30話
すいません!寝ちゃってました!
昨夜、アリスに抱かれたまま寝てしまった俺だが、起きたらまた修羅場となっていた。
「なんで私が抱いて眠ったのに、起きたらクララさんに抱かれてるの!?」
「いや、この人寝相が悪いからさ‥‥」
「うぅ‥‥2日前もやったのにごめんなさい‥‥」
「ちょっ、馬鹿!!」
「ふぇ?」
「リン君、何があったか教えてくれるよね?」
アリスさん!最近目からハイライトが消える事が多いですね!
「いや、違うんだ!ただ俺の布団にクララさんが入ってきただけなんだ!」
「リン君は何も悪くないの‥‥ごめんねアリスちゃん」
「だからリン君って呼ばないで!もう!帰ったらお仕置きね!」
「何で!?」
理不尽にも程がある!お仕置き、断固反対!
俺が抗議をしているとポッセが部屋に入ってきた。今まで何をしてやがったゴルァ!
「うへぇ‥‥まーた喧嘩してんのかよ」
「俺は悪くない!」
「そうなの!私が悪いの!」
「リン君も悪いよ!」
「あ〜!うるさい!今日はギルドに行って依頼達成の報告だろ!行くぞ!」
あっ、普通に忘れていた。エンシェントドラゴンの件で慌ただしかったからな〜。取り敢えずサクッと終わらせるか。
俺達は、準備を終わらせてギルドに向かった。何故かアリスもついて来ている。
「アリス、学校は?」
「休んだよ?」
「え?意外に不真面目なんすね」
「ズル休みは良くないよ!アリスちゃん!」
「クララさんが変な事をしないか監視するためよ!ポンコツなんだから!」
「ポ、ポンコツ‥‥」
クララさんに対してだけやたら当たりが強いな。準備する時は仲良く話してたんだけどな〜女心って難しい。
「それに昨日の序列戦で3位になったから、ある程度は自由になったし1日くらい休んでも全然平気だよ!」
さ、3位!?アリスってそんなに強かったっけ?数年前に模擬戦をして以来実力がわかんないからな〜そういえば模擬戦をやっていたら魔力が乱れていることに気づいたんだよな‥‥ありがてえ。
「3位か〜すげ〜!俺も早く順位を上げたいぜ!」
「アリスちゃんすご〜い!」
「おめでとう、アリス!」
「いやいや、それ程でも〜。あっ、ギルドに着いたよ!」
俺達がギルドに入ると、冒険者のみんなが俺達を盛大に祝ってくれた。
「よお!伝説のエンシェントドラゴンを倒したんだってな!凄えじゃねえか!」
「この街を救ってくれてありがとな!英雄!」
「若いのに大したもんだ!」
「おぉ〜!なんだか恥ずかしいな!英雄ってリンクの事だろ?羨ましいぜ」
「お、俺?」
「そうだよ〜リン君はエンシェントドラゴンにトドメを刺したんだから」
いつも蔑まれてたからムズムズするな‥‥それに英雄か。昔の俺に言ったら驚くかな。
「リン君ったら恥ずかしがっちゃって。愛い奴め〜このこの!」
クララさんが揶揄ってくるが公衆の前だから辞めて欲しい。こんなの普通に公開処刑だろ。
「私がリン君を揶揄いたかったのに!」
「俺も!」
「もう良いだろ!早く受付に行くぞ!」
受付に着くと、1日目と同じ人が担当だった。
「エンシェントドラゴンの討伐おめでとうございます!」
「ど、どうも」
最初と全然態度が違うな‥‥まあこんなもんか。
「こちらから伝えたい事があるのですが先に依頼の件を済ませちゃいましょう」
「あ〜これが討伐の証拠です」
俺は封印魔法を解除して、モンスターの素材が入った麻袋を出した。
「はい、確かにいただきました。それではこちらが報酬の金貨50枚です」
「え!?そんなに貰えるのか!?」
「これ、依頼の報酬より絶対多いですよね?」
金貨50枚って‥‥金貨が銀貨10枚分、銀貨が銅貨50枚分だぞ銀貨一枚で1ヶ月程生活できるってのに。
「エンシェントドラゴンの討伐報酬も入っています。本当はもっと出したかったのですが国に止められてしまって‥‥」
「いや、50枚もあれば十分ですけど」
「そうですか?でも、国からも出されると思うので沢山贅沢ができますね!」
「やべえなリンク!俺達お金持ちだぞ!」
「私はしばらく食べ物巡りでもしよっかな〜」
「俺はアリスになんか奢るよ」
「良いの!?私何もしてないよ?」
「日頃のお礼だよ。素直に奢られてくれ」
「リン君‥‥ありがとう!」
うん、やっぱり泣いてる顔よりも笑顔の方が可愛いな。それより伝えたいことっていうのが気になるな。
「あの、さっき言ってた伝えたいことって何ですか?」
「あ!そうでしたね。まずはポッセ君!」
まずはって事は用件が複数あるのか。
「え?俺なの?」
「はい。エンシェントドラゴンの討伐の件でポッセ君はゴールドランクに認定されました。後日ギルドカードを取りに来てください」
嘘だろ!?いきなりゴールドランク!?
「やったぜ!帰ったら両親に自慢できるな〜」
「次にクララさん」
「え?私も?」
「クララさんも先程と一緒でゴールドからプラチナに昇格です」
「やった〜!学園長と一緒だ〜!」
「「「え!?」」」
何気ないクララさんの一言に俺たち3人は驚愕した。
あの人プラチナランクかよ!道理で強いはずだ‥‥難しい空間魔法もあんなに簡単に使ってたしな。納得だ。
「学園長ってプラチナランクだったのか‥‥」
「私も初めて知ったよ‥‥身近にいるものなんだね。」
「あれ?皆、知らなかったんだね?」
「誰も教えてくれなかったしな」
「ゴホンッ、リンク君。貴方には自由の象徴のギルドマスターから手紙を預かっております。重大な内容なので他の人にバレないように確認してください。伝えたい事はこれで終わりです」
ん?ギルマスから手紙?何が書いているのか気になるが取り敢えず外に出るか。
「わかりました。みんな、一回適当な店に入ろう」
そう言い、俺達は客が全然いない適当なバーに入った。手紙を確認すると驚くべき事が書いてあった。
「な〜リンク!何て書いてたんだよ!」
「私も気になるな〜」
「おう、今言うからちょっと待ってくれ。頭の処理が追いつかない」
「そんなに重要な事が書いてあったの?」
「ああ、まずはアリス」
「ふぇ、私?」
「今度俺と一緒に、ギルドマスターの所に行くぞ」
「何で?叔父さんに何かあったの?」
俺が所属している自由の象徴は、お父さんの弟であるクーリン・ノイズがギルドマスターをやっている。そして俺の師匠でもある。
「いや、俺達に伝えたい事があるらしい。絶対に2人で来てくれと書いてある」
「う、うん。わかった」
「そして最後に俺に関してのことだな。多分お前ら驚くぞ」
「勿体ぶらないで早く教えろよ〜」
「楽しみだな〜!何だろうね!」
「良い事だといいんだけど‥‥」
「取り敢えず各自、口を塞いでくれ」
「「「??」」」
みんなが頷き、口を塞いだ。これ、絶対驚くんだよな〜自分で読んだ時は驚きすぎて逆に冷静になった位だ。
「それじゃあ言うぞ。エンシェントドラゴンの討伐で俺はクリスタルランクになった」
そう言い、俺は手紙に同封されていたギルドカードを出す。
「むぐうっ!?」
クララさんだけ驚いてるって事はクリスタルランクの事を知っていたのか。他の2人は知らないみたいだから説明するか。
「クリスタルランクっていうのはプラチナの一個上、つまり1番上のランクだ。多分他の大陸込みで、俺を含めて3人くらいしかいない」
「「!?」」
3人は冷静になったのか、塞いでた手を外した。
「え?リンクヤバくね?凄すぎて逆に引くわ‥‥」
「なんでだよ!」
「リン君って魔法が使えないせいでシルバーランクから上になれないんじゃなかった?」
「そうそう!何があったの?」
「学園長とシュウさんがギルドの上の人に一押ししてくれたらしい。そこにギルマスがもう一押しって感じだ。今までできなかった形状変化を成功させて、トドメを刺したのが大きかったんだろうな」
「おめでとう!リン君!」
「ほぇ〜まだ夢を見ているみたいだぜ。おめでとう、これでリンクを無能って言うやつもいなくなるんじゃないか?」
「いや、クリスタルランクになった事はこれ以上言うつもりはない」
「何で!?やっと辛い日々から離れられるんだよ!?」
「まずは政治的な問題で利用されることを防ぐため。流石に戦争には参加したくないしな。そして二つ目、俺の身の周りを危険にさらさないため。クリスタルランクの事を知った輩が何をするかわからないからな。そして三つ目」
みんながゴクリと唾を飲み込む。
「学園長と序列1位になるって約束したから。魔法が使えなくても1位になれる事を証明したい。それでやっと俺は自分で無能じゃないと思える気がするんだ。それに周りをギャフンと言わせたいしな!」
「「リン君‥‥」」
「リンク‥‥!カッコいいな!」
「だろ?まあ、話は以上だ。パーっと打ち上げしようぜ!」
「っしゃぁ!!とことん食べるぜ!」
「私はとことん飲むよ!!」
「「「それだけは辞めて!!!」」」
「そ、そんなぁ‥‥‥」
また暴走されると厄介だからな!予め封じさせてもらうぜ!
人数分のジュースが届いたので俺が乾杯の合図をすることになった。
「それじゃあ、エンシェントドラゴンの討伐を祝って、カンパーーイ!」
「「「カンパーーイ!!」」」
俺達は暴飲暴食をした後、後悔することとなった。客がいなさそうな店を選んだが、人気が無くて客がいないんじゃなく、値段が高すぎて客が富豪しか来ない店だったのだ。俺達の報酬は4割程減った。
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