第226話 大型スーパーマーケットでお買い物
ファミレスで食事を済ませ、外に出ると門松さんが車で待機していた。
車内でお弁当でも食べたのかな?
この後は、探索用に買い出しをしておく予定だ。
「この前買い出しをしたサ〇ミットでいいわよね」
「うん。あそこ、いろいろあってよかったよね」
なんとなく、この前のところで買い物をすることに決まる。
車に乗り込み、次の目的地・大型スーパーマーケットのサ〇ミットに向かった。
「天心君の収納スキルって、次元収納なの?」
車に乗り込むと綾華が聞いてきた。
「たぶんそう。
中は時間が経たないみたい。
中に入れると腕時計の時間が進まないんだよね」
すごくゆっくり時間が流れているのかもしれないけれど、それは時間が流れていないのとほぼ同じこと。
わざわざ確認してくるところを見ると、次元収納だとなにか良いことがあるのかな?
まず、保存時間が長いってのはあるよね。
賞味期限とかを気にする必要はない。
「ふーん。じゃあ、もしかしてホカホカのお弁当とかを買って入れておいても、ホカホカのままなんじゃない?」
たぶんそう。
弁当がホカホカのままなら、弁当をたくさん買って入れておくのもいいよね。
「そうかもしれない。
何日も入れておいたことはないから、試したわけじゃないけどね」
「じゃあ、1回分入れておいて試してみましょう」
「いい考えだね。あとでホカホカのお弁当を買っていれておこう」
「もしかしたら、インスタントやレトルト食品を入れておくより良いんじゃない?」
確かにな。
温める手間が省けるし、何より美味い。
「確かにね。
でも、インスタントやレトルト食品にも食べたいものはあるんでしょう?」
ぶっこみ飯とか。
「お弁当にない種類のメニューもあるしね」
和食系はレトルト食品の方が種類があるかな?
「テイクアウトのバーガーセットとかを入れておいてもいいんじゃないかな?」
「天心君は、そういうの好き?」
好きかと聞かれると、意外にそんなことはない。
すごく美味いと感じたことはないし、かといって不味いとは思っていない。
「普通かな」
「普通か――。
私もそんな感じだし、お友達とかと食べることはたまにあるかな。
確かに、気分が変わるから、そういうのもあった方がいいかもしれないわね」
ということは、バーガーセットも買いにいって、スライムの胃袋に収納しておけばいいんだよね。――バーガー屋にも行かなくちゃ。
「サ〇ミット以外も廻ろうか?」
「池袋の駅前も行ってみましょう」
綾華は学校が近いから、土地勘があるのかな。
「綾華はその辺のお店は詳しいの?」
「車の送り迎えだから、それほど詳しいわけじゃないけれど、お友達と遊ぶのは池袋が多いかな」
「学校の帰りにってこと?」
「そうそう。門松に待っててもらって」
門松さんも大変だな。――でもそれが仕事か。
綾華だって、友達付き合いはしなくちゃならないしね。
「ホカホカなお弁当と、バーガーセットと......あと何を買っておく?」
「池袋の駅近くはお弁当屋さんもたくさんあるわよ。
今全とか、なだ千とか、〇武百貨店の地下2階のお惣菜やさんにもお弁当はたくさんある。
でも温かいお弁当となると、手作り弁当のお店よね」
サ〇ミットの駐車場に着いたので、車から降り、店舗の中に入る。
「果物とインスタントとレトルトを山ほど買おうぜ」
「そんなにたくさんはいらなくない? お弁当の方がいいような気がしてきた」
確かにお弁当の方がいいかもな。
ただ、お弁当は、男の俺には量が少し足りないかも。
「バナナは買っておこうかな。この前、手軽に食べられてよかったからね」
「ブドウとかもいいんじゃない」
「そうだね。確かに洗っておけば、いつでも食べれるしね」
『お宝見つけ隊』にもらったブドウは美味しかったな。
果物ゾーンに行き、バナナとシャインマスカットを、カートの上下二段に載せた二つの買い物かごいっぱいに入れた。
多すぎるということはないんだぜ。
金はあるし、何も次の探索の時に食べつくさなくてはいけないわけではないんだからね。
スライムの胃袋の中に入れておけば、冬になっても新鮮なままだろう。
なんなら、来年新しいブドウが売りに出されるまでだって、保管できるはず。
「カートをもう一つ取ってくるよ」
「一緒に行くわ」
「いや、すぐだからここで待ってて」
果物売り場は入ってすぐの場所なので、カート置き場は目と鼻の先だ。
俺はすぐ、カートを押して戻ってきた。
「あとは、冷えたジュース類も買っておこうか? 水ばかりだと味気ないでしょ」
探索者協会から水は支給されたがジュース類は支給されていない。
「そうね。たまには水以外も飲みたくなるし、水も余分に買っておきましょうよ」
「確かに、水も入れておいた方が安心だね」
冷えたジュースと水のペットボトルを取ってきたカートの下の段のカゴ一杯に入れた。
「赤嶺君。それ、重すぎない?」
「レジを済ませたら、カートごと駐車場の方に行く途中で収納しちゃえば楽勝さ」
俺は、綾華に微笑みかけた。
綾華も俺に微笑み返す。
「そうだね。周りから、見られないように気をつけてね」
「もちろんさ」
「じゃあ、次はレトルトとインスタント食品だね」
俺たちはカートを押して次の陳列棚の列に移動した。
「レトルトは、もう一つ向こうの列で、インスタントはさらにもう一つ隣の列だったよね」
「そうそう」
レトルト食品が並ぶ棚の前まで移動して、たくさん上段のかごに入れた。
「インスタント食品、入れられる場所が足りるかしら?」
「山積みにすれば大丈夫だよ」
次の列に移動し、インスタント食品をかごに入れる。
「これこれ、『ぶっこみ飯』はたくさん買っていきたいわ」
『ぶっこみ飯』は、ラーメンの汁にご飯をぶっこんであるやつだ。
お嬢様の綾華が、どうして『ぶっこみ飯』なんかが好きなのか、理解に苦しむところだが、たくさん買って行く。
俺の分はカレー味とかシーフード味にしておいた。
激辛の『炎飯』はいらない。
かごが山盛りになってしまったので、レジに向かった。
レジで買った商品をレジ袋に入れてもらう。
そしてお金を払い、カートに積んで駐車場に向かった。
駐車場に着くと、車のトランクに積むふりをして、スライムの胃袋に収納する。
もちろん、周りから見られないように注意してだ。
「上手くいったわね」
辺りに気を配っていた綾華が言った。
俺はサムズアップしてそれに応えた。
「次は、駅前に行ってお弁当を買いましょう」
「そうしよう」
俺と綾華が後部座席に乗ると、門松さんは車をゆっくり発進させた。




