第4節:天下の副将軍(予定)の従者たち、無双
本日2本目です。
「御意」
短く応えたのは、助さんだった。
彼は涼しい顔のまま、羽織っていた上着をバサリと翻した。
シュバババババッ!!
一瞬の出来事だった。
助さんの上着の裏、そして袖口から、無数の暗器(クナイ、手裏剣、現地調達したナイフ)が全方位に向けて放たれた。
ただの乱れ撃ちではない。それは計算し尽くされた必中の軌道を描き、銃の撃鉄を引こうとしていた兵士たちの手首や、マスケット銃の銃身そのものを正確に貫いた。
「ぎゃあっ!?」
「じゅ、銃が壊された!?」
兵士たちが次々と武器を落とし、混乱に陥る。
「遅いですね。……止まって見えますよ」
助さんは既に床を蹴り、天井のシャンデリアにワイヤーを引っ掛けて宙を舞っていた。
死角からの強襲。
流れるような体術で、兵士たちの首筋を次々と刈り取って(気絶させて)いく。
「ええい、面倒だ! どきなされ!!」
一方、格さんはもっと単刀直入だった。
彼は刀を抜くことすらしない。
鞘に収まったままの剛剣を大上段に構え、重装歩兵の群れに真正面から突撃したのだ。
ドゴォォォォンッ!!
大木をなぎ倒すような一撃。
重い甲冑を着込んだ大柄なスペイン兵が、三、四人まとめてボウリングのピンのように弾き飛ばされ、壁に激突して白目を剥いた。
「バ、バケモノかこいつら!?」
「撃て! 撃ち殺せェ!」
残った兵士たちが悲鳴を上げながらハルバードを突き出すが、格さんはその鉾先を素手で掴み、力任せにへし折ってみせた。
「大人しく道を空ければ痛い目は見んものを。……自業自得ですな!」
遅れて部屋に駆け込んできたマリアの部下(海賊)たちは、その光景を見て顎を外さんばかりに驚愕していた。
「おい、嘘だろ……。あの優男(助さん)、ナイフを何十本も同時に投げて、しかも全部急所に当ててやがる……!」
「あの巨漢(格さん)もヤベェ! 鎧着た人間を、鞘で叩き飛ばしたぞ……!?」
「……俺たち、船で会った時に喧嘩売らなくて、本当に良かったぜ……」
天下の副将軍(予定)の従者たちによる、圧倒的な無双劇。
バルデスの私兵部隊は、数分と経たずに床に転がる文字通りの「屍(気絶)」の山と化した。
(誤字報告も助かります……!) それでは、また次の冒険でお会いしましょう!




