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祝15万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


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第94話 トレードの後は

 

 J〇金属の取引の後、その日の取引は、昼飯をはさんで後場フジ〇ラの取引を行い、14300円の利益を出して終わった。


 これも道造さんが取引をしたようなもの。


 俺は、注文を出す作業をやっただけで、トレードの判断自体は道造さんのアドバイスに従っただけだ。


 それも…………もし俺の判断が道造さんと一致していれば、多少は自信がつくのだが、俺の判断では大損をしていたかもしれない。


 いや、絶対していた。


 結局、トータル65600円の儲けだったが、自分で稼いだ気が全然しないし、今度やっても一人で稼げる気がしない。


 ……デイトレードって難しいな。


 道造さんは、今日はメガバンク3銘柄の取引だけで、その後は俺のトレードに付きっ切りだったらしい。


 さすがに、J〇金属とフジ〇ラでは動きが一致する確信がなかったため、同時に取引する気には、なれなかったんだとか。


 今俺は、サッカーの練習のために石神公園に来ている。

 道造さんも暇だからと一緒について来てくれた。


 もう年だから、道造さんがサッカーをするということはない。

 だが、俺が練習する様子を見て楽しんではいるようだ。


「天心! おまえ、本当にサッカー上手かったんじゃのう」


「昨日少し、練習したんですよ。ドリブルとかヘディングとか……」


「それに、おまえ、走るの速いな」


「そこは、自信がありますね」


 なにせ、遅く走るのに苦労しているくらいだからね。


 瞬間的に素早く動くのなら、ばれないだろうが、長く走ってしまったらオリンピックに出ろと言われそう。


「セレクション、どんなもんか分からんが、走るのが早いのはアピールポイントになりそうじゃな」


 ロングパス……多少間に合わなそうなのでも、間に合わせられそう。

 守備範囲、めっちゃ広いぜ!


「リフティング、やって見せてくれい」


「リフティングですか? いいですよ」


 俺は、ボールを右足ですくうように蹴り上げるとそのままトントンと蹴り続ける。


 19、20、21…………31、32。


 今日は昨日より上手く続いてる。


 体の移動も、足を出す角度も一夜明けて脳内整理ができたのか、一皮むけた感じがする。


「すごいじゃないか! 天心。昨日練習を始めたばかりでここまで上達するとは……もしかしたら天才じゃのう!」


 そうかな? えへへ。


 何しろ、力312、速さ4046、器用さ31だからね。

 器用さだって、大人平均の3、1倍。

 才能が、ステータスだけで比べられるなら、だれにも負けないんじゃないだろうか?


「ちょっとボールを蹴ってますね」


 ユーチューブで見た練習動画を思い出し、ドリブルの基本を練習だ。


 まずは、インサイド、アウトサイドの両方でドリブル。

 そして、カットドリブルで方向を変える。


 何度も何度も往復し、今度はブロックターン。

 ブロックターンは自分の体でボールを隠しながらターンする方法だ。

 相手にボールを取られないようにするための基礎的技術。


 いない敵を脳内で作り出し、想像上の敵からボールを守るように体を入れる。

 敵とボールの間に俺の体があるから、敵はボールに触れない。


 ターンができたら、再びドリブル。

 インサイド、アウトサイドの両方でだ。


 止まったり後ろに下がったりするため、足裏でボールを引く。

 細かいタッチで小さなスペースでも素早く方向転換。

 相手が近くにいても小回りが利いて上手くドリブルができるようになるための練習。


 やるべきことはたくさんある。


 傍から見れば、ただボール遊びをしているようにしか見えないかもしれない――が、俺には仮想の敵が見えている。


 小さなタッチで小回りを利かせ、足裏でボールを引いて後ろに下がる。

 体でボールを隠すように体を入れてブロックターン。

 仮想の敵との攻防が続く。


 ボディフェイント、ステップオーバー。


 フェイントも織り交ぜる。


 俺も……なかなかやるじゃあないか。


 ドリブル、キックフェイント、ドリブル、シザース、ドリブル。


 昨日見た、サッカーの技を一人繰り返す。


 気付けば、太陽が沈みかけていた。


 道造さんがにっこりしながら、息を弾ませる俺を見ていた。


 空が赤い。


 足元の影が長い。


 俺は、ふーと大きな息を吐き、道造さんに笑いかけた。


「そろそろ帰りましょうか?」


「そうじゃのう」


「師匠は、これからパチンコですか?」


「パチンコの前に、晩飯でも食いに行くか? おごってやるぞ」


「それなら、今日は俺のデイトレードの初収入の日。感謝の意を汲んで俺におごらせてくださいよ」


「なに生意気なことを言っておる。まだまだひよっこではないか。一人前のようなことをぬかしおって」


「すみません。でも、初の給料で親にプレゼントをするように、俺はデイトレードの初収入で師匠に晩飯をプレゼントしたいです」


「仕方ないやつじゃな」


「いいじゃないですか。今日の儲けは、実際は、師匠のおかげで稼げたようなものですし……師匠にもらった金みたいなものじゃないですか」


「くはは、天心。確かに今日のトレードは、まだ天心のトレードだったとは言えないな。よかろう。今日はお前におごらせてやる」


 道造さんの一見不満そうな表情の奥に、どこか嬉しそうな微笑みが隠れていた。


 二人はいつもの町中華に向かった。


「しかし天心、おまえ本当にサッカー選手になれるかもしれんのう」


「マジですか? 道造さんもそう思います?」


 俺も、なんとなく手ごたえを感じてるわ。


「うむ。現状じゃとまだまだかもしれんが、練習し始めてたいして立っておらぬのに、ドリブルも多彩じゃし、リフティングも上手い」


 ……リフティングは、あまりアピールポイントにはならなそうだけどな。


「まだまだ上手くなるじゃろうから、ひょっとするとひょっとするぞ」


 ……ひょっとするとひょっとするね。


 絶対なれるというほどの、確信はないわけか……そりゃそうだわな。


「あの多彩なドリブル、どこで覚えたんじゃ? 自己流にしては、上手すぎるのう」


「あ、あれはユーチューブ動画で、調べたんですよ。文字で調べるより実際の動画を見ないと分からないものですもんね」


『百聞は一見に如かず』ってホントだわ。


「なるほどのう」


「ユーチューブの動画解説、とても分かりやすかったし、何度でも分かるまで繰り返し見れるし、種類もいっぱいあって、今晩もいろいろ見ようと思ってます」


「そうか、動画解説か。よい手本があってよかったの」


 俺達は、そんなことを話していると、町中華についていた。










 

第94話終了時

 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル5

 職業    怪盗紳士

 HP    12(+18257)

 MP    0 (+17831)

 力     12(+300)

 防御外皮  12(+4078)

 知力    10(+17881)

 速さ    12(+4034)

 器用さ   16(+15)

 スキル   スチール(ユニーク)レベル6(16個)

 気配察知(30)

 スライムの胃袋(29704)   レベル4

 消化液(9235)   レベル3   

 水魔法    スライムバレット(1088)  レベル3

 火魔法    ファイアバレット(2410)  レベル3


 装備    なし

 アイテム  リュックサック 腕時計


 金  五十八万七千円

 口座 二百五十万円

 証券口座 五百十一万円六千九百円


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