20話
寝坊してしまった俺とアリスは、急いで自分達の教室に向かって走った。
「すいません!遅れました!」
そう言うと、アイゼン先生はため息をついてこっちを向いた。流石に怒られるか?
「きっと昨日の序列戦で疲れていたのでしょう。理由は聞かないでおきます。今回はギリギリ1限目の授業に間に合ったので良いですが、次からは気をつけてくださいね」
「は、はい!」
アイゼン先生は、やや困った顔でそう言った。めちゃくちゃ優しいな。一生ついていきます!
「さて、リンク君が来たので来週の予定を説明します。来週から3日間、特別授業として極光の騎士団の人達と協力し、ギルドの依頼を受けてもらいます」
へぇ、学園でギルドの任務ね〜しかも極光の騎士団とか。シュウさん以外だったら誰が来ても良いや。また、暴走しかねないからな。
「ちなみに依頼を受けて貰うのですが、皆さんには冒険者の資格は発行されません。あくまで職業体験みたいなものなのでご理解ください」
そうだよな。皆の資格を一気に発行するなんで時間がかかるし。最悪1番下のホワイトランクなら、性格に問題がなければ誰でも取れるから自分達で取りに行けば良い。今回は騎士団の人達がついてくるし大丈夫だろう。
「ですが、討伐系の依頼を受けてもらいますので、最低限の知識を皆さんにつけて貰います。ちなみに2人1組に騎士団の人が1人加わる形になります。メンバーはもう決まっているので後で前の壁に貼ってある紙を見てください」
へぇ、討伐系の依頼か。ここら辺だと種類は多いが、そんなに危険なモンスターは居ないから大丈夫だろう。あとは誰と組むかによるな。このクラスだとハオが1番良いんだが。
「それでは、授業を開始します。何々は〜〜。ですので〜〜〜〜」
授業が終わり、早速メンバーを確認しに行った。
あっ、別のクラスと組めるのか。え〜っと俺と組むやつは‥‥ジュンだっ!もう楽しみになって来たな〜。
さて、騎士団の人は‥‥‥ク、クララさんだっ!!よしっっ!!!うぉっっしっ!!!!メンバー最高じゃねえか!特別授業ばんざい!!
「やあ、リンクと一緒になる人は誰だったんだい?」
「ハオか。俺はジュンとクララさんだったぞ。ハオは?」
「へえ、良いメンバーだね。僕はイオナとユース・ヴィークルさんだったよ。イオナとは相性が良いしユースさんも騎士団の中じゃ強い方だから安全かな」
「イオナとか。ユースさんってのはどんな人なんだ?」
「サポートが優秀で、防御こそ至高って人かな。でも魔法の威力も高いからバランスが良いんだよね。顔がちょっと怖いから勘違いされがちだけど、結構フランクな人だよ」
「おお、ちょっと見てみたいな」
顔が怖くてフランクって気になっちゃうじゃん。
「多分リンクと気が合うと思うよ」
「すみません!」
焦った顔をしてアイゼン先生が教室に入って来た。
「伝え忘れていた事がありました。来週の特別授業が終わるまで、一年生の皆さんは序列戦が禁止されていますので気をつけてください。それでは」
あ〜確かに任務の時に支障をきたしたらマズイもんな。ということは、来週までは序列戦に挑まれることも無いから安心して生活できるな。
「アイゼン先生でもミスすることってあるんだね」
「まぁ同じ人間だからな。しょうがないさ。それじゃあ俺はそろそろ帰るよ。またな」
「うん、じゃあね」
玄関を出て帰ろうとしたら、アリスから一緒に帰ろうと誘われたので2人で帰り道を歩いていた。
「そういえば今年の特別授業って何をするの?」
「極光の騎士団の人とギルドの依頼を受けるんだと。その言い方だと毎年違うみたいだな。」
「うん。私の時は別の騎士団の人と街の巡回や模擬戦だったかな〜街の人達の安全を守れるし、模擬戦でトレーニングもできて楽しかったよ」
「そうだったのか。俺も3日間、友達とクララさんと一緒だから楽しかったら良いな〜」
3日間でどれだけクララさんと仲良くできるかが重要だ。慎重にいかなければ。
「え?ク、クララさんって副団長のクララさん?」
「ん?そうだ。副団長の優しくて包容力があり、おっp‥‥ゴホン!器が大きい美人のクララさんだぞ。へへっ」
「へぇ。随分と嬉しそうに語るね?リン君。あまり迷惑をかけたら駄目だよ?良い?」
一瞬でアリスのハイライトが消えた!?また何かやっちゃいました!?ごめんなさい!
「だ、大丈夫だ!わかってる!」
「なら良いんだけど‥‥何かあったら私に甘えても良いからね?」
「な、何かあったらな。善処する」
「うん、よろしい!あ、言い忘れてたんだけど最近モンスターの行動がおかしいみたいだから気をつけてね」
良かった。機嫌が治ったみたいだ。
「行動がおかしい?わかった。気をつけるよ」
何事もなければ良いんだけどな。まあ騎士団の人もいるから大丈夫か。最悪ジュンもいるし何とかなるだろう。
そして1週間があっという間に過ぎ、俺は集合場所でジュンと合流した。
「よう、リンク!今日から楽しみだな!早くクララさんの所に行こうぜ!」
「おっす!でも人混みが凄いな。もう少し人がいなくなったら探さないか?」
「それもそうか。少し雑談しようぜ。最近気づいた事があるんだけどよ。イオナがよく使ってる氷魔法って炎属性なんだな。昨日イオナと話して驚いたぜ」
「間違われやすいもんな。重力とか飛行魔法も無属性だと思われがちだけど実際は土と風属性だし」
「そうなの!?初めて知ったわ」
「5大属性はそれぞれ多くの派生があるからな。皆、分かりやすいように氷魔法とか言ってるだけだよ」
「種類が多いのは良いんだけど覚えるのが大変なんだよな〜」
魔法陣も覚えないといけないし大変そうだな。俺はアリスに付き合っていたら、何やかんや多くの魔法陣を覚えてるけど使う機会がないのが傷だ。
「ねえ、君たちがリンク君とポッセ君で合ってるかな?」
「「っ!」」
俺達は突然聞こえて来た第三者の声に反応し、距離をとりながら後ろを振り向いた。
「ごめんね!そんなに驚かせるつもりは無かったの!」
振り向くとそこには真っ赤な髪と2つの凶悪な兵器を身につけたクララさんがいた。
「ビックリしたー!話に夢中で気づかなかったぜ」
「同じく!」
「否定しないって事は、君たちで合ってるっぽいね!知っていると思うけど私はクララ・ハイゼル。極光の騎士団の副団長をやっているよ!よろしくね!」
「「よろしくお願いします!!」」
か、可愛いな〜。この人と三日間も一緒にいられるとか最高かよ。あとジュン。お前は胸を見過ぎだ。いや〜それにしても胸が大きいな。
「ふふっ。2人とも男の子だね〜。取り敢えずもう少し人がいない所に行こっか。ギルドに行く前に君達の事を知りたいしね」
ぐあっ、し、しまった!俺も無意識にガン見していたのか!恥ずかしすぎる!!
「す、すいません。ジュンの目線が気になって俺も見たらその部分で」
「てめっ、ふざけんな!自分だけ無害を装うんじゃねぇっ!」
「本当のことだろうが!」
「元気だね〜!それじゃあ行こうか!しゅっぱーーつ!」
これが大人の余裕ってやつか!リンク・ノイズ!クララさんに一生ついていっきまーーす!やっほーーい!
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