スキルあったんかい!
「あの……その子はどうなったんですの?」
「そのまま放っておいても死ぬだけだしね。足手纏いだったけど連れて行ったよ」
「うっわぁストレートな言い方」
キヨラの質問に隠すことないカエストロさんの言葉。俺はツッコミながらもそのままの意味なのだろうと納得するしかない。
俺やキヨラに備わっていた異世界転移のチートスキルは曖昧すぎるものの、それは空手など人生経験で得ていたものをベースとするならば、小学生だったその子には備わっていなかった可能性もある。
……そう考えれば、俺たちもただ学べる環境であっただけで、一歩間違えればなんのスキルもなく野垂れ死んでいたのかもしれない。
それを考えて仕舞えば言葉を失ってしまうと、カエストロさんが「彼はテイマーだったよ」とこともなげに伝えてきた。
「「スキルあったんかい!」」
二人で思わず言えばカラカラと楽しそうに笑われ、
「足手纏いだったけど、役立たずではなかったさ」と続ける。
「てゆーかテイマーって何!? 俺より有能っぽいじゃん。なにそれテイマーかっこいい」
「シイクイインチョウ?とかで、家でもいっぱい飼ってるとか言ってたねぇ」
「言ってることめっちゃ小学生じゃん!!てゆーか最上級生じゃないのに委員長ってすごいね!お兄さん褒めちゃうわ!」
言いながらもこの長生きエルフさんたちにとって10歳も12歳も大して変わらないのでは?とか思えば詳細な年齢の曖昧さは問うたところで意味はないのかもしれないと、むしろ彼らからすれば小学生も20歳も同じようなものなのかもしれないと、キヨラと目が合うと同じようなことを思ったのか、小さく困ったような視線交わす。
「で、それでその子どうなったの?」
「少しの間共に歩んださ。しかし短命種の成長は早くてね。共に生きるには流れる時間が違ったんだ……」
またも寂しそうな目は、せいぜい生きて百年程度の俺たちに言える事ではないとなしを変えることにする。
「そっか……その子はどうやって来たとか言ってた?」
「確か友人と遊んでいたら突然魔法陣らしきものが現れ、そこに吸い込まれて何が何だかわからないと暴れていたら突然森に落ちたとかなんとか……」
「『暴れたから』か」
魔法陣てことはやはりその子も召喚されたのか、それでも暴れたことで座標と違う位置に現れたのか、それとも俺たちとは何かが違ったのか……?
いくら考えてもきっと彼はもう空へと旅立っているのだろうし、これ以上の答えは出そうにないのだろうと口を噤んだ。
「ま、そんな感じで私たちは短い期間は3人で旅をして、コータは途中でヒトと出会いヒト里で暮らし、デルと私はそのまま旅をして、新たな鉱山を見つけたり、魔力の道を理解したり、共に有意義な旅だったさ」
「……【魔力の道】って、なんですの?」
キヨラの質問に隣で気になると頷けば、カエストロさんはその場で指でクルリとキヨラの身体をなぞるように空に描く。
「エルフもヒトも、ドワーフも、生き物は魔力は身体をこう満遍なく巡っているのさ。まるで血のようにね」
笑って説明をしながら、今度は俺の方を見ると、その指でまた空に描き始めるが、
「でもそこの彼は半分くらいしか巡ってないみたいなのさ」
その俺をなぞって描かれた絵は、半身のみしか描かれなかった。





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