第60話 フィーバー?
第58話終了時
赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル4
職業 怪盗紳士
HP 11(+6042)
MP 0 (+5811)
力 11
防御外皮 11(+1657)
知力 10(+5806)
速さ 11(+1650)
器用さ 15
スキル スチール(ユニーク)レベル5(8個)
スライムの胃袋(6724) レベル3
消化液(3225) レベル3
水魔法 スライムバレット(876) レベル2
火魔法 ファイアバレット(218)
装備 なし
アイテム リュックサック
金 十二万円
口座 千四十七万三千三百円
俺は、気を取り直してダンジョンに潜る。
いつものようにオレンジ色のスライムを中心に狩りをした。
昼前から夜7時過ぎまで、いつもの倍以上狩り続けた。
晩飯も、やっぱり二階のパーラーで済ませる。
少し趣向を変えて、あっさり大盛ざるうどん。
金がないわけじゃないけど、てんぷらはつけない。
最近肉物を食い過ぎてるからね。
いつもの倍は稼いだから、懐はあったかいんだぜ。
うどんを食べていると、昼の話が蘇ってくる。
特別保護扱いねえ?
どんなものなのかね――。
俺以外にも、特別保護扱いの特殊探索者がもう一人いるって言ってたな。
「もう一人の特殊探索者と」って言ったから、二人ってことはないはず。
もう一人って、どんなやつなんだろう。
俺と同じ中坊か?
それとも年上、高1か?
まさか、かなり年上ってこともあるか?
特殊探索者ってことは、かなり強いってことだよな。
いや――特別保護扱いってことは、駆け出し探索者には違いなかろう。
――てことは、強力なスキルを持った新米探索者なのかな?
ベテラン探索者で、最近強力なスキルを身につけたのなら、特別保護扱いにはならないはず。
そもそも、身につけたスキルを隠して、堅苦しい特殊探索者に認定なんてされないように動くはず。
やっぱり――強力なスキルを持った新米探索者の可能性が高いな。
……てことは、年は近そうだ。
絶対上手くやれなそー。
そもそも俺は、ボッチだぜ――。
対人能力は極めて低いっていうのに、上手くやれるわけがないわ。
大盛ざるうどんを食べ終えて、大きく溜息をつく。
考えれば考えるほど、気分は落ち込んでいく。
「なるようにしか、ならねーわ」
小さく呟いて立ち上がり、パーラーを出て家路につく。
今日は早いから、道造さんはまだ打ってるかな。
打ち止めしている道造さんの姿が脳裏に浮かんだ。
その足で、パチンコ屋に向かう。
パチンコ屋に入って道造さんを探す。
道造さんは口をへの字に曲げてパチンコ台を睨んでいた。
あれ?
もしかして、だいぶ注ぎ込んでいるのかな?
でも、まだ時間は早いし、出すのはこれからだろう。
「道造さん」
俺の声に、道造さんが振り返る。
「おお! 天心か。昨日ぶりじゃのう」
「昨日は、お世話になりました」
「わしは、何もしとらんぞ」
「いえいえ。アドバイスのおかげで、良いタブレットも買えましたし……」
俺としては、一緒にいてくれるだけでも心強かったわ。
「まあ、大したことではないわい」
道造さんが、嬉しそうに目じりを下げる。
「となり、いいですか」
「ああ、座れ」
俺は、空いていた隣の席につく。
「どんな感じですか?」
今日は、けっこう突っ込んでいる様子だが、言葉には出さず――。
「今日は回収日かもしれんのう」
「回収日?」
「日によって、フィーバーしやすい日と普通の日、あまりしない日があるんじゃ」
周りを見ると、確かにフィーバーしている台は見かけない。
「あまりフィーバーしない日を、回収日と言うんですね」
「まあ、そういうことじゃの」
要するに、今日はだいぶ注ぎ込んでいるということだ。
でも、勝負はこれから――。
「天心が、運を連れてきてくれたかの」
……そうあってもらいたいぜ。
話をしている間にも、ルーレットは回るしリーチもかかる。
だが……なかなか揃わない。
「うーむ」
道造さんが顎の手をやり、小さく唸る。
「……うーむ」
俺も顎に手をやり小さく唸った。
「うーむ。――そろそろ揃うじゃろう……」
後ろの方から、フィーバーした時の音が聞こえてきた。
別の台が揃ったらしい。
その音で、俺は焦りを感じたが、道造さんはそうではないらしい。
「そろそろ揃いだしたかの……」
揃ったのは別の台だが、それは良い知らせなのか?
「さあ来い!」
道造さんが気合の掛け声。
7-?-7
リーチだ!
俺の視線は真ん中の数字に集中する。
スピードのステータスは動体視力にも影響するのか、回る数字がはっきり追える。
「お! きそうじゃぞ!」
道造さんの声が弾む。
画面の真ん中の数字が、7で止まりそうな動きをしていた。
2! 1! 0!
「来い!」
9! 8! 7!
「来い!」
6!
「来い!」
7!
「よし!」
「揃いましたね。道造さん!」
「フフフ。こんなもんよ!」
道造さんが自慢げに視線をよこす。
パチンコ台から、チンジャラチンジャラと玉があふれ出し、大箱がさっと運ばれてきた。
「しかし、天心が来た途端にフィーバーとは、やっぱり、天心は幸運の女神のような奴じゃのう。男じゃが」
「俺は、関係ないですよ。全部道造さんの実力ですよ」
さすがに今日は、ダメなのかと思っていたが、またまた打ち止めだ。
道造さんって、本当に強いな。
大箱四つ半を両替カウンターへ運び、換金用の景品に交換し、さらに換金所で現金へ。
面倒な流れだが、直接パチンコ玉を現金に換えるのは違法らしく、一旦景品に交換して、その景品を買い取ってもらうという形を取れば、罰することはできないらしい。
実質的には換金所だが、景品買取所という体裁をとっているのだ。
買い取っているのは、パチンコ屋の換金用景品だけなんだけどさ。
バレバレの換金システムなんだけど、確かに形の上では、古物商がいらないものを買い取ってるのと同じだからね。
法の抜け道っていうのは、どこにでもあるものなんだなー。
そのまま道造について、近くのコンビニへ向かう。この前と同じパターンだ。
ただ、俺は晩飯は済ませてあるので、コンビニ弁当は買わない。
スナック菓子とコーラを1本。
いつもの流れで道造さんのアパートに入り込む。
「道造さんって、本当に強いですね。俺が見ているときは、いつも打ち止めにしてますよ」
「そうかもしれんが、打ち止めにしていても今日は大して儲かっておらんからのう」
「え! そうなんですか?」
「うむ。今日はフィーバーするまでに、八万近く突っ込んどる。儲けは数千円ってところじゃわい」
――トントンってところじゃな! ってこの前も言ってたな。
本当にトントンだったわ。
あそこで、フィーバーしなかったら八万円の負け。
確かにパチンコは、それほど儲かっるものじゃなさそうだ。
この前言っていたけれど、10回勝っても、1回負けたらトータル負け越し――なんてことがありそうだ。
パチプロって本当に儲かっているのかしら?
パチンコは、やらないようにしようと思った。
第60話終了時
赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル4
職業 怪盗紳士
HP 11(+6642)
MP 0 (+6411)
力 11
防御外皮 11(+1777)
知力 10(+6446)
速さ 11(+1770)
器用さ 15
スキル スチール(ユニーク)レベル5(8個)
スライムの胃袋(7824) レベル3
消化液(3525) レベル3
水魔法 スライムバレット(896) レベル2
火魔法 ファイアバレット(318)
装備 なし
アイテム リュックサック
金 十三万六千円
口座 千四十七万三千三百円




