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38話

遅れてすみません!

 イオナとハオは、ユースに自分達より先に全てを無に帰す一撃(オールロスト)を見られて拗ねていた。


「ちょっ、全てを無に帰す一撃(オールロスト)を見せるから機嫌を直してくれよ‥‥」


全てを無に帰す一撃(オールロスト)を見せるのと、夏季休校中にお出かけで手を打ちましょう」


「同じく」


「私も!」


 えっ、アリスも?まぁ良いけど‥‥


「わかった。じゃあ今からやるぞ」


「はい!」


「楽しみだな〜」


 俺は全てを無に帰す一撃(オールロスト)を展開した。


「解除変化の攻撃なんですね。スムーズだし、魔力がよく練られている‥‥」


「凄いな‥‥」


「でしょ〜」


 何故アリスがドヤ顔をするんだ?そこは俺じゃないのか?


「的はハオの部屋で良いか?」


全てを無に帰す一撃(オールロスト)を見れるなら大丈夫です!あそこら辺を狙えば良いですよ、この時間帯なら誰も通りません!」


 イオナは城の上ら辺を指差す。

 どんだけ全てを無に帰す一撃(オールロスト)を見たいんだよ‥‥兄の部屋だぞ?


「いや、ダメだよ!何を考えているんだい!?」


「冗談に決まってんだろ?空に向けて射つよ」


「冗談ですか‥‥」


「えっ?イ、イオナ?僕、何かやったかい‥‥?」


 ハオが戸惑っているがいい気味だ。俺はクォーツ兄妹を無視して全てを無に帰す一撃(オールロスト)を空に向ける。


「いくぞ〜ハッ!」


 全てを無に帰す一撃(オールロスト)は一瞬で雲に届き、雲を綺麗に割った。

 いや〜いつ見ても爽快だな。


「あんな遠くに一瞬で‥‥」


「想像以上だ‥‥‥」


「でしょでしょ〜!」


 ぐっ‥‥またドヤ顔を‥‥俺はツッコミなんてしないぞ!


「ですよね!全てを無に帰す一撃(オールロスト)は凄いでしょう!」


「いや、あんたもドヤ顔をするんかい!!普通は俺だろ!」


 ハッ!ユースさんが、ドヤ顔をすると思わなくてついやってしまった‥‥


「私がツッコまれたかったのに‥‥」


「いや〜俺も混ざりたくてね。初めてツッコミなんて貰ったよ。新鮮だな〜」


 そりゃあ、ユースさんみたいな怖い顔の人にツッコミなんて出来るわけないだろ‥‥しちゃったけども‥‥


「私も今の流れをやってみたかったです‥‥」


「仲が良いね‥‥」


 はっ!このままだと、またクォーツ兄妹が拗ねてしまう!流れを変えなければ!


「そ、そうだ!今日は突然来ちゃってごめんな!前に呼ばれたから、その日を決めようと思って!」


「あ〜そういえばそういう話だったね。今日で大丈夫だよ」


「えっ、王族って忙しいんじゃ‥‥」


 確かに‥‥アポも取らないで大丈夫なのか?


「心配いりませんわ。今の時期はあまり忙しくないので」


「そうなのか、ジュンとクララさんはどうするんだ?」


「ポッセ君なら、クララさんと別の場所で特訓しているから呼べば来るぞ」


 えっ!もう2人で特訓をしてるのか!羨ましい‥‥邪魔するしかねえな!


「すぐ呼びましょう!」


「リン君、急に元気になったね‥‥」


(もしかして、クララさんに会えるから元気になったのかな‥‥負けないんだから!)


「羨まs‥‥王族に呼ばれたからな!早く行かないとダメだろ?」


(今、絶対羨ましいって言いかけた!リン君ったら!)


「面倒臭いって言ってたのにな‥‥ハハッ」


「顔に出やすいですね‥‥」


「細かいことは良いんだよ!ユースさん、行きましょう!」


「ハッハッハ!リンク君は面白いな!」


 ユースさんに着いて行き、ちょっと離れた広場に着いた。

 そこには、ジュンが壁に向かってその後ろにボールを持ったクララさんがいた。

 何やってんだ?


「おーい!何やっt‥‥」


「えいっ!!!」


 俺が話しかけた瞬間に、クララさんが身体強化で壁にボールを投げつけた。

 あっ、ジュンが気づいた。


「おっ!リンk‥‥ブハァッ!!」


「えっ!リン君!?リンくーーん!やっほ〜」


「お、俺の心配は‥‥?」


 バッと振り向きこちらに来るクララさん。ジュン‥‥何かごめんな‥‥


「あっ!ユースさんもいたんだね!それにハオ君とイオナさん、アリスちゃんもこんにちは〜!」


「こんにちは、クララさん」


「クララさんはいつも元気ですね‥‥‥走り終わっても胸が揺れてる‥‥」


 あっ、イオナが死んだ目をしてる。いつか成長すると祈ってるよ‥‥


「ア、アハハ‥‥見てるこっちも元気がでるよね」


「どうも!」


 そう言ってアリスは俺の腕に抱きつく。何で抱きついたの?


「え、アリス?」


「あ〜!私もやる〜!」


 そう言い、クララさんは逆の腕に抱きつく。む、胸が!あっ‥‥!


「クララさんはダメです!」


「良いじゃん良いじゃん〜リン君とアリスちゃんは何で来たの?」


「あ〜前に呼ばれんだけど一回断ったんだ。でも思ったより用事が早く終わったから、次に来れる日を決めようと思ってな」


「あ〜なるほどね!今日なら呼ばれた人は皆いるし、王様も暇そうだったから丁度良いね!」


 えっ、王様に対してそんな事言って不敬にならないのか?結構緩いんだな。


「お〜い、俺を忘れないでくれ〜」


 ヨロヨロとジュンが歩いて来た。

 不意打ちで、クララさんの身体強化で投げたボールを、顔面に受けたのにもう回復したのか。


「よぉ、忘れてたわけじゃないぞ。何をやってたんだ?」


「それはだn‥‥」


「私が答えよおぅ!ポッセ君は壁を向く、そして私がボールを壁に向けて投げて、ポッセ君の反射神経を鋭くしていたの!あとさっきはごめんね!」


「お、おう‥‥」 


 流石にジュンが可哀想だよぉぉ!!


「ジュン‥‥後で何か奢ってやるよ‥‥」


「リンクゥゥ‥‥友達って暖かいなっ」


「さて、皆さんも揃った事ですしお父さんの所へいきましょうか」


「おっ!そうと決まれば早く行こうぜ!」


「ポッセも元気だね〜僕とイオナが案内するから着いて来てくれ」


「うーい」


 クォーツ兄妹とジュンは仲良く話しながら歩いているが、俺は地獄のようだった。

 クララさんはニコニコしているが、対照的にアリスは目のハイライトが消え、俺の腕に当たって潰れているクララさんの胸を凝視していた。

 心なしか威嚇しているようにも見える。もう嫌だ‥‥ユースさんはニコニコしながら見てるし、顔が怖いし‥‥


「着きましたよ!」


 イオナとハオの視線の先には数メートル程の大きな扉があった。

 えっ、扉大きすぎない?


「ほぇ〜でっかい扉だな〜」


「城ってやっぱり何でも大きいんだね‥‥」 


「ふふっ、アリスさん。それは違いますよ。大きいのはここの扉と本を取り扱っている図書室くらいです」


「そんなのがあるのか。国王様との話が終わったら見に行って良いか?」


「良いけど、リンクって本に興味があったんだね。意外だな」


 俺は一体どんなイメージなんだ?まあ許可を得たのは嬉しいな。気になる事がわかれば良いんだが‥‥


「勉強は大事だからな。ちょっと調べたいこともあるし」


「何を調べんだ?」


「まだ秘密だ」


「私には教えてくれる?」


「アリスも秘密だ。あまり言うような事じゃないしな」


「むぅ‥‥」


「そろそろ入るよ?」


 そう言い、ハオがノックをして扉を開けた。初めて王様に会うな‥‥緊張してきたぞ。


「失礼します」


 ギィィィ‥‥

 重たい扉を開けた先には、ピンク色の髪と髭を生やしたおじさんが椅子でグテーっとしていた。

 えっ、あれが王様?めっちゃダラけてない?


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