や、ヤホー……⭐︎
***
「ふんふんっ!なるほど!!こうして鉄を叩くことで不純物を出して……君たちは凄いな!!」
「おいデルロック。エルフを連れてくるな」
鍛冶場で楽しそうに覗き込むカエストロに、ドワーフの鍛治職人は眉を顰める。それを連れて来たデルロックに文句を言うが、当のカエストロは寸足らずな作業着に綺麗な銀髪をひとつに結び纏めると、気にした様子もなく作業場の職人達の手元を覗き込んでいる。
「みんな悪ぃな。このエルフはカエストロっつーんだけど、毎日毎日ここが見たいの一点張りでな。悪い奴じゃねぇことはオレッチが保証するから、今日だけは見逃してくれ」
「デル! 今日だけじゃないぞ!! 私は暫くここに通うつもりだ!」
「はぁ!?話が違ぇ!!」
デルロックが文句を言うが、カエストロは両手を広げて語り始めた。
「仕方ないだろう。見ろ! 彼等の手捌きを!! 神がかるほどにその技術は洗練され、刀身は美しくなってゆく。この窯で室内は燻されるほどに暑い中、こうして止まらず動き続ける体力はドワーフあってのことだ!! 慣れないエルフならばすぐに倒れてしまうだろう! そうだ!つまりこれは君たちドワーフだから出来る仕事!! 素晴らしいじゃないか!これを見れるのに家にいろ!? 否! 私は見たい!!」
「カエ、お前なぁ……」
デルロックがカエストロの前に周り止めに入れば背後から肩を叩かれた。
「まぁまぁデルロック。エルフのニイちゃん、仕方ねぇな……少しだけだぞ!」
「そりゃぁここまで言われたなら仕方ねぇことだ。へへっ、デルロックもそう頑なに断んなくてもいいだろう」
明らかに絆されたドワーフ達にデルロックは「お前ら……」と呆れ顔になるが、カエストロは嬉しそうに「ありがとう!」と声高らかに告げるが、「しかし熱くて今日はここまでのようだ」と笑顔のまま倒れるのを、デルロックは慌てて支えてから引き摺るように連れて出て行った。
しかしそこから本当に懲りもせず毎日毎日倒れるまで通うカエストロに職人だけでなく、ドワーフ達が心を開くのに、そう長くは掛からなかった。
ーーーそして三年ほど過ぎた頃、カエストロはデルを連れて突然旅にでると言って、そのまま帰ってこなかった。
*****
ーーーそこで突然にデックスの話は止まった。
「……え? まさかの終わり!!? ならそのエルフ、結局いなくなっちゃったの!? 村長がここに居るって言ったエルフ、結局いなくなっちゃった!?」
「ん〜⭐︎ここにいるよぉ〜! 何何?? 私のことお呼び?」
俺が慌てて聞けば、突然背後から聞こえた声に驚きそちらを向くと、そりゃもう性別をも超越するほど綺麗な超ロン毛な銀髪の男性が立っていた。
「ヤホー⭐︎ 私がカエストロです!」
「や、ヤホー……⭐︎」
手を上げて人差し指と親指でハートのポーズを取って挨拶するそのカエストロに、こちらも背中をテーブルにぶつけながらも同じポーズで挨拶をすれば、なんだか嬉しそうに笑ってくれた。





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