40話
「龍の里ですか‥‥?」
「うむ、エンシェントドラゴンの討伐の剣でな。実は討伐したエンシェントドラゴンは反逆者、かつ王の息子だったのだ」
「え!?息子ですか!?」
かなりマズくないか?反逆者とはいえ、ドラゴン族の王の息子を殺めてしまった‥‥
「心配するな。殺めてしまったのは気にしていないそうだ。討伐のお礼と、息子の話が聞きたいそうでな。時間がある時に教えてくれと言っていた」
よ、良かった〜流石にドラゴン族が一斉に襲って来たら生きてられる自信がなかったからな‥‥
「連絡の手段が無いのですが」
「それなら、連絡用の魔道具を貰った。これだ」
そう言い、王様はやや透明な、白い輝石を渡して来た。うっすらと龍の顔に見える紋章が彫られてある。
「ありがとうございます。これが連絡用の魔道具ですか‥‥」
「魔力を通せば、あっちから遣いが来るそうだ。時間が空く、当日に使えば良い」
「なるほど‥‥招待されたのは自分だけなのですか?」
「ああ、実は遥か上空でドラゴン族の追っ手が戦いを見守っていたらしくてな。最後にトドメを刺した魔法に、大変興味を持ったらしい」
全てを無に帰す一撃は魔法じゃないんだけどな。ってか戦いを見てたなら協力してくれても良かったんじゃ‥‥
「なるほど、わかりました。話はこれで終わりでしょうか」
「いや、後一つだけ話がある」
後一つか‥‥他に心当たりが無いぞ‥‥
「どうやらイオナが、貴殿のことを好いておるようだか2人はどう言った関係だ?」
ここでイオナの話かぁぁぁ。ぐっ‥‥ドラゴン族の話の時より顔が険しいっ‥‥!
「ただの友人です。イオナ様もハオ様には、日頃お世話になっております」
「ほう、ただの友人の割には貴殿の話が殆どだったし、ワシには滅多に見せない笑顔が多かったんだが‥‥えぇ?」
大人気ないな!ただの嫉妬じゃねえか!
「き、気のせいじゃないですか?」
「なわけあるか!小僧が!ぐぉぉぉ可愛いイオナちゃんが毒されてしまう!」
このグーダラジジイ、本性を表しやがったな!しかも、イオナのことをちゃん付けで呼んでんのかよ‥‥
「いや、本当にただの友達ですって。イオナが笑顔だったのは、俺の全てを無に帰す一撃って技が珍しかったからじゃ無いですかね?あと初めての友達だったってのもあると思うんですが」
「いや、絶対に違う!ワシの目は誤魔化せんぞ!」
「違わないですって!」
「リンク・ノイズ!イオナちゃんを泣かせたら処すからな‥‥」
声のトーンが本気だ‥‥それにしても話を聞かないな‥‥
「そういう関係じゃ無いんですけど‥‥わかりました」
「ふんっ、話は以上だ。帰っていいぞ」
「失礼します」
部屋から出て、扉を閉めるまでずっと睨んでたな。変な人に目をつけられちゃったな〜
ふと、前を見るとユースさんを除いた皆が待っていた。わざわざ待ってたのか、ユースさんは門番の仕事に戻ったのか?
「まだいたのか」
「おっ!やっと出てきたな、俺にも全てを無に帰す一撃を見せてくれよ!」
「私も見たい!ダメかな?」
「全然良いぞ。外に行くか〜」
「サンキュー!」
「やったー!リン君大好き!」
「え!?」
今なんて言った!?だ、大好きだと?
「ちょ、ちょっと!何言ってるんですか!」
「え?」
「え?じゃないです!リン君もデレデレしないの!」
「ご、ごめん。へへっ」
「リン君‥‥?」
ひぃっ!久しぶりにアリスからハイライトが消えた‥‥俺は悪く無いと思うんだけど‥‥
「すんません‥‥」
「おーい、早く行こうぜ〜」
「そ、そうだな!早く行こうか!」
「私と兄さんは部屋に戻ってるので、何かあったら城の人に聞いてください」
「またね〜」
クォーツ兄妹と別れ、俺達は模擬戦で使った訓練所にきた。
「んじゃあやるぞ〜全てを無に帰す一撃!」
今日だけで10回ぐらい全てを無に帰す一撃をやったが、魔蔵の方は問題なさそうだな。
「お〜!それが全てを無に帰す一撃か!いつもより魔力が見やすいな!」
「魔力が良く練られてる‥‥それに形状変化でこんなに大きい弓を作れるなんて‥‥」
「フッ!」
ビュンッ!!ーーーーーーピキッ
全てを無に帰す一撃は空に向かって放たれた。その時何かに当たり、割れた音がしたがリンク達にはその音が届かなかった。
空に向かって全てを無に帰す一撃を射ったが、雲が無かったからわかりづらいか?
「はっや‥‥」
「これなら、エンシェントドラゴンを倒せたのも納得できるよ‥‥」
「見えてたんだな。まだまだ課題があるけどな」
「俺も負けてらんねえな‥‥そうだ、夏季休校が終わって、直ぐに俺の序列戦をやるから良かったら見に来てくれよ」
「ん?そりゃあ見に行くけど、個人の序列戦はやらないって言ってなかったか?」
「ああ、エンシェントドラゴンと戦って気が変わった。もっと多くの人と戦って経験を積みたいって思ってな」
「それで私に特訓を頼んだんだもんね〜」
「贅沢な奴め‥‥勝てよ」
「任せろ!相手は2年だけど、絶対勝つ!」
2年か‥‥200位以上は確定だな。
「それじゃあ、私達は特訓を再開しよっか!」
「おう!じゃあな、また会おうぜ!」
「おう、特訓頑張れよ〜」
「またねポッセ君、クララさん」
ジュン達と別れたが、少し歩いた後に図書室に行こうとしていたのを思い出した。
「アリス、俺は図書室に行くから先に帰ってて良いぞ」
「そっか‥‥別れる前にリン君成分を補充させてっ」
そう言い、アリスが抱きついて来た。リン君成分ってなんだ?
抱きつくこと数分、アリスは満足したのか俺から離れた。
「ん〜、ありがと!またね!」
「お〜じゃあな〜」
さて、肝心なことを忘れてたな。図書室までの道がわからん。適当に歩いてれば着くかな。
ーーーー数分後ーーーー
「ま、迷った‥‥ここはどこだ?」
俺は適当に歩いた結果、迷子になってしまった。この城、広すぎだろ‥‥。
誰かいないかな‥‥おっ、あの青い髪は!
「すいませーん!」
「貴方は‥‥確か、リンク・ノイズ君でしたっけ?どうしました?」
たまたま見つけたのは、極光の騎士団副団長、マナ・サイフォンさんだった。
俺の事を覚えててくれたなんてっ!
はっ!今は図書室に行かないと。
「実は図書室に行こうとしたら、道に迷ってしまって‥‥良かったら道を教えて欲しいんですが」
「なるほど、私も図書室に用事があるので一緒に行きましょう」
「は、はい!」
マナさんと図書室に行くため、一緒に歩いているがいい匂いがする‥‥何で女性ってこんなにいい匂いがするんだろうな‥‥
「そういえば、エンシェントドラゴンを倒したらしいですね。ありがとうございます」
「い、いや!マナさんがお礼を言う事じゃないですよ!」
「いや、本来なら騎士団の役目です。なのに、学生の貴方とポッセ君を頼ってしまった。申し訳ないです‥‥」
マナさんが少しショボンとした。感情が読みづらい人だと思っていたが、気のせいだったみたいだな。めちゃくちゃ可愛い。
「いや、クララさんとシュウさんに沢山助けられたので大丈夫ですよ」
「そう言ってくれると嬉しいです。何かあったら、極光の騎士団を頼ってくださいね」
「わかりました。ところで、マナさんは何か調べたいことでも有ったんですか?」
「ええ。最近、バース家が怪しい動きをしているのでその調査をしようかと」
「バース家‥‥学園の教師にクルト・バースっているんですけど、そのバース家ですか?」
「ええ、そのバース家であってます」
マジか‥‥こんな所でもアイツの名前が出てくるのか。
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