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ちょっと私がさあ、本気でサンダーストーム撃ったら脳が破壊されたんだが(笑)  作者: 熾火慎之助
第四章「風の園」

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第四章「風の園」1

ヒカリが若者達を率いて風の園に向かい、周辺にある里に入る直前に、魔法使いらしき者が駆け寄ってきた。


「あなたは雷の賢者様ですか!?助けてください!」


「どうしたんだ?そんなに慌てて」


「風の賢者スズ様が賢者狩りに捕らえられ、風の園が奴らに奪われてしまいました!」


「何だって!?」

ヒカリは信じられなかった。


スズという賢者は一番若く、少々頼りない性格だが、魔法の実力は本物である。


賢者狩りなどに負けるはずはなかった。


「ついさっきスズ様が賢者狩りの本拠地へ移送されて行きました!追いかければまだ間に合います!」


「わかった!必ず救い出す!」

そう言ってすぐに行動しようとしたヒカリを魔法使いは引き留めた。


「ちょっと待ってください!もう一つ問題があります!実は重症を負ったアズサ様が風の園に匿っているのです!」


「何ッ!?あのアズサもいて風の園を賢者狩りに取られたのか!?」


「いえ、賢者狩りの襲撃前にエブリシングという者と戦ったらしく、瀕死の状態のアズサ様を我々が見つけたのです」


(エブリシング・・・)

前に会った時、アズサはエブリシングに気をつけろとヒカリに忠告していた。


ヒカリは七魔雄のマンティスとシャドウクラブを破ったが、アズサであれば苦戦はしないだろう。


つまり、同じ魔雄であっても実力に差があるのだ。


「アズサ様は今、風の園で身動きが取れない状態になっています」


「どうするかな・・・」


「それならば我々が移送隊を追いましょう」

ここで初めて若者の1人アオナが声を上げた。


「ありがたいけど。大丈夫か?」


「私も少々魔法を使うことができます。足止めくらいはできるでしょう。ヒカリ先生とレツは風の園を奪還してください」


「それはいい!行きましょうや、ヒカリ先生!」

レツが調子よく言う。


「なんでこいつだけ連れていくんだよ」


「心配しないでください。レツもこう見えて使えますから」

アオナはくすっと笑った。


「そっちの心配じゃないんだが・・・」

ヒカリはアオナの戦力の方を気にしている。


「考えている暇はありません!すぐに出ます!」

そう言ってアオナは十数人の若者達を連れて、移送隊を追った。


「私ももちろんお供します。申し遅れましたが私のことは、ランとお呼びください」


ヒカリとジム、レツ、ランは急いで風の園に向かった。


風の園、至る所に色とりどりの果実が実り、まるでこの世の天国のようだったが、今は荒らされている。


「見る影もないな・・・」

ジムは呟いた。


風の園の中にある城の前に着くと、ランはその城門ではなく、脇にある抜け道の方向を指差した。


「こちらに抜け道があります!」


「いや、時間がない。門をぶち抜く」

ヒカリが先行して手槍を構えると青白い光を放つ。


「何ッ!?」

門番が声を上げたがもう遅かった。


「ブレイクスティンガー!」

ヒカリの刺突が門を突き破り、その激しい雷の勢いのまま、十数人の兵を吹き飛ばしていく。


そして、それを見ていたレツも目を輝かせて剣を鞘から抜き同じように構えた。


「さすがですね!こうですか?」

そう言ったレツの剣が光を帯びている。


レツの放った模倣ブレイクスティンガーが数人の兵を貫き、殺到してきた数人を感電させた。


「お前・・・やるじゃないか」

ヒカリは絶句しながら、レツを見て言った。


「ふふ・・・」


ヒカリとレツはそのまま場内に侵入して暴れ回り、ついにここを占拠した賢者狩りの将がいる間に突入した。


「俺は賢者狩りの幹部<ショウリョウビ>。雷の賢者、貴様を殺す!」

そう言った鎧を身に纏うショウリョウビの巨体がヒカリ達に迫ってくる。


「黙れ」

しかし、レツがそう言って手をかざすと、ショウリョウビが感電し、即座に剣で首を刎ねてしまった。


ショウリョウビが倒されたことで手下の兵達は慌てて逃げていく。


「レツ、ここの守りは任せた」


「はい!」


ヒカリとランはレツを残して、アズサの隠れているであろう城の地下に向かった。


地下には隠し部屋があり、その中にはベッドに寝かされているアズサと看護している魔法使いがいる。


「アズサの様子は?」


「それが、怪我の方は治療しましたが、意識が戻らず・・・」


「アズサ・・・」

ヒカリが血の気の引いた顔で眠っているアズサを見た。


ヒカリとアズサは修行時代から共にライバル関係にあったが、5年前の七魔雄との戦闘以前は2人の関係は良好だったのである。


「アズサのことはスズを救出してから迎えに戻る。君達はレツと協力してここを死守してくれ」


「わかりました。スズ様を頼みます」

ランともう1人の魔法使いは頭を下げ、部屋を出ていくヒカリを見送った。


「まずいことになったな。アズサがあの状態なら、スズを救い出しても4人だ」

ジムが言う。


賢者が5人いなければ、魔王を封印できない。

ならば、金の賢者を探さなければならないだろう。


そしてもし、スズを救い出せなければ・・・


「頭痛の種が増えるな・・・」

ヒカリはそう呟くと、アオナや移送隊に追いつくため荒野を駆け抜けていった。

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