54話
愚弟は、最近ビールを飲めるようになりました。小説と全然関係ないんですけど、誰かに自慢したくなった今日この頃。と言うわけで本編どうぞ!
「何やってんすか‥‥」
「ん?おおっ、もう来たんだね!リンク君は、魔法が使えなくても問題ないから出て行っていいぞ!」
「いや、それはヤバいだろ!!!」
はっ!ついツッコんでしまった!
「良いツッコミだね〜でも、魔法が使えないだろ?全てを無に帰す一撃でも見たいな〜って思ったんだけど、流石にあの威力を此処でやるのはマズイし」
「ぐぅ‥‥」
正論すぎて何も言えないっ!魔法は使えるけど、学園では死んでも使わん!
「そう言う事ならもう出ますからね」
「ご苦労だったね!なんもしていないけど!」
「ぢぐじょぉぉぉぉ!!!」
煽りやがってぇぇ!!!いつか覚えとけ!俺は内心で毒づきながら、靄を出た。俺が直ぐに出たせいか、クラスメイトがザワザワしていた。
「おい、無能がもう出てきたぞ」
「魔法が使えない癖に」
「でも、エンシェントドラゴンを倒したのはアイツなんだろ?」
「どうせ、シュウさんがトドメを刺したのに、自分がやったかのように話を広めたんだろ」
「チッ、童貞が‥‥」
う〜ん、初めての序列戦で圧勝したけどまだまだ評価は上がらないか。あと一番最後に喋った奴誰だ!?許さねえし何で知ってんだよ!!
「ハハッ、随分人気だね」
「ハオ‥‥全然嬉しくねえけどな」
「それよりも、いくらなんでも早すぎないかい?」
「入っただけで大丈夫にされた」
「えっ!?」
ハオが驚きの声を上げると、クラスメイトが一斉に視線をこちらに向けた。
「ちょっ、声が大きい!」
「ごめんっ、ってリンクも大きいよ!」
「わ、悪いって言うと思ったか!俺は良いんだよ!」
「り、理不尽すぎる‥‥‥」
だって、最初に声を大きくしたのはハオだし‥‥俺は絶対謝らん!あっ、ハオの空間魔法で試したい事があるんだった。
「ハオ、ちょっと空間魔法で実験して良いか?」
「良いけど、何をするんだい?」
「後で教えるよ、ちょっと離れようぜ」
俺とハオは、クラスメイトから少し離れた場所に着いた。
「何をするのか早く教えてくれよ」
「おう、俺の語彙力じゃ説明できないから、まずは空間内操作発動させてくれ」
「はぁ‥‥変なことはしないでね、空間内操作」
俺とハオの目の前と、ちょっと離れた位置に魔法陣が現れる。
「開封」
俺は直ぐに、反響の剣を出した。めちゃくちゃ久しぶりに使ったな。ちゃんと健の稽古もしないとな〜。
「その剣を使うのかい?」
「ああ」
俺は剣を魔法陣に刺すと、先っぽがもう片方の魔法陣から出てきた。
「ハオ、この状態で魔法を消すとどうなるんだ?剣は保存されるのか?それとも剣が折れるのか?」
俺の腕で試しても良かったんだが、万が一があるからな。
「なるほど、考えた事がなかったな‥‥じゃあ今から解除するね」
ハオが魔法陣を解除したその時。
「おわっ!」
ゴキィッ!
「痛えぇぇ!!」
「リンク!?」
魔法陣が消えると共に、剣が勢いよく戻された。そんな事を想定していなかった為、俺は力を入れていなかったせいで剣の勢いを殺せず、右肩の骨が外れた。
ハオは心配そうに、綺麗な紅色の瞳を覗かせていた。イオナとハオの瞳の色は、ベニちゃんの色に近いな〜あっ、今はそんな場合じゃなかったな。
「だ、大丈夫だ。ふんっ!」
ゴキッ!!俺は外れた骨を無理矢理戻した。
ふぅ、痛かった‥‥物を魔法陣に入れてある状態で、空間内操作を解除すると反発されて戻ってくるのか。また知識がついたな。
「リンクって、やっぱり脳筋だよね」
「はぁ?どこがだよ」
「いや、何でもない‥‥」
あっ、そう言えば学園長にアル様の件とか言っておいた方が良いかな。一応バース家の奴が教師をしてるんだし。
「なあなあ。ハオの空間魔法は、大体どれくらいの距離まで使えるんだ?」
「う〜ん。調子が良い時で100メートルから200メートル位かな」
ここから学園長の部屋まで、大体200メートル位か。そんなに長く話さないし、まだクラスメイト全員の実技が終わってないから少しくらいなら大丈夫か。
「ちょっと学園長の部屋まで、空間内操作魔法陣を繋いでくんね?」
「何をするんだい?」
「少し話したい事が有ってな。そんなに時間は取らないから、お願いしたいんだが」
「そう言う事なら大丈夫かな‥‥空間内操作」
「サンキュー!」
俺は、目の前に現れた魔法陣に顔を入れた。
パシャ!パシャパシャッ!
「うむ。今は面白い魔道具が沢山あるな!案外悪くない!」
一瞬視界が真っ白になったが、視界が戻ったら、目の前には魔道具の記録保存機で自身を撮っている学園長がいた。
もう一度言うが、記録保存機で自身を撮っている学園長がいた。
「へっ?」
「ほぇ?」
やっべ、変な声出ちゃった。しかもバッチリ目が合ってるし‥‥‥。
「‥‥‥」
「‥‥‥」
学園長の部屋は、机から頭が出ている俺と、記録保存機を自身に向けたまま固まっている学園長が、何も喋らずに見つめ合っているシュールな光景となっていた。
「な‥‥何で‥‥」
数秒後、学園長は硬直が解けたのか喋り始めた。マズイな、早く撤退しないと。
「ちょっと話したい事が有ったんですけど、また今度にしますね!では!」
「まっーー」
俺は急いで、魔法陣から頭を抜く。
「思ったより早かったね。何を喋っていたんだい?」
「そ、それどころじゃねぇ!早く魔法を解くんだ!死にてえのか!!!」
「えっ、え〜?」
「早く!!」
「わ、わかったよ‥‥」
ハオは渋々魔法を解除する。あ、危なかった‥‥魔法は正しく使わないとダメだな。これからは気をつけよう。
‥‥と思った瞬間に、リンクとハオの周りが魔法陣で埋め尽くされる。
「な、何が起きているの!?」
「くっ!学園長の仕業だ!」
「本当に何をしたんだい!?」
「学園長が記録保存機で自分を撮っていた!」
「えっ‥‥」
「これでお前も共犯だな!ざまあみやがれ!」
「それは酷いよ!元といえばリンクが言い出した事じゃないか!」
「ハッハッハ!!それに協力したお前もお前だ!怒られる時はお前も一緒だ!」
「なんて奴だ!」
そう言いつつも、俺は動の魔力で学園長の魔法陣を消しまくる。
「ちょっ!僕の周りも消してくれよ!」
「‥‥チッ、しゃーねえな!」
「なんで嫌そうなの!?」
それにしても、学園長は何で俺の場所がわかったんだ?
ーーーやる!ーーーー
‥‥ん?何か声が聞こえてくる。何処からだ?俺は魔法陣を消しつつ、耳を澄ませると、魔法陣から声が聞こえてくるのがわかった。
『あの小僧ぅぅぅ!!!許さん!ぶち殺してやる!!!!』
ヒョェェ!めちゃくちゃ怒ってらっしゃる!はっ、まさかハオの空間内操作の魔法陣から、聞こえてきた音で場所を判断したのか!?化け物め!
「ハオ!」
「こんな時にどうしたの!?」
「空間魔法の魔法陣は、空間が繋がっているから、魔法陣の先の音が聞こえるぞ!」
「何でわかったんだい!」
俺が消しきれない魔法陣を避けながら、器用に返事をするハオ。息切れもしてないなんてやるな。
「ちゃんと集中して聞けば、学園長の怒り狂った声が聞こえてきた!多分俺の場所がバレたのも、ハオの空間内操作から聞こえてきた音で判断したんだ!」
「なるほど!て言うか、あんな離れた場所からこんなに空間魔法を使ってくるなんて化け物じゃないか!大人しく自撮りをしていて欲しいよ!」
「同感だ!あとこの会話も聞こえているぞ!」
「あっ‥‥」
『ハオ・クォーツゥゥ!!!』
「ひいっ!」
今度の声は、ハオも聞こえたみたいだな。俺とハオが騒いでいるのに気づいたのか、クラスメイト達が面白い物を見る目で俺達を見ていた。
「ハオ様と無能は何をやっているんだ?」
「めっちゃ魔法陣が出てるんだけど‥‥」
「あの辺り眩しいね〜」
「魔法陣が光って芸術的〜綺麗だね〜」
見せもんじゃねえぞコラァ!!!覚えてやがれ!
魔法の実技が終わるまで、俺とハオと学園長の死闘は続いた。なお、俺達が修練場を離れても空間魔法の魔法陣は出続け、修練場の一部はピカピカ光っていた。
ふぅ、これで残りの授業も平和だな。
あとは作戦会議だが、気を引き締めて行かないとな。相手は騎士団の団長‥‥油断して挑んだら死ぬ。まあ、俺が戦うって決まったわけじゃないけどな。
学園の授業が終わった後、作戦会議をする前にノットに呼ばれて、しこたま怒られたリンクとハオとシュウであった。




