第44話 オレンジ色のスライム
第42話終了時
赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル4
職業 怪盗紳士
HP 11(+3992)
MP 0 (+3761)
力 11
防御外皮 11(+1215)
知力 10(+3756)
速さ 11(+1208)
器用さ 15
スキル スチール(ユニーク)レベル5(8個)
スライムの胃袋(3584) レベル3
消化液(2160) レベル3
メタル化1(体を金属に変える。消費MP2)
魔法 スライムバレット(672) レベル2
装備 なし
アイテム リュックサック
金 4万8千円
口座 千四十七万三千三百円
俺はそのオレンジ色のスライムに、そっと近付いて行った。
大きさは普通のと変わらないけど、やっぱりスライムバレットで攻撃してくるのだろうか?
とにかくスチールでスライムバレットを奪ってみよう。
「スチール!」
5メートルの距離から、右腕をかざす。
スライムの胃袋8をスチールしました。
スライムバレットは持っていないのかよ。
じゃあ……こいつは、何で攻撃してくるんだろうか?
「スチール!」
とりあえず動きを止めるか。
速さ2をスチールしました。
スライムの胃袋6をスチールしました。
オレンジ色のスライムの動きが止まる。
スライムの胃袋14個も持ってたぞ。
やはり普通のスライムとは全然違うのかもしれない。
三度目のスチールをかけようとした瞬間、オレンジ色のスライムから赤い火の玉が二つ、俺に向かって放たれた。
意表を突かれたが、5メートル離れていたため、反射的に回避はできた。
……炎の魔法か?
速さ0とは言え、完全に動けないわけではなかったのだ。
俺は、炎の魔法を狙ってスチールをかける。
その間にも、炎の弾は撃たれ続けた。
「スチール!」
ファイアバレット2をスチールしました。
知力8をスチールしました。
この火魔法は、ファイアバレットと言うらしい。
オレンジ色のスライムは、炎の弾を撃てなくなった。
俺は警戒を緩めずさらにスチール。
狙いはMPだ。
「スチール!」
MP8をスチールしました。
「スチール!」
MP2をスチールしました。
防御外皮2をスチールしました。
スライムゼリー1をスチールしました。
消化液3をスチールしました。
これでMPは、枯渇したはず。
「スチール!」
消化液2をスチールしました。
スライムの胃袋6をスチールしました。
「スチール!」
知力2をスチールしました。
HP6をスチールしました。
「スチール!」
HP8をスチールしました。
「スチール!」
HP6をスチールしました。
オレンジ色のスライムが魔石に変わった。
フーと大きく息をつく。
魔石を拾いながら、ファイアバレットをステータスで確認する。
火魔法・ファイアバレット 2(火球を同時に2発、弾丸として飛ばす。消費MP2)
確かに盗めていたようだ。
当然、できるか確かめてみる。
腕を上げ、心のなかでイメージしながら念じる。
「ファイアバレット」
俺の背中に魔方陣が二つ浮かんだ。
壁に向かって火球が放たれる。
オレンジ色のスライムの時は、魔法陣は浮かばなかったけど?
それに、腕を上げる必要――なかったんじゃね。
……ていうより、これ魔法じゃん。
俺、魔法使いになっちゃったじゃん。
人外じゃね?
こんなの他人に見せらんねー。
探索者の中には、魔法が使える人っているのかな?
ステータスに、MPがあるってことは、ダンジョンに入ったとき、魔法のスキルを身につける人だって、きっといるよね?
でも、他にもいると分かるまでは、絶対他人に知られるわけにはいかねーな。
あれ?
でもあれか?
スライムバレットも、水魔法だったわ。
……てことは、スライムバレットも他人には見せらんねーんだ。
俺は、今まで魔法を使った時のことを思い直し、他人に見られていないことを確認した。
スチールも、人前では分からないようにやっていたから、たぶん誰にも気づかれていないはずだ。
盗んだものさえ見られなければ、スチールしていることはバレないはず。
スライムゼリーは、盗んだ瞬間スライムの胃袋に収納している。
その一瞬を見抜くのは、まず無理だ。
それに、第1階層で探索している人間は元々少なく、ほとんどが第二階層に向かうだけの通りすがりだ。
わざわざ俺に注意を払って見ていくやつなんて、そうそういなかった。
「うん! 大丈夫だ」
俺は、気を取り直して再び奥へと進み出した。
そして――
次に発見したスライムも、オレンジ色だった。
思わず口元が緩む。
「マジかよ。ラッキーじゃん。また、ファイアバレットを盗めるぜ」
俺は喜び勇んでオレンジ色のスライムにスチールを仕掛けた。
どうやらこの辺り一帯は、オレンジ色のスライムが集まるエリアらしい。
その後に遭遇したスライムは、例外なくすべてオレンジ色だった。
残り時間も少なかったので、その後5匹のオレンジ色スライムを倒し、地上へと戻った。
今度から、ここでオレンジ色のスライムを狩ることにしよう。
クロークで買い取ってもらうと、今日はスライムの魔石とスライムゼリー97個で五万八千二百円。
スライムキングの魔石が千円だった。
さすがに八時間も探索した甲斐があったというものだぜ。
それにしても、半日頑張れば、6万円近くになるんだな。
俺は、今日の稼ぎに満足して口元が緩んだ。
クロークのお姉さんが話しかけてくる。
「指導員から話があるようなので、少しお時間いただけますか?」
……なんだろう。
悪いことは、していないつもりだが?
「あ、別に注意とかではないようですから、安心してお待ちください。今、呼んできます」
「あ、じゃあ……俺、晩飯食いたいんで、二階のパーラーで待ちたいんですけど」
「では、そのように伝えます」
お姉さんが去ったので、俺は二階のパーラーに向かった。
本日二度目のパーラーだ。
和風ハンバーグ定食はお気に入りだが、さすがに二回続けて同じものじゃなあ。
今度は別のものを頼んでみよう。
「何にしようかな……」
俺は、手渡されたメニューを眺めながら、しばし考える。
……やはり定番が一番無難かな。
デミグラハンバーグ定食?
それとも生姜焼き定食が良いかな。
「生姜焼き定食をお願いします」
「かしこまりました」
メニューが下げられ、しばらくして、湯気を立てた生姜焼き定食がテーブルに置かれた。
いい匂いだ。
鼻をくすぐる生姜の香りに、自然と食欲が刺激される。
これ、絶対うまいやつ!
新しく、お気に入りのメニューが増えそうだ。
さっそく、生姜焼きを一口。
――うん!
濃い醤油のコクとガツンと効く生姜の絶妙なコンビネーション。
探索者に人気が出そうな濃い味付け。
もちろん、俺も濃い味派だ。
「うまい、うまい」と生姜焼き定食を頬張っていると、俺のレクチャーを担当してくれた、ガタイの良い職員さんが入ってくるのが見えた。
……指導員って、あの人かな?
この前は、皆がされる指導だったから気にならなかったが、今度は俺だけ特別な指導でもされるのだろうか?
見た目がごついから、ちょっと怖い。
お姉さんには安心するように言われたが、急に不安が込み上げてきた。
俺は箸を止めて、職員さんの動きをそっと目で追っていた。
レベル5のオレンジ色のスライムのステータス
HP 10
MP 10
力 0
防御外皮 2
知力 10
速さ 2
器用さ 0
スキル
スライムの胃袋 20
消化液 5
火魔法・ファイアバレット 2(火球を同時に2発、弾丸として飛ばす。消費MP2)を同時に2発、弾丸として飛ばす。消費MP2)
スライムゼリー 1個
第44話終了時
赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル4
職業 怪盗紳士
HP 11(+4802)
MP 0 (+4571)
力 11
防御外皮 11(+1409)
知力 10(+4566)
速さ 11(+1402)
器用さ 15
スキル スチール(ユニーク)レベル5(8個)
スライムの胃袋(4464) レベル3
消化液(2605) レベル3
水魔法 スライムバレット(832) レベル2
火魔法 ファイアバレット(14)
装備 なし
アイテム リュックサック
金 十万三千円
口座 千四十七万三千三百円




