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祝35万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


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第216話 モテ期のわけがない






 


 ほぼ同時に3組の戦いが始まった。


 いつものようにレッドオーガのファイアボール(40)の処理から始まる。


 俺と真季さんは剣で切り刻み、綾華はスピードで回避した。

『お宝見つけ隊』も逃げ回った。


 俺は、いつものように無言でスチールを唱えながら大剣を大上段から切り下ろす。


 ファイアボール40をスチールしました。

 棒術適性400をスチールしました。

 MP72をスチールしました。


 脳内にメッセージが響く。


『ドラゴンの牙』の3人がマシンガンで援護した。


 真季さんが一緒に戦っていないので、追加でスチールをかけても気付かれないだろう。


 俺は、大剣を振りながらスチールを唱えた。


 MP512をスチールしました。


 器用さ500をスチールしました。

 MP12をスチールしました。

 

 速さ500をスチールしました。

 MP12をスチールしました。

 

 力512をスチールしました。

 

 知力150をスチールしました。

 HP362をスチールしました。


 剣と鋼鉄の金棒がぶつかり合う。

 『ドラゴンの牙』のマシンガンがレッドオーガを徐々に削った。


 俺は鋼鉄の金棒ごとレッドオーガの右腕を切り飛ばし、ドロップを確定した。


 鋼鉄の金棒を失ったレッドオーガは俺と『ドラゴンの牙』の攻撃で、一番早く魔石に変わった。


 担当のレッドオーガを倒した俺と『ドラゴンの牙』は、左側の『ブラックキャット』の援護に入る。


 俺は、レッドオーガの後方に回り込み、高速で剣を叩き込んだ。

『ドラゴンの牙』は、レッドオーガの左サイドからマシンガンで撃ち続ける。


 ほどなくレッドオーガは魔石に変わった。


 最後は綾華と『お宝見つけ隊』が戦っているレッドオーガに全員で攻撃した。


 すぐにレッドオーガが魔石に変わった。


 やったぜ!


 3匹相手に、何とか勝てたわ。


 一安心した俺たちは、ドロップした鋼鉄の金棒と魔石を拾った。


「厳しかったけど、何とか勝てたわね。怪我をしていたら回復魔法をかけるわよ」


「私は、もうかけてもらったから、綾華ちゃんを見てあげて」


「お願いします」


「ヒール!」


 二千華さんの職業はヒーラーで、回復魔法が使えるらしい。


 綾華の体が光に包まれ、疲労と怪我が回復した。


「お姉さまの魔法、すごい効果です。痛みも疲れも無くなりました」


「赤嶺君は、怪我はない?」


「俺は、無傷なんで大丈夫です」


「『お宝見つけ隊』と『ドラゴンの牙』の皆さんも、回復魔法をかけますよ」


「助かるわー!」

「かたじけない!」

「よかったのねん」


「かなり疲労していますので、かけてもらえると助かります」

「「あざっす…………」」


 二千華さんは、順番に回復魔法をかけていった。


 6人にヒールをかけ終わると、二千華さんは大きく息を吐いた。

 かなりMPを消費したのだろう。


「それじゃあ、少し休みを取りましょうか?」


「だいぶMPを消費したから、満菜美もMP回復薬を飲んでおいて」


「……分かってる」


 二千華さんと、満菜美さんが、MP回復薬を飲み始める。


『お宝見つけ隊』と『ドラゴンの牙』の6人は、マシンガンのチェックを始めている。


「赤嶺君。あなた、剣と魔法、どちらが得意なの?」

 真季さんが、隣に座って俺の顔を覗き込む。


「どちらが得意なのか……ですか?」


 俺が一番頼りにしているのは『スチール』だけど、『スチール』は魔法じゃないからな。


 次に頼りにしているのは『スライムバレット』だから、魔法の方が得意だということになるのかな?


「あまり考えたことはないんですけど、たぶん魔法の方が得意だと思います」


「ふーん。確かに剣は自己流みたいだものね。剣術適性や称号はないみたいだし、――それでも私よりすごそうなのは、速さのステータス値や器用さのステータス値がべらぼうに高いからかなー?」


 そうかもね。

 というか、それしか考えられないかな。


「分かりませんけど、そうなのかもしれませんね」


「いったいいくつなの?」


 探ってくるねー。

 興味があるのは分かるけど、探索者の能力を聞き出そうとするのはモラル違反だぞ。


「ノーコメントで」


「すごいのは分かったから、まあいいか」


 何が、まあいいのか分からんわ。


「別にすごくはないですよ」


「フフフ。隠しても無駄だよ」


「探索者の能力を聞き出そうとするのはモラル違反ですよ! 真季さん」

 綾華が機嫌悪そうに強い口調で批判した。


 ありがたいぜ。

 綾華って本当にいいやつだ。

 もっと言って。


「そうよ、真季。さっきから赤嶺君に失礼だよ」

 二千華さんが、またたしなめた。


「だって私、強い人が好きなんだもん」


「何言ってんの。赤嶺君は6つも下じゃない」


「恋愛に年の差なんて関係ないわ!」


「あなたは関係なくても、赤嶺君には関係するでしょ。彼から見たら、あなたはおばさんよ」


「おば、おばさん? ひどーい! 二千華だって同じじゃない。

 赤嶺君は、そんなこと思ってないわよ。ね――!」


 同意を求められてもねー。

 そんなこと、思っているとは言えないよね。


 実際21歳の真季さんは、中身はともかく見た目は15歳の俺にとっても凄く魅力的だ。

 

「思ってませんよ」


「ほらー!」


「今のは、社交辞令ってやつなのよ。分からないの?」


 ……確かに今のは社交辞令かもしれない。

 やっぱり付き合うなら、同じ年くらいのほうがいいからね。


「それに、綾華ちゃんが可哀そうでしょう?」


 真季さんが綾華を見て口を手で隠した。


「綾華ちゃん。ごめんねー! 取るつもりはないから気にしないでね」


「いえ。別に、付き合っているわけじゃないので、取られるとかは……」


 綾華が顔を赤くして、開いた両手を前に出して大きく振った。


 確かに付き合っているわけじゃないしな。

 この前のは、やっぱり俺の勘違いか。


 綾華は、俺のことを好きなわけじゃないし、真季さんも取るつもりはないってことは、なんとも思っていないってことだよね。


 モテ期が来たかと思ったのは、間違いだったわ。

 ……早く分かってよかったな。

 勘違いして、取り返しのつかないことにならなくてよかった。よかった。


 真季さんは、俺の隣を離れて行った。

 

 ふー。


 俺の隣で、綾華が顔を赤くしていた。


 なんだか、気まずい。


 俺と綾華は何も話さず、時間が静かに流れていった。


 他の人たちは、騒いでいたけどね。


 30分くらいして、二千華さんが立ち上がった。


「そろそろ、進みましょうか」


 全員が立ち上がり、再び前進を始めた。


 

 

 

 



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