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35話

本日2話目です!案外、時間があれば1日で書けるものですね。よろしくお願いします!

 リンクの治療が終わり、数時間後。周りが暮色に包まれている時にリンクは目を覚ました。アリスは近くのベッドで寝ていた。


「‥‥ん。俺生きているのか、アリスは‥‥良かった、無事だったみたいだな」


 うん、この時はアリスが無事で安心したんだよな。次は師匠と話し合うんだったっけ?


「おっ、リンク。無事で何よりだ」


「師匠が助けてくれたの?」


「おう、助けにいったらお前の腹が空いてて冷やってしたぞ。アリスちゃんから大体の話は聞いてある。次から気をつけろ」


「ごめん‥‥」


「いや、リンク。お前は良くやった、よくアリスちゃんを庇ったな。偉いぞ」


「ありがとう‥‥」


「おう、それでアリスちゃんが寝ている間に話したいことがあるんだ」


「話って?」


 そうだ、俺はここで師匠に記憶をどうするか聞かれたんだ!


「お前の魔蔵が全部無くなってしまったから、俺が偽の魔蔵をお前に使った。その結果、多分今のお前は魔法が使えない」


「嘘でしょ‥‥シャイン!」


 魔法陣が出る事はあっても、歪んで消えていくだけだった。


「そ、そんな‥‥」


 この時は絶望したな〜あんなに練習してできるようになった魔法が一瞬でできなくなったしな。


「すまん、俺の力量不足だ」


「師匠、頭を下げないで。確かにショックだったけど、アリスが無事ならそれで良いよ。この事をアリスには言ったの?」


「いや、言っていない」


「良かった。師匠、今日についての記憶を消すことってできる?」


「できるが‥‥それで良いのか?」


「うん、これでアリスも気にしないで生活できるしね」


「わかった。記憶の矛盾が発生しないように2人が魔法を使える事を知っている者、それにリンク自身も記憶を封印する。俺は自分で封印できないが、1人くらいは真実を知っていた方が良いだろう」


「わかった」


「お前の魔蔵が何とかなりそうなら封印を解除する。じゃあ封印するぞ」



 ーーーー回想終了ーーーーーー


 あぁ、こうして記憶を封印したのか。しっかしよく生きていたな。それに思っていたよりショックはなかった。

 目を開けるとアリスが泣いていて、師匠は目を瞑っていた。


「あっ!リン君、大丈夫!?」


「心はどうだ?」


「問題なしだな。頭の痛みが想像より凄かっただけだ」


「ごめんねっリン君」


「気にしてないって言ったろ?小さかったんだからしょうがないよ。これでこの件は終わり、良い?」


「う、うん」


「さて師匠。次は魔蔵だな?」


「ああ、これに関しては直ぐに終わる。痛みもないだろう」


「なんだ、拍子抜けだな」


「俺からしたら、記憶を解放させた時のお前の反応が拍子抜けだよ」


「だって結局アリスが助かったし、魔法が使えなくなったのが周りのみんなじゃなくて良かったって思ったら安心の方が勝ったからな」


「お人好しだな」


「そんなリン君も好きぃ‥‥」


「別に良いだろ‥‥ルンちゃん!鱗を出してくれ!」


 ルンちゃんは服の内ポケットから鱗を出してくれた。


「サンキュ!」


「は?今の触手はなんだ?」


「言ってなかったか?俺のペット兼アイドルの、バルーンスライムことルンちゃんだ。ルンちゃん、挨拶」


 ルンちゃんはヒョコッと体を出して、師匠に触手を振る。良い子だな〜


「ちょっ!おまっ、驚くから先に言えよ!」


「ペット兼アイドルになってる‥‥!負けないんだから‥‥!」


「ごめんって。早くやろうぜ」


 アリスの呟きは怖かったのでスルーしておく。


「じゃあやるか〜偽りは真に、真は偽りに。己の信じているものこそが本当の真実なり。完璧な偽装(マスターフェイク)。今、魔蔵の一部となりたまへ」


 鱗に魔法陣が刻み込まれ、俺の体にズブッと入り込んできた。


「え!?痛みがないのが余計気持ち悪!!何この魔法!?キモ!」


「キャーーー!リン君が!!」


「キモって言うな!落ち着け!」 


 うわぁ‥‥体内で生き物がウネウネしているみたいだ。気持ち悪い‥‥


「オエッ‥‥」


「大丈夫?よしよし、私がいるからね」


 アリスの奴‥‥記憶が戻ってから余計に過保護になったな‥‥


「そんなに気持ち悪いか‥‥?」


 師匠は師匠で落ち込んでるし。需要ないから辞めてくれ。

 おっ、何かスッキリしたな。魔力もいつもと違う。


「シャイン」


 弱い光が部屋を一瞬だけ照らした。


「リ、リン君」


「やったじゃねえか!」


「お、俺。今、魔法が使えたのか?」


「使えてたよ!やったね!!」


「おめでてえな!!」


 2人に抱きつかれるけど師匠は勘弁してくれ。それにしても魔法が使えたのか‥‥長かったなぁ。エンシェントドラゴンの鱗を使ったからか魔力操作が数段良くなったな。もしかしたら今の状態でも‥‥‥できちゃった‥‥‥


「あっ、師匠。鈴のストックがないから欲しいんだけど」


「良いけど、お前はもう魔法が使えるからいらないんじゃないか?」


「いや、エンシェントドラゴンの鱗を使ったおかげで、魔力操作がより繊細にできるようになったんだけど、前の乱れる魔力を自由に生み出せるようになったみたいだ」


「え?じゃあ普通の魔力と前の魔力の2種類が使えるって事?」


「きっと長年乱れる魔力と付き合ってたから慣れたんだろうな。相手の魔法を無効にして、自分は魔法を使い放題か‥‥狡くね?」


「狡いって言われてもしょうがないだろ‥‥‥ちょっと見て欲しいのがあるんだけど良いか?」


「「ん?」」


 2人は疑問に思いつつ、リンクと一緒に外へ出た。


「何をするんだ?」


全てを無に帰す一撃(オールロスト)の完全版を試したい」


「確かエンシェントドラゴンを仕留めた技だよね?それの完全版?」


「ああ、2種類の魔力を制御できる今、弱点がなくなったからな」


 今までは乱れる魔力‥‥動の魔力で弓の形を無理矢理作って、反響の太刀を矢の代わりにしていた。まずは普通の魔力‥‥静の魔力で弓を作る。


「おっ、普通の魔力での形状変化だな」


「凄いスムーズ‥‥この時点でレベルが高い‥‥」


「ここから本番だ」


 集中しろ‥‥動の魔力を矢の形にするんだ‥‥


「なるほど、乱れる魔力の流れを早くして無理矢理形を保っているのか」


 そして、この矢を静の魔力で包み込む‥‥しっかり魔力を練らないと油断したら消えるな。よしっ。


「完成だ」


「リン君、さっきと変わらないよ?」


「まあ見てろって。ハアッ!!」


 俺は空に向けて矢を放つ。うん、今のままでも十分速度はでてるな。


 リンクが放った矢は、グングン空に上がり雲に到達しそうになっていた。


「速いな‥‥これで終わりか?」


「ここからだ、フッ」


 リンクは、矢が減速する前に静の魔力を解除する。静の魔力が下の方に弾けるように消えたので、残った動の魔力はその反動でさらに速度が上がった。

 矢は雲を割り、さらに天高くまで上昇し弾けた。


「そうか!乱れる魔力を普通の魔力で包んでいやがったな!それにしてもなんて威力だ‥‥!」


「凄い‥‥一瞬で雲まで届いた上に、綺麗に割れた‥‥」


「こんなものかな。対人だと好きなタイミングで静の魔力を解除すれば良いし、動の魔力が消えない内に相手に当たれば、相手の体内で弾けて魔法を使わせないようにできる」


 あとは、動の魔力が消えるタイミングを覚えないといけないな。しかし、共鳴をしなくても良いっていうのがエゲツないな。多数対多数になっても味方に影響がない。


(リンク‥‥成長したな。しかし、俺の魔法を魔力で覆うやり方を見ただけで自分の技にしやがった。恐ろしい奴‥‥)


「凄いね、リン君!よしよし」


 気づいたら頭を撫でられている‥‥俺の

 全てを無に帰す一撃(オールロスト)より速いんじゃないか?


「あ、ああ‥‥課題はまだあるが、もっと強くなれそうだな」


 使えるようになった魔法の練習もしないといけないし、忙しいけど楽しみだな‥‥‥無能って言われてた日々が懐かしく思える。つい最近まで言われてたのにな。序列戦で周りの奴らを見返すのが楽しみだ。

とうとうリンクが魔法を使えるようになりました!脱・無能!!


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