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祝40万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


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第224話 最終試験


「あはははははは! 君、面白いやつだねー。それじゃあ、このボールを俺から取ってみな!」


 長田選手がドリブルを始めた。


 俺は長田選手から、ボールを奪わなくてはいけないわけだ。


 それがまず最初の試験ていうわけね。


 俺はジリジリと長田選手に近付いていく。


 人外の速さをだして、簡単に奪うこともできるだろうが、それは駄目だ。


 ちゃんと常人の範囲内で対戦してこそ、認めてもらえる。


 足を出した瞬間に、長田選手は足裏でボールを引いて後ろを通し、左にかわした。


 空振りさせられてバランスを崩されたが、素早く立て直した俺は、すかさず体を寄せてついていく。

 普通なら立て直すのに時間がかかり、振り切られてしまうところだが、速さのステータスが高いおかげでついていけた。


 長田選手が左足のアウトサイドでボールタッチ、左に逃げたところに素早く回り込んで、もう一度、足を出す。


 長田選手は腕を伸ばして俺をおさえるが、俺はかまわず前にでる。


 長田選手と俺は、転がるボールをめぐって先を争った。


 いきなりボールを奪ったら、長田選手の面子がつぶれちゃうかな?


 スピードもフィジカルもこっちが上だから、ボールを奪えないことはないけれど、一方的に勝ってしまうのもいかがなものか。


 ここは少し泥臭く争ってから奪うことにしよう。


 それから20分の間、俺と長田選手は体を押し合いながらボールを奪い合った。


 取ったり取られたり完全なボール支配は互いにできない......程度に加減したんだけどね。


 そして最後は俺がボールを奪って、ボールを守り続けた。


 とりあえず、勝ってアピールをしておかないと。


「あーやれやれ。ついにやられたか」


「ありがとうございます。長田さん」


「いや、参った参った。俺にあそこまで付いてくるとは大したもんだよ」


 俺は、長田選手に握手を求めた。


 長田選手は俺に笑顔で握手に応えると、監督に向きなおる。


「スピードもフィジカルも十分合格ですよ。

 ボールコントロールも大したもんです。

 監督! 彼はプロのグラウンドでも通用すると思いますよ」


 長田選手が俺を高く評価していることを監督に伝えてくれた。

 

「赤嶺君。それではこの後チームのみんなと一緒に軽い練習をしてみてもらうよ。

 チームのみんなは、軽い調整だからパスをし合ったり、ボール遊びをするみたいな感じさ。

 パスやトラップの精度を見せてもらう。

 スピードもフィジカルも持久力も素晴らしいものを持っているのは分かっているからね。

 みんなに紹介するから、付いてきて」


「はい!」


 俺は、監督たちについていき、SC東京の選手たちに紹介された。


「彼は、赤嶺天心。新人練習生だ。今日は彼も練習に参加させてやってくれ」


「はい」


 監督が視線で俺に挨拶を求めたので俺はチームのみんなに挨拶をする。


「赤嶺天心、中3です。今日は皆さんよろしくお願いします」


 チームのみんなからざわめきが起こる。

 中学生だということに、驚いたのかな?


「それじゃあ、いつも通りパス回しから始めてくれ」


 監督の指示に従って、選手たちがグラウンドに散らばって行く。


 長田選手が俺を誘ってくれた。

「赤嶺君。こっちこっち」


 俺は長田選手に付いてグラウンドに行くと、選手たちが輪になってボール回しを始めたので、その輪に混じる。


 軽くボールが蹴り上げられ、そのボールを他の選手に向けてまた蹴り上げる。


 昔、貴族がやっていた蹴鞠のようだな。


 ちゃんと相手にボールを返さないと続かないから狙いは正確にっと。


 30分ほど蹴鞠をした後、グラウンドを広めに使ってロングパスの練習が行われた。


 2人一組でキャッチボールのようにボールを蹴り合う。


 これは、キックの正確性と高度なトラップ技術が必要だな。


 特に勢いのあるボールをトラップするのは難易度が高い。

 柔らかくボールを受けて勢いを殺せないと弾いてしまうからね。


 パスやトラップの精度を見ると言っていたけど、もろこれのことだわ。


 その後、軽くランニングをしてから体をほぐした。


 最後は自由練習になるらしいが、俺は監督たちに呼ばれて別メニューになった。


「赤嶺君、最後にちょっとしたテストをさせてもらうよ?」


「はい」


 何をさせられるんだろう――緊張するぜ。


 周りでは、他の選手たちがめいめい好きな練習を始めていた。


 クラブハウスに戻ってジムで筋トレをする者や、トレーナーにマッサージをしてもらうものもいる。


 小林健U-21監督兼コーチが進み出た。7人の選手が近寄ってくる。


「若手と一緒に3対3をやってもらっていいかな。

 彼らはU-21の選手なんだ。

 年齢が近い選手たちだし、U-21でも一緒にやってもらうかもしれない。   

 今から自己紹介をしてもらうからね」


 4対4じゃないのかね?


DF(ディフェンダー)の長野楓です」

「同じくDF(ディフェンダー)の佐藤郁人です」

MF(ミッドフィルダー)の渡部信二です」

「同じくMF(ミッドフィルダー)の後藤忠義です」

FW(フォア―ド)の菅野仁志です」

GK(ゴールキーパー)の南幸雄です」

「同じくGK(ゴールキーパー)の片柳正です」


 キーパーを覗いて3対3ね。


「南、長野、渡部、赤嶺チームと片柳、佐藤、後藤、菅野チームに分かれてグラウンド半面でやってくれ。向こうに移動しよう」


 グラウンド半面にゴールが2つ。

 そういえば、セレクションでも3対3をやったっけな。


「始め、赤嶺君はセンターをやるように」

 小林健U-21監督兼コーチから指示が飛ぶ。


 テストだから始めはセンターで、次々ずれていくのかな?


「はい!」


 俺の右にはDF(ディフェンダー)の長野、左にMF(ミッドフィルダー)の渡部がポジショニング。


 もちろんゴールは南が守る。


 そして敵は正面にFW(フォア―ド)の菅野、左にMF(ミッドフィルダー)の後藤、右にDF(ディフェンダー)の佐藤、ゴールが片柳だ。


「ボールを出すぞー」


 小林健U-21監督兼コーチから敵の後藤にボールが入った。


 後藤が渡部とにらみ合う。


 俺は菅野を意識しながらゴール前を固める。


 後藤が渡部の守りを嫌がりボールを後ろに戻す。

 菅野がボールを貰いに動いている。


 俺は、菅野の前を固めボールを奪いに動いた。


 菅野は、俺から逃げて右に流れようとする。

 俺は、それにぴったりとついていく。


 シュートコースを塞ぎつつ、仕掛けるタイミングを見計らう。


 俺のテストだということもあるのだろうか――菅野は、俺を抜き去るつもりに見える。


 菅野の体重が右足に乗り反動を利用して左に切り返す。


 俺は、菅野の動きにつられて右に動くが、菅野の切り返しにバランスを崩されずに左に俺も切り返した。


 抜かせないよ。


 そして体を入れてボールを奪う。


 奪ったボールをキープしながら、今度は俺が菅野を振り切る番だ。


 菅野も俺に肩を押し当ててくるが、フィジカルでは負けないよ。


 長野がマークを振り切った瞬間にパスをつないだ。


 そして俺も菅野を振り切り長野からのパスを引き出す。


 すかさず菅野が飛び込んできたが、ササッとボールを引いて菅野を躱すと、ターンして中央に進んでいった。


 悪いがシュートコースが無限に見えたぜ。


 キーパー片柳が思い切って突っ込んでくるが、しょせんはシュートコースを塞ぎきれない。


 俺は落ち着いてシュートを決めた。


 それから何度も対戦を繰り返したが、俺たちは何度もシュートを決め、敵はシュートを決められなかった。


 小林健U-21監督兼コーチが練習の終わりを告げ、監督が俺を呼んだ。


 監督のそばに近付く。


「赤嶺君。君を正式にSC東京の選手として採用したい。

 後日、契約条件が決まったら連絡するよ。

 それまでは、午前中時間が取れたらここに練習に来てくれるかな」


「はい。学校がない日になりますから、土曜か日曜になりますね」


「じゃあ、来週の土曜と日曜には待っているよ」


「分かりました」


 俺はそう言うとクラブハウスに戻って行った。


 

 


 

 

 

 

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