表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝10万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/89

第64話 |九条綾華《くじょう あやか》

 


 走って行くと前方の大岩あたりにオレンジ色のスライムが見え出す。

 この辺りにいるスライムは、レベル5のスライムだ。


 オレンジ色のスライムに混じって、時々普通のスライムもいるが、この辺で狩りを始めることにした。


「スチール!」


 レベル6のスチールは、一度に16個の物や能力を奪う。


 レベル5のスライムのHPは10なので、HPを狙って盗めば、一回で倒せることになる。

 だからHPは最後に回す。


 MP10をスチールしました。

 ファイアバレット2をスチールしました。

 防御外皮2をスチールしました。

 速さ2をスチールしました。


「スチール!」


 知力10をスチールしました。

 消化液 5をスチールしました。

 スライムゼリー1をスチールしました。


「スチール!」


 スライムの胃袋16をスチールしました。


「スチール!」


 スライムの胃袋4をスチールしました。

 HP10をスチールしました。


 全てを奪い尽くされたスライムは、魔石と水に変わった。

 スチール4回で奪い尽くせるようになったのは、大幅な時短である。


 今日は探索時間もいつもの倍だし、頑張ればいつもの4倍は倒せるかもしれない。

 ただ、一回で買い取りに出す量が、あまりに多いとリュックサックに入りきらなくなる。


 スライムの胃袋を使えることがばれないように、リュックサックで偽装をしているのだから、いつもの量で買い取りしてもらった方が無難だ。


 ということで、だいたい60数匹狩ったところで買い取りのために往復を繰り返した。


 一日で256匹、十四万五千六百円――今までの4日分を稼いでしまった。

 それにしても、スライムっていなくならないんだね。


 たぶんリポップタイム――倒された魔物が再出現するまでの時間――が短いのだろう。


 期待していたレベルアップは起こらなかった――残念。


 ロッカールームで着替え、晩飯を食べに二階のパーラーに向かう。


 夜八時のパーラーは食事と飲酒の探索者で賑わっていた。


 ダンジョン帰りの探索者たちが、テーブルを囲み、大声で今日の戦果を語っている。

 肉の焼ける匂いとスパイスの香りが混じり合い、空腹を刺激してくる。


 俺はやっと空いている席を見つけて座り、カツカレーを注文した。


 たまにはカレーもいいんじゃない?

 初めて食べるパーラーのカレー、少し辛口で大人の味――俺好みだった。

 これからちょくちょく注文しそう。


 ……美味い。


 向こうから、マッチョの指導員さんが来るのが見える。


 相手の都合が悪かったら、8時ころにパーラーで伝えると言っていたな。

 こりゃ、相手の都合が悪かったに違いない。


 明日が駄目だとすると、明後日かな?


 目の前にマッチョの指導員さんが立ち止まる。


「食べ終わったら、一階の受付に来てくれるか」


 苦々しい顔でぶっきらぼうに言う。


「かまいませんけど……なんでしょう?」


 なんだか機嫌が悪そう……俺、何もしてないよね。


「説明がややこしい。来れば分かるから、とにかく来てくれ」


「すぐ食べ終わりますので……」


「じゃあ、待ってるぞ」


 なんか怖い。


 去っていくマッチョの指導員さんの背中を見つめながら、カツを口に入れる。

「すぐ食べ終わる」って言ったけど、急いだって3分はかかるよね。

 食べ始めたばかりだし。


 急いで食べ終えた俺は、階段を降りて一階の受付に声をかける。

 中に入るように指示された。


 受付窓口の横にある職員用の出入り口から、この前入ったミーティングルームへ通される。


 部屋の中央に八人がけのテーブルと椅子があるだけの簡素な部屋だが、今日はマッチョの指導員さんと、一人の少女が座っていた。


 目と目が合う。


 もちろん知らない少女とだよ。


 背中まで届く長い黒髪。

 整った顔立ち。

 白いブラウスに紺のスカート。


 一見おとなしそうなお嬢様っていう感じ?


 もしかしてこの人、明日合うもう一人の探索者?


 マッチョの指導員さんと少女が立ち上がった。


「こいつが、赤嶺天心。綾華(あやか)お嬢様と特殊探索者チームを組むやつです」


 お、お嬢様! 


 この子、お嬢様なのかよ。


 まあ、見た目はお嬢様っぽい感じはしてたけど……てか、完全にお嬢様だけど。


 それにしても、俺は「チームを組むやつ」――「やつ」ってひどくない?


 これが、身分の差という奴か……仕方ないけど。


「天心君。このかたが、もう一人の特殊探索者チームのメンバー、九条綾華(くじょう あやか)様だ」


 !! ――様?


 同じ年くらいなのに――様?


 いったいどこのご令嬢なんだ?


 立ち上がった少女――九条綾華(くじょう あやか)……様が、ゆっくりと一歩前に出た。


 透き通るような白い肌に、凛とした黒い瞳。

 近くで見ると、将来かなりの美人になりそうだ。


 あ、今でも美人だよ。子供だけどね。


 それにしても、この子が探索者をするの?


 お嬢様なんでしょ?


 お金に困る訳じゃないのに、魔物と闘う探索者をする理由が分からないわ。


「初めまして、赤嶺天心君」


 そのお嬢様が、すっと軽く頭を下げた。


「九条綾華です。これから同じチームになります。よろしくお願いします」


 ……あれ?

 普通にいい人っぽい?


 俺も慌てて頭を下げる。


「ど、どうも。赤嶺天心です。こちらこそ、これからよろしくお願いします」


「天心君は、とっても強いって聞いてます。スライムキングを倒したんですよね?」


 ……なんで知ってる。

 個人情報は守られるはずじゃないのかよ。


 俺は思わずマッチョの指導員さんを見る。


 しかし指導員さんは、視線を逸らした。


 ……おい。

 ……まさか。

 話したのか?

 スライムキングを倒した魔法――

 俺のスライムバレットのことを知ってるのは、マッチョの指導員さんだけだよね。


 綾華は俺と指導員さんの様子に気づいて口を手でふさいだ。


「ごめんなさい。指導員さんは悪くないのよ。私のおじいちゃんは探索者協会の会長だから、私のパーティメンバーとして、天心君を推薦する時に教えてくれたの。だから、指導員さんは報告書に書いただけなの」


 なんだって――探索者協会の会長の孫娘!

 そりゃあ、マッチョの指導員さんがへいこらしているはずだわ!


 パーティメンバーとして俺を推薦する時?

 てことは――特殊探索者チームってそういう意味で特殊だったの?


「いや。君を待っている間に、いろいろ聞かれて、スライムバレットのことを話したのは事実なんだ。パーティを組めば、いずれ分かることだと思ってね。すまなかった」


 すでに知っていたようだし、探索者協会の会長の御孫様に根掘り葉掘り聞かれたら、……そりゃ、話してしまうわなあ。


「分かりました。いいですよ」


「いいですよ」と言いながら、ぐっと睨みつける。

 ――これは貸しですよ!


 マッチョの指導員さんは、すまなそうに身を縮めた。

第64話終了時


 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル4

 職業    怪盗紳士


 HP    11(+11762)

 MP    0 (+11531)

 力     11

 防御外皮  11(+2801)

 知力    10(+11566)

 速さ    11(+2794)

 器用さ   15


 スキル   スチール(ユニーク)レベル6(16個)

 スライムの胃袋(17104)   レベル4

 消化液(6085)   レベル3  

 メタル化1(体を金属に変える。消費MP2)

 水魔法    スライムバレット(1088)  レベル3

 火魔法    ファイアバレット(1150)  レベル3


 装備    なし

 アイテム  リュックサック 


 金 四十一万六千円

 口座 千四十七万三千三百円

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
面白いです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ