26話
プライベートが忙しくて次の投稿は3日後くらいになりそうです
「クララとポッセは先に帰ってなさい」
「皆が戦ってるのにそんな事できないですよ!」
「そうです!まだ戦えます!」
「良いから。座標転移」
「ちょっ!」
「そんな!」
ポッセとクララの下で魔法陣が光り、一瞬で2人が消えてしまった。
「できればリンクを迎えにいきたいが、流石にシュウちゃん1人でアイツを相手にするのは厳しそうだな」
『チッ、2人逃したか』
「ハアッ!」
『鬱陶しい奴め!』
(くっ、小僧に右目を潰されたせいで反応が遅れる。回復を優先したいがその時間はくれなそうだな)
「余所見の次は考え事か?ダークスチール」
ノットから闇の靄が現れた。
闇がエンシェントドラゴンの目に吸い込まれ、エンシェントの左目が真っ黒に染まる。
『左目も見えなくなっただと!?視界を奪う魔法か!』
「シュウちゃん、今の内だ!」
「はい!紫電一文字!!」
『ぐっ、これしきなら耐えられるぞ!』
「外が硬いなら中はどうなんだ?」
『なにっ?』
シュウは翡翠色の剣から紅色の剣に持ち替え、エンシェントドラゴンの傷に深く刺した。
「蛍火、爆ぜろっ!!」
エンシェントドラゴンの傷口に小さい火の玉が入り込むと、エンシェントドラゴンの体内で爆ぜた。
傷口から泉の様に血が湧き出てくる。
『ぐおおっ!!下級種族がぁぁ調子に乗りおってぇぇぇ!!!』
エンシェントドラゴンは一瞬の隙をついて、ビュンッと勢いよく空へと飛んだ。
「逃げるのか?」
「いや、怒りで我を忘れているのを見ると逃げるのは考えられん。」
「じゃあ何を‥‥」
『視界が見えなくても、広範囲を破壊すれば問題ない!くたばれ、破壊による悲鳴!!』
シュウとノットの頭上に、森全体を覆っていると錯覚させる程の規模の魔法陣が展開された。
「おいおい!ここら辺一帯を更地にするつもりか!」
「マズいな‥‥流石に避けようが無いぞ。しかもちゃっかり回復もしているな。だか視界はまだ奪っている」
「ノットさん、アイツを俺達の前に転移させるのは‥‥‥」
「不可能だ、流石に大きすぎる。シュウちゃんをあそこまで転移させても良いが何とかできるか?」
「ちょっと厳しいですね。光と闇の複合魔法にあの大きさは反則ですよ。まだ魔法が来ないあたり、相当魔力を練っているだろうし」
「うーむ。かなりピンチだな」
困っている2人に、ある人物が話しかけてきた。
「じゃあ、俺の鈴をアイツの所に転移させてください」
「!!お主、無事だったのか!」
「リンク君!生きてて良かった!」
その声の正体は、遠くに吹き飛ばされて生死不明だったリンクだった。
しかし、エンシェントドラゴンの魔法弾がクリーンヒットしたためかなり損傷していた。
左腕が在らぬ方向に曲がり、至る所から出血していていつ死んでもおかしくない状況だ。
ーー遡ること30分前ーー
リンクは、エンシェントドラゴンの魔力弾に当たり空を移動していた。
「ハァ‥‥ハァ‥‥良い加減消えろや!オラァ!」
魔力弾を身体強化で殴ること十数回、魔力弾が霧散した。
「おぉぉぉ!?落ちることを想定していなかったぁぁぁぁ!」
そう言っている間にも、リンクはどんどんスピードを増しながら落ちていく。
「マズいなっ、ぐふっ!今のダメージでこのまま落ちたら確実に死ぬ。何とかしないと!」
リンクは打開策を考えるが、何も思いつかなかった。しかし、あるモンスターを見つけた。
「ラッキー!バルーンスライムだ!」
リンクが見つけたバルーンスライムは、風属性が得意なスライムが特殊変異したものである。空を飛ぶ時だけ、魔力を節約するために体を膨らませて浮くようにしている。
「あれに上手く乗れればっ!俺の魔蔵!持ってくれよぉぉ!」
リンクは魔力を全力で噴出し、空中での移動を可能にした。結果、上手くバルーンスライムに乗ることが出来た。
「いきなりごめん、助かったよ」
バルーンスライムは気にするなと言わんばかりに体をプルプルと上下に揺らした。
「おおっ、言葉がわかるのか。ついでに頼み事なんだがあっちの森まで連れて行ってくれ無いか?」
バルーンスライムはもう一度頷くようにプルプル震え、速度を上げて進行方向を森の方へ変えた。
「本当に助かった!ふぅ、少し休むか。ダメージが酷すぎて筋肉で止血すら出来ねえや。ジュンとクララさん、無事でいてくれよ‥‥‥」
ーー回想終了ーー
森に着いて急いでみたら、この2人が戦ってるんだからビビったぜ。学園長が2人を逃したのも見れたし、ひとまず安心だな。
「ははっ、何とか。それよりもこの鈴を!」
「わかった!座標転移!」
『クックック、これくらい練ればアイツらでもくたばるだろう!!』
エンシェントドラゴンの目の前に鈴が現れるが、視界が封じられていた為に気づくことは無かった。
「悠長に魔力を溜めやがって。そのおかげでこっちも助かったけどな。共鳴!!!」
リーーーーン!!!
エンシェントドラゴンの体内に鈴の音が響く。同時に、巨大な魔法陣とエンシェントドラゴンの視界を奪っていた闇魔法も消えた。
『この音は!魔法を消してくる不思議なゴミか!まだ生きていたのか、もう油断はせん!』
エンシェントドラゴンは魔力の乱れに慣れておらず、力が抜けて落ちかけたがすぐに空中での体勢を整えて着地した。
『舐めた真似をしよって』
今更だけど何で喋れるようになってんだ?色も変わってるし。突然変異でもしたのか?
「リンク君。取り敢えず応急処置を、癒しの光」
エンシェントドラゴンに近い色をしている純白の剣から、光が発せられリンクの傷を癒す。
「ありがとうございます」
「どういたしまして。それよりもアイツをどうやって倒すかだな。なるべく空には行かせたくないのと、あの硬さと魔法耐性が厄介だ」
「時間をくれればもしかしたら倒せるかもしれません」
「本当か!?お主、魔法が使え無いはずじゃ‥‥‥」
「さっき思いついたことがあるんです。お願いします!」
「ノットさん。ここは彼に賭けませんか?」
「‥‥‥そうだな。任せたぞリンク」
「はい!」
会話を終え、2人はエンシェントドラゴンの相手をしに行った。
あの2人の後ろ程安心できる場所は無いな。これなら集中してできる。
エンシェントドラゴンの魔力弾を食らって思いついたが、一か八かだ。成功させるしか無い。
エンシェントドラゴンの魔力弾は回転する速度が速すぎて、逆に形が整っていた。俺も魔力の流れを限界まで速くしたら物理的な乱れは解決できるんじゃ無いかと考えた。
「ハァァァッ!!」
俺は魔力を左手に集めて、歪だが弓の形を作る。
「ハア、ハアッ」
まだ速さが足りない!もっと、もっとだ!エンシェントドラゴンの魔力弾はこんなものじゃ無かった!後のことは考えるな!もう魔蔵がぶっ壊れても良い!アイツを倒すんだっ!!
魔力の流れが速くなり、ついにリンクはエンシェントドラゴンの魔力弾と同じ音を出せるようになった。そして、リンクの左手には約2メートル程の大きな魔力の弓が出来ていた。
「出来た!初めて魔力で形を作れたな。しかし、矢が魔力だと流石に途中で消えそうだな。‥‥そうだ!反響の太刀を使うか。魔力を吸収しやすい金属で出来ているから、射っても、しばらく魔力で強化されたままだ。万が一生きてても鈴がある!」
リンクは反響の太刀に、残りの全魔力を込めて矢の代わりにした。
狙うは全モンスターの急所である脳だ。
「さて、エンシェントドラゴンよ。死ぬ準備は良いか?全てを無に帰す一撃」
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