41話
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「すいません、学園でクルト・バースにちょっかいをかけられてるんで、何か情報を掴んだら俺か学園長のノット・アーチに教えてくれませんか」
カードは多い方が良いからな‥‥それにしても何をしているんだ?
「そうですか。リンク君の役に立てるなら喜んで協力しますよ」
マナさんは優しく微笑んだ。
き、綺麗だ‥‥そして優しい。周りの人達で1番まともかもしれない。
「あ、ありがとうございます」
「ふふっ、話していたら時間が過ぎるのが早いですね。ここが図書室ですよ」
もう図書室に着いたのか、マナさんともう少し話したかったな。それにしても、やっぱりここも大きいな。流石、王族の城。
「マナさん、本当にありがとうございます」
「いえいえ、何かあったら図書室にいるので気軽に呼んでくださいね」
ペコリとお辞儀をして、マナさんは去っていった。
さて、俺も本を探すか〜。俺が探そうとしている本は、昔の魔法に関する本と、モンスターの生態が書いてある本だ。
もしかしたら動の魔力を使った魔法があるかもしれないのと、エンシェントドラゴンの時のようなトラブルが起きないように、珍しいモンスターも頭に入れたいためだ。
「魔法に関する本は‥‥ここら辺か」
沢山あるな〜おっ、闇属性の極意か。学園長が空間魔法を使ってたから興味があったんだよな〜先にこれを読むか。
「空間魔法は闇属性の派生。影魔法をある程度使えるようになると、空間魔法を習得しやすい‥‥か」
影魔法といえばハオだよな〜影の中に入ったりしてたし、もう少しで空間魔法ができるかもな。今度教えてもらうか。
「へ〜封印魔法も闇属性だったのか。アリスと師匠が使ってるとこしか見てないから、勝手に雷属性らへんだと思ってたんだけどな‥‥はっ!良い使い方を思いついたから、帰ったらアリスに報告しよっと」
ん?従魔魔法‥‥聞いたことがないな。
洗脳に近く、基本はモンスターを飼うために使われていた。特殊変異、又は凶暴化をさせる事も可能で、精神魔法の応用か‥‥要注意だな。
「闇属性はこの辺で良いか。他には‥‥」
‥‥‥一冊だけ古びた本があるな。
古びた本を取ると、禁術魔法としか書かれていない、シンプルな表紙の本だった。
これは見ちゃいけないやつか?でも、本棚に置いてあるって事は大丈夫なのかな。
本を開くと、とんでもない魔法について書かれていた。
「そ、蘇生魔法!?1人1回まで使えるのか‥‥傷は治らないが魂を呼び戻し、細胞を全盛期の頃に戻す。その代償として、術者の全寿命が失われる‥‥さっきの従魔魔法と組み合わせたら大変なことになるんじゃ‥‥ん?この魔法は‥‥」
「何を見てるんですか?」
「っ!?」
振り向くとマナさんの顔が近くにあった。集中しすぎて全然気づかなかったな‥‥
「え〜っと、禁術魔法についての本を‥‥」
「禁術魔法!?何故その本がここに!読んではいけません!」
「ご、ごめんなさい‥‥てっきり大丈夫なのかと」
本をマナさんに取られてしまった。
やっぱりダメだったのか‥‥それに、ここにあったらマズイ本らしいな。誰かが持ち込んだとか?
「そんなに大声を出すなんて珍しいですね。どうしましたか?」
「え?」
声のした方を向くと、マナさんがいた。
え!?マナさんが2人いる!?何で!?
「え、え!?何でマナさんが2人に?え?」
「驚かせてしまいましたね。何かを調べる時は、分裂魔法で自分を増やしているんです」
「こうした方が早く調べ物が終わるので」
ほぇ〜魔法って想像以上に便利だな。
「1人に戻れるんですか?」
「「ええ。っ!」」
セリフが被ったのが恥ずかしかったのか、マナさんは頬を赤らめて俯く。
流石同一人物、息がピッタリだな。頬を赤らめるマナさんなんてレアじゃないか?
「ゴホンッ。魔法を解除すれば1人に戻り、記憶が複合されるので問題ありません」
「それよりも、この本は預からせて頂きます。これ意外なら問題は無いのでごゆっくり。マナ、話があるの」
「それはっ!‥‥わかったわ。あっちで話しましょう?」
「「リンク君、それでは。っ!」」
顔が真っ赤になりながら、マナさんは去って行った。
最後まで息ピッタリ。自分同士だと口調が砕けるんだな。良い情報を知った。
「はぁ、驚きすぎてさっきまで見たのを全部忘れそうだ‥‥」
他の本を探すか〜魔法の本はもう良いな。次はモンスター系だな。
「モンスターの生態・スライム編か。ルンちゃんについて書かれてあるかな〜」
ペラペラとページを捲っても、スライムの変異先や特徴などの基本的なことしか書いていなかった為、諦めて他の本を探す事にした。
「中々良さそうな本がないな〜そろそろ良い時間だし帰るか」
マナさんにひとこと言ってから帰ろうと思い、先程マナさんが去って行った方向に行くと、マナさん達が話し合っていた。
話し合いを中断させるのも悪いし、終わるのを待つか。
「取り敢えずこの本の件は王様に報告ね」
「そうね、それじゃあ1人に戻りましょうか」
え!?今から1人に戻るの?どうやって戻るのかちょっと気になる‥‥
本棚の隙間から、マナさん達を覗く。
誰かに見られたら、絶対誤解されるな‥‥誤解ではないんだけども。
「「解除」」
詠唱と共に、マナさんが抱き合うようにくっついた。なんか見ちゃいけないものを見てる気がする‥‥
「んっ、あぁ」
「あっ、はぁん」
だ、ダメだ。これ以上は罪悪感が凄い。
俺は覗くのを辞めて、耳を塞いだ。
俺は何も見ていないし、何も聞いてない。‥‥‥次から気をつけよう。
そろそろ終わったと思い、マナさんの方を見ると1人に戻っていた。もう大丈夫そうだな。
「ハァッ‥‥ハァ」
「マナさん、突然すみません。そろそろ帰りますね」
「え!?あっ、わ、わかりました。気をつけて帰ってくださいね」
「今日はありがとうございました。失礼します」
ふぅ、若干話しかけるタイミングが早かったな。早く帰ってルンちゃんと遊びたいな。それに、あの魔法も試したいしな。
リンクが去って、マナは呟いた。
「み、見られてないわよね?見られてたら恥ずかしすぎて死ねるわ‥‥はぁ、早く報告に行かなきゃ‥‥」
リンクに見られていたのに気づかずに、マナも図書室を去った。
ヒューーーーー
場所は変わり、リンクが全てを無に帰す一撃を射った遥か空。全てを無に帰す一撃により空間が割れ、ヒビが大きくなっていた。
ピキッピキピキッ
「よいしょっと、エアウォーク」
大きくなった空間の割れ目から、ピンク色の髪の男が出てきた。
男は、今にも倒れそうなほど顔が白く、痩せ細っていた。男は風魔法で空を歩き始める。
「あ〜数百年振りに外に出たよ。外に出られるなんて夢にも思わなかったな」
男は空を歩きながら、街を眺める。
「賑やかで良い国になったな〜僕の頃とは全然違う。子供達が無事に国を発展させてくれたんだね」
男は少し悲しげに微笑んだ。
「できれば僕が国を引っ張って行けたら良かったんだけどね、ちょっと申し訳ないかな‥‥さて、バース家を潰す準備をしようか‥‥」
男は空を歩き続ける。己の復讐心を満たす準備をするために。己が作った国を守るために。
雲ひとつない空は、発展した国を見た男の喜びを表しているのか、それとも復讐できる嬉しさを表しているのか、あるいはその両方なのか‥‥
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