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11話

作者的にはポッセがお気に入りです。愛嬌があるキャラって良いよね。

「これは誤解なんだ!」


「ほう、何が誤解なのか言い訳を聞きましょう」


「い、言い訳って‥‥‥ゴホン!リ、リンク君が珍しい魔力を持っていてつい興奮してしまってね。」


「で?」


「でっ!?え、え〜っと。そうそう!試験を続けようとしたらリンク君が逃げてしまってね!追いかけてたらこの3人に止められてしまったんだ!」


「でもシュウさんリンクに合格って言ってたから続行する必要は無かったんじゃないっすか?」


「ポッセ君!?」


「‥‥‥団長。帰ったらお仕置きですね。とりあえず反省文を100枚提出、かつ緊急時以外、1週間の戦闘を禁止します」


「そっそんなぁぁぁ」


「本当にこの人が騎士団の団長で大丈夫なのかしら‥‥‥」


「ははっ、ちょっと心配しちゃうね」


 こうして無事?に全ての試験が終わった。


 リンク達は試験が終わり、解散となったので学園の入り口で雑談をしていた。



「いや〜3人ともありがとな!」


「シュウさんの相手は大変だったぞ‥‥‥」


「本当よ‥‥‥こんなに疲れたのは久しぶりだわ‥‥‥」


「僕は割と楽しかったけどね。団長と戦えるなんて貴重な経験ができたし」


 本当に申し訳ないな。まあ怪我も無いようでなによりだ!結果オーライ!!


「それにしてもここにいる4人がその場で合格が確定したのは驚いたな」


 そう、リンクはシュウに魔法を使わせた時点で合格確定だったのだが、他の3人は手加減していたとはいえ魔法を使ったシュウを相手にかなりの時間足止めをした。その結果、マナに「貴方達はもう合格確定です」と言われたのだ。


「多分マナさんに言われなくても合格してたと思うけどな。」


「私は不安だったから安心しました‥‥これでリンク君とちゃんと友達になれますねっ。ついでにポッセ君も!」


「ついで!?まあ良いけどな!」


 そういえばジュン達はいつの間に仲良くなったんだ?一緒にシュウさんと戦っているうちに打ち解けたのか??王族相手でも態度を変えないとは恐ろしいやつ‥‥‥


「これからの学校生活が楽しみだね〜僕は皆の序列が気になるよ」


「私達は新入生だから1番上でも201位ですね」 


 確かアルカナム学園は1年から3年生で300人いるんだっけか


「俺はリンクが1番順位が高いと思うけどな!なんてったってあのシュウさんに魔法を使わせたんだからな!」


「僕もそう思うな。」


 うーん、でも魔法を使ってないからな〜学園の人がシュウさん達の評価をちゃんと組み込んでくれていたら良いんだが。


「でも俺は魔法が使えないからな。試験の様子を見ていた学園の人がどう思うかにもよると思うぞ」


「魔法が使えなくたってリンクは強いじゃねえか!それにあの魔力の性質をちゃんと利用して戦えてるんだぜ?大丈夫だろ!」


「そうですよ、自信を持ってください」


「それに1番上じゃなくても上の順位だと思うよ?」


 あぁ、良い人と友達になれたな‥‥‥今まで関わってきたアリス以外の人達から、いくら強くなっても結局は魔法が使えないから無能だと言われてきた。

 だけど皆は‥‥俺を無能として接しない。俺はもう1人じゃ無いんだ‥‥‥‥


「皆、ありがとう」


「いきなりどうした?」


「いや、何でも無いよ。そろそろ帰ろうか」


「そうですね。もう良い時間ですし」


「また学校で会おうね」


「おう!またな〜!」


「じゃあな〜」


 こうして俺たちは再開の約束をし、帰宅した。この日はいつもより足取りが軽く感じた。



「ただいま〜」


「おかえりリンク!試験はどうだった?」


「おかえり、怪我はないかい?」


 俺を出迎えたのは母さんのマルナと父さんのルッタだ。

 どちらもアルカナム魔法学園の卒業生で、昔はどちらもゴールドランクの冒険者だったらしい。母さんは俺が産まれた時に引退して今は父さんがソロとして活動している。


「怪我は無いかな、あと合格したよ」


「本当!?良かったわね‥‥‥おめでとう、リンク‥‥‥」


 あー、母さんを泣かせるつもりはなかったんだけどな。まあ、俺が昔からどういう扱いを受けてたか知っているから無理もないか。

 ‥‥‥って父さんも泣きそうだし。珍しいな。


「おめでとう。合格できたのはリンクが今まで諦めずに努力をしてきたからだよ。決して運なんかじゃない、リンクが努力した結果だ。自分を誇りなさい」


 父さんと母さんの子供で本当に良かった。こんな役立たずの俺を見捨てないでくれたし、今まで育ててくれて感謝しかない。いつか恩返しできると良いな。


「善処するよ。父さん、母さん。こんな俺を見捨てないでくれてありがとう。学園にいったら頑張るよ」


「見捨てたりしないわ。貴方は私たちの自慢の息子なんだから。ふふっ」


「まったく、そろそろ自分を卑下するのは辞めるんだ。リンクの悪い癖だぞ?」


「こればっかりはなぁ」


 こうして俺は親子3人で仲良く夜まで話していた


 そういえばまだアリスに合格したことを言ってなかったな。喜んでくれるかな。


「あっ、アリスにまだ合格したことを伝えてないから今から言いに行くよ」


「あら、まだ言ってなかったのね。気をつけて行ってらっしゃい」


「うーい」


 気をつけてと言っても俺の家から徒歩2〜3分くらいで着くんだけどな。



 少し歩くとアリスの家が見えてきた。


「微妙に距離が近いと逆に遠く感じるな‥‥‥すみませーーん!」


「リン君!!試験はどうだった!?怪我は無い!?」


 扉が開くとアリスが勢いよく出てきた。

 それにしてもアリスは心配性だな〜昔から全然変わっていない。


「落ち着けって。怪我はしてないしその場で合格確定だってさ。これでアリスと一緒に学園に通えるな」


「本当!?おめでとうリン君!よがっだよぉぉぉ」


「アッ、アリス!?」


 アリスは若干の涙声になりながら俺に抱きついてきた。

 むっ、胸がっ!や、やばい!暫くこういうスキンシップが無かったから耐性がっ!俺の理性よ!耐えてくれ!!!アッ、アリスさんそんなに強く抱きしめられるとっ‥‥‥!あっ‥‥‥あっ‥‥‥。




 リンク達はアリスが泣き止むまでしばらく抱きついた状態で、解放されたのはかなり遅い時間だった。ちなみにリンクは帰るのが遅くなり両親にこっぴどく叱られた。


 アリスから解放されるまで、リンクが理性を保てたかは神のみぞ知る。




 ーーーーー



 学園の薄暗い部屋に、2人の男女がいた。


「学園長。210番‥‥‥リンク・ノイズは魔法が使えません。合格を取り消した方が良いのでは?」


 このやや細身で長身の男はアルカナム魔法学園で学園長の次に偉い役職である。名前は、クルト・バース。

 彼はエリートであるバース家の血を受け継いでおり、幼い頃から厳しい教訓を受けていた為に魔法こそが生きてゆくための手段であり、人間としての価値であった。

 故に、彼からしたら魔法が使えないリンクは異端であり無能だ。この学園に無能であるリンクがいると学園の名が汚れてしまうため、そして己が気に入らないからリンクの合格を取り消そうと学園長に直談判していたのであった。


「いくら言っても合格は取り消しません。筆記も8割越えだし、なによりあのシュウちゃんに魔法を使わせたのなら十分でしょう。それにあの魔力。魔力を乱す性質を持っているんだったかしら?彼はそれをちゃんと扱えているし身体強化もできる。魔法が使えなくても問題ないわ」


 答えた女性はノット・アーチ。学園長でありハーフエルフだ。ちなみに彼女の冒険者のランクはプラチナ。この王国でも3本の指に入る実力者だ。


「しかしっ!!!」


「あ〜〜!!うるさいっ!わかった!じゃあこうしよう!とりあえず彼の序列は最下位だ。それで1年で50位以上、序列を上げれなかったらその時点で退学。これ以上は譲れん!」


(結構条件が厳しくなってしまったが彼等の息子なら大丈夫だろう。リンク君、すまない‥‥)


「‥‥‥わかりました。それでは失礼します」


(くそっ!まぁ、良い‥‥‥必ずあの無能を退学にしてやる‥‥‥)


 そう言ってクルトは去って行った。


「はぁ〜学園長ってのも疲れるな〜それにしても魔法が使えない‥‥か。リンク君も大変だな〜退学にならないよう頑張ってくれよ‥‥‥」



 様々な思いが交差する中、はたしてリンクは無事に学園を卒業できるのだろうか。

 今、無能と蔑まれてきた少年、リンクの物語が始まろうとしていた。

取り敢えず入学試験の話はこれで終わりです。またボチボチと投稿する予定なのでよろしくお願いします。

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