音すら出来なさそうな何かを唱え両手を広げると、暴れて俺に抑えられていたキヨラの額にそっとその指を当てる。
「……うん! 失敗⭐︎」
「なんなんだよ!」
「つい忘れてたけど、ドワーフの村やエルフの村は、ヒトや魔族に検知されにくい結界してるから、逆もまた然り。ヒトの魔力の道を開けるにはヒトの魔力の使いやすい、ヒトの街がいいね!さぁ行こうよ!!」
明らかにウキウキとし始めたその姿に「待て」と声をかけたのはデックスだった。
「落ち着けカエストロ。まだその時じゃねぇ」
「でも彼らも早く魔力の流れを解放してあげた方がいいだろう?」
「あの村長がキョーラの珍しい素材の荷物を預かったままだ」
そういえばカツラを預けたままだったと思えば、カエストロさんは少し考えたあと、
「なるほど。預けたままだと彼のことだ。いつの間にやら暴走して何をしでかすかわからないね」
「……お前が言うか?」
至極もっともな呆れ顔のデックスの言葉に頷けば、彼は気にした様子もなく、「ふむ」と腕を組んで考える。
「まぁ、それならば仕方ないか。2人ともそんなに急がなくてもいいかな」
「いいも何も、もう少し説明してから色々してくれると助かるよ」
俺の言葉に納得してくれたのか、彼は改めて俺たちが借りている家へと歩き出した。





一部通販はこちらで是非(*´꒳`*)